● 「めんどうだけど必需品」な、スチームアイロンの高機能モデル
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東芝「スチームアイロン TA-GX100」
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アイロンがけが大好き! という方も少ないと思いますが、日常生活でアイロンが必需品であることも確かです。手間のかかるアイロンがけが少しでもラクになるようにと、大量のスチームが噴出できたり、コードレスだったりといろいろな機能を搭載したモデルが発売されています。発売されているアイロンは機能や価格別に種類も豊富で、1,000円台の簡素なものから1万円以上の高機能なモデルまでさまざま。
今回の東芝「スチームアイロン TA-GX100」は、その高機能モデル。メーカー希望小売価格はオープンプライス。Amazon.co.jpでの購入価格は12,354円でした。
● スポーツカーのような斬新なデザイン
「TA-GX100」はアイロンとしてはかなり斬新なデザインで、他社のどんなアイロンとも似ていません。アイロンというと台形で家庭的なデザインのイメージが強いのですが、この「TA-GX100」はCGやアニメから抜け出てきたような流線型です。
東芝のスチームアイロンでも、この独特なデザインはこの「TA-GX100」だけ。サイズは130×302×155mm(幅×奥行き×高さ)と大きめで、本体重量も約1.6kgと重めです。付属の水量カップで260ccが量れ、水は本体上部にある注水口から注入します。
立てたときに台座になる部分は、五角形の「ペンタゴン」形。実際に使ってみるとかなり安定しています。本体表面はパールの光沢があり、クルマの塗装のような鮮やかな色合いで、家電というよりスポーツカーのような雰囲気があって、ほかのアイロンにはない高級感があります。
かけ面はフッ素の約5倍の硬度があるという、硬質ホーローベース。確かに高級なホーロー鍋に似た材質です。「SMOOTH BASE」などグレーでマークされた部分は、少しざらざらしたマットな質感。白いかけ面なので清潔感もあります。
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上部に注入口、中央に操作ボタンが一列に並びます
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横から見ると、本体とかけ面の間に隙間が設けられているのがわかります
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硬質ホーローベースのかけ面は白くて清潔感があります
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1.6Kgの本体に水まで入れるとさらに重くなるため、アイロンをあてているとき重いのではないかと思ったのですが、実際にかけてみると、この硬質ホーローベースがスムーズに動き、それほど重さは感じません。金属製のツルツルのかけ面のアイロンだと、すべり過ぎてかけづらいと感じることもあるのですが、「TA-GX100」のかけ面は、マットな部分でほどよく抵抗感があり、ツルッとすべってしまうことがなく、しっかりすべらせながらアイロンがあてられます。
収納するときにじゃまになりがちな電源コードが本体にすっきり収納できるのも特徴の1つ。「電源コード巻き込みボタン」を押すと、掃除機のようにスルスルと収納できます。コードがぶら下がっているとどうしても“家電”っぽさが目立ってしまいますが、これだけすっきりしていると、押し入れにしまう必要もなく、デザイン家具として見えるところにあっても十分絵になります。
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注入口は上にパカッと開きます
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操作ボタンはハンドル上部にシンプルにまとまっています
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「電源コード巻き込みボタン」で本体にコードをすっきり収納できます
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コンセントの先端は出たままですが、十分すっきり
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台座部分は五角形になっています
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先端部分が尖っているので、本体後ろが太く感じます
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注水のときはまずふたを開きます
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そのあと付属の水量カップで注入します
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● 手元の3つのボタンですべての操作が可能
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ボタンのデザイン。設定ボタン3つと状態を示すLEDで構成されています
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コースは、1~5までの温度目盛りと、「ドライ」、「Powerスチーム」(パワーモード)、「High-Powerスチーム」(ハイパワーモード)を組み合わせて使います。設定温度によってスチーム量も最適な量へ自動的に変更され、「High-Powerスチーム」では「Powerスチーム」の約2倍のスチーム量が出ます。また、「High-Powerスチーム」よりもさらにスチーム量が多い「スチーマーショット」を本体を立てたまま噴出できるので、スチームアイロンとしてハンガーにかけたままの状態でしわ伸ばしもできます。
操作はかっこよくデザインされたシンプルな3つのボタンですべて行なえ、ハンドルを握ったまま親指で操作できるので便利なのですが、コースの切り替え方法自体は、最初ちょっと複雑に感じました。
