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家電製品ミニレビュー
三洋電機「匠純銅 おどり炊き ECJ-XP10」

~モチモチ派におすすめのプレミアム炊飯器
Reported by 本誌:伊藤 大地

 2006年、三菱の「本炭釜」に端を発したプレミアム炊飯器のブームは、またたく間に業界全体に波及した。これまで、3万円台が高級ゾーンだった炊飯器売り場の模様は様変わりし、10万円近い炊飯器が、当たり前のように並んでいる。

 そんな中で今回は、三洋電機の「匠純銅 おどり炊き ECJ-XP10」を試してみたい。三洋は、現在、中級クラス以上の炊飯器ならたいてい付いている、圧力炊飯機能の元祖ということもあり、指名買いする人も多いメーカーだ。メーカー希望小売価格は131,250円。Amazon.co.jpで76,262円で購入した。

 まず、注目したいのはなんといってもその内釜だ。銅をふんだんに使った内釜は実測で1,557g。片手で持つのは重いくらいだ。熱伝導率が高く、米に熱を伝え、おいしいご飯を炊きあげるという。

 内釜は各社の高級炊飯器、どれも凝っていて、三洋と同じく銅釜を採用するナショナル、三菱の炭釜、日立の打ち込み鉄釜、タイガーの土鍋釜、一体成形の東芝とまさに百花繚乱。いずれも、発熱の良さや蓄熱性の良さをアピールし、おいしいご飯が炊けることをアピールしている。横並びになりがちな家電製品の中にあって、メーカーごとに個性があるのは、ハタから見ていると面白い。


凹凸の少ない一体感のあるデザイン
フタを開けたところ
内釜を取ったところ

操作パネル部分にも凹凸はない しゃもじ受けをつけたところ
本体背面

炊飯中に吹き出る「おねば」を受ける部分
おねばを溜める容器

フタ部分も銅でできている 上ブタは外して洗える 圧力炊飯のための調圧機構

 だが現在、各社が一通り、高級炊飯器を出したことで競争は次なるステージに移っている。まだ明確なトレンドはないが、有力な候補が「吸水」だ。生米に水を加え加熱してアルファ化(糊化)させる作業が、いわゆる「ご飯を炊く」と呼ばれる工程だが、熱を加えるのと同じくらい重要な作業が吸水だという。東芝の真空ポンプ内蔵の高級機は、内釜よりむしろ、吸水の方を重くみている感じもする。

 今回紹介する匠純銅は、ただ内釜を高級にしただけではない。吸水工程にとことんこだわった「匠炊き」モードを搭載し、内釜+吸水の2本立てを強くアピールしている点が特徴だ。

この匠炊き、ごく簡単に説明すると、水温を見て給水時間を自動で判断。最適な吸水過程を経て、一気に加熱・炊飯するという仕組みだ。吸水工程から炊飯器が管理するため、炊飯には1時間近くかかる。なによりも味を優先したモードである。そこのあたりのメカニズムはコラム「そこが知りたい家電の新技術」に譲るとして、ここではその匠炊きモードで炊いたご飯の仕上がりを伝えたい。この炊飯器、いろいろな動作モードがあるが、何は置いても、「匠炊き」である。


銅をふんだんに使った内釜
実測重量は1,557g
すしめしやおかゆ、カレー用の水位線が描かれている

レシピ本も付属する
炊き込みご飯のレシピ

 まず、炊きあがったご飯の見た目が明らかに違う。この炊飯器の前は、圧力式が出始めの頃のものを使っていた。たしかにモッチリなのだが、ご飯の外側まで糊状になっていて、ベタベタしている印象があった。しかし匠炊きで炊いたご飯は、周りはツヤツヤ、ツルツルしているのに、食べてみるとモッチリしている。