「入/切」と書かれた、電源ボタンも兼ねる「温度切替」ボタンを押す回数で設定温度を切り替え、「スチーム切替」ボタンで「Powerスチーム」「High-Powerスチーム」を設定します。準備中は点滅し、それが点灯に変わると温度が上がって使える状態になったサインなのですが、点滅しているとなんだか「SETボタンで確定しなければ」という錯覚に陥って操作に迷うことがありました。ただ、これは個人的にパソコンの周辺機器に慣れすぎているせいなのかもしれません。
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「入/切」の温度切替ボタンを押して、電源を入れると同時に温度をアップさせます
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「入/切」の温度切替ボタンを1回押した状態。ドライで温度「1」の設定です
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ドライで設定温度「4」の状態。綿のワイシャツなどはここでかけます
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温度設定をした状態で「スチーム/ドライ切換ボタン」を押すとスチームを組み合わせられます
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一度押すと「Powerスチーム」に設定できます
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二度押すと「High-Powerスチーム」に設定できます
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毎週使うようなら操作を忘れることはありませんが、月に1度使う程度だとそのたびに忘れてしまうかもしれないので、しばらくマニュアルは一緒に保存しておくのがおすすめです。
● 「楽がけライン」と「ショットスチーム」でワイシャツやスーツにぴったり
実際に使っていて特に便利だと思ったのは、最大スチーム量約26ml/分の強力なスチーム。かけ面のスチーム孔数が101個と多く、高圧スチームで布地にしっかり浸透しているのがわかります。「High-Powerスチーム」ならスチーム量もかなり多く出るので、乾燥機で細かくシワが寄ってしまったものや、ニットの風合いを戻したいときにも便利でした。
また、この「High-Powerスチーム」よりもさらに大量のスチームが噴出できる、「スチーマーショット」も特徴的。スチーム量最大約30ml/分の強力なスチームが約10秒間続き、しわが寄ってしまったスーツをハンガーにかけたままシワ伸ばししたり、高温スチームによる消臭にも使えます。
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温度設定「3」~「5」の時にショットボタンが使えます
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「楽がけライン」の先端
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ほかのアイロンにはない東芝独自の形です
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単にとがっているよりも使いやすいよく考えられた形です
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ボタンとボタンの間など届きにくいところもしっかり入ります
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2枚重なっている部分も、かけ面だけを差し込んでかけられます
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タックの細かい部分にも入ります
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● このデザインに共感できる人に、デザイン家電として十分“買い”
基本的に高機能なアイロンなので何に使っても便利でしたが、「スチーマーショット」や「楽がけライン」が便利なことからも、ワイシャツのアイロンにとくに快適に使えました。さらに、アイロンなのに家庭的なイメージがない、クールさが際だつ独特のフォルムを見ると、実はこのモデルは「サラリーマンのひとり暮らしの男性」にぴったりなのではないかと感じました。
ワイヤーラックに並んでいても違和感のない流線型の美しいフォルムは、デザイン家電としての高級感がありますし、操作ボタンまわりの雰囲気や台座のペンタゴン形など、家電というより高級文具やクルマに通じるような、細かい部分へのこだわりを感じ、所有欲をかきたてられます。
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ぱっと見、少し不安定にも見えるのですが、かけ面は広く、十分安定しています
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本体全体がすっきりしているのでボタンまわりもかけやすいです
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ひどくシワが寄ってしまったものにも、本体の重さとスチームでしっかりアイロンがかかります
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スムーズに動くので小回りも十分
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ボタンはハンドルの上部にあるので、ボタンをさわらないように少し後ろを持って使います
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逆に、親子で仲良く使うようなイメージは沸きませんし、ボタン操作は「マニュアルなしで誰でもすぐわかる」ような簡単さはないので、少々ユーザーを選ぶところがあります。個人向けの高機能のスチームアイロンとしての機能はトップレベルなので、このデザインに共感できる方なら価格分の満足は十二分に感じられるのではないでしょうか。
■URL
東芝ホームアプライアンス株式会社
http://www.toshiba.co.jp/
製品情報
http://www.toshiba.co.jp/living/irons/ta_gx100/
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2008/06/19 00:01
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