 味も、同じ米を使っているのに、かなり違う。夫婦二人でまず、確認しあったのは「味が濃くなった」ということ。我が家では、あきたこまちを常食しているが、純銅釜導入以前に比べて、確実に甘み、粘りが強くなっている。とにかく、この濃いめの味が鮮烈で、2週間くらいだろうか、この味に慣れるまで毎回、夫婦して「甘いねー、甘いねー」と言い合っていた。しばらくして慣れてしまえば、そんなことも思わなくなるが、主食としてのご飯というより、それそのものが1つの料理のような感覚である。


匠炊きモードで炊飯 盛りつける。一粒一粒にツヤがあり、中はモチモチだ やっぱり和食との組み合わせが一番

 ご飯のうまみが前面に出る感じなので、質素な和食が一番合う。特にアジの干物や辛子明太子といった、魚介系かつ塩気の強いものとの相性は抜群。もともと、ご飯との相性はいいが、この匠炊きモードで炊いたご飯だと、塩辛さの中にご飯の甘みがドンと前に出て、今までと違った味が楽しめる。粘りが強いため、冷えた後、おにぎりにしてもおいしい。

 ちなみに断っておくが、決して細かい味の違いがわかる繊細な男ではない。使う米によっても印象は違うだろう。しかし、少なくともこの炊飯器が目指す「おいしさ」とは、モチモチ、ネバネバ、甘い、という方向性であることは、間違いなさそうだ。

 もちろん、粘りを控えめに、サラサラ、サクサク系のご飯が好きという人もいるだろうし、それに対応する炊飯モードも、この純銅釜にはもちろんある。だが、この純銅釜がプレミアムたるゆえんは、匠炊きコースであるため、そういう人には向かないだろうと想像する。


残った刺身を使って魚介炊き込みご飯。具を後入れしたおかげでふっくら仕上がった おこげは炊き込みご飯の醍醐味

さといもとちりめんじゃこの炊き込みご飯を作ってみた
できあがり
さといものホクホク、ネバネバとじゃこの香ばしい香り、ご飯の甘みが三位一体となって襲ってきた

 白いご飯がおいしいのはもちろんとして、炊き込みご飯もイケる。この炊飯器、炊き込みご飯専用のモードが用意されているのだ。魚介類などの炊き込みご飯は、一番はじめの段階に具材を入れてしまうと具材が煮えすぎてしまい、場合によっては食材が固くなってしまう。この炊き込みご飯モードでは、それを防ぐため、炊きあがりの直前に炊き込みご飯用の食材を投入するタイミングを教えてくれるというモードなのだ。

 実際にこのモードで、鮭やブリなどの切り身を入れた海鮮炊き込みご飯を作ってみたが、確かにおいしい! ほどよく火が通っていて、生っぽくもなく、固くもない。パッケージには炊き込みご飯のレシピが付属しているが、そこには牡蠣の炊き込みご飯が載っている。きっと、炊き込みご飯モードで作ったらおいしいだろう。

 冒頭の方でも述べたが、この炊飯器、とにかくおいしいご飯を炊くことがコンセプトの中心に据えられている。そのため、保温機能に特筆すべきことはない。釜の中の酸化を防ぐ機能だとか、スチームで水分補給するとか、「保温してもおいしい」機能を搭載した製品は他社にはあるが、匠純銅にはそういったものはない。保温機能を重視する人には他の選択肢があるだろう。

 ただ、繰り返すようだがこの炊飯器の命は、銅釜と匠炊きモードの組み合わせにあると思う。モチモチ、甘いご飯に喜びを感じる人にぜひ薦めたい。





URL
  三洋電機株式会社
  http://www.sanyo.co.jp/
  製品情報
  http://www.e-life-sanyo.com/products/ecj/ECJ-XP10_K/index.html
  炊飯器関連記事リンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/rice.htm

関連記事
そこが知りたい家電の新技術
三洋電機「匠純銅 おどり炊き」(2007/09/25)

三洋、純銅内釜で約13万円の炊飯器「匠純銅」(2007/07/19)



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2008/06/20 00:26

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