● アイロン選びで重要なのは「スチーム力」と「かけ面のすべりのよさ」
|
ティファールのスチームアイロン「プログラム8 400」。ターコイズブルーとホワイトの本体。重量は約1.5kg、全長約31cm、幅約14.5cm、高さ約15.5cmとアイロンとしては大きめ
|
最近、長年使っていたコードレスのアイロンが壊れたので、新しいアイロンを買おうといろいろ探し始めたところ、実はアイロンの使い方が間違っていたことに気が付きました。
1つは、「アイロンはスチーム力が重要」ということ。ぎゅうぎゅうと力を入れてドライでかけていたのですが、スチームで軽くかければ、ワイシャツもズボンの折り目もきれいにできるようです。また、アイロンは「かけ面のすべりがいいものを選ぶ」ことも重要で、手が疲れると思って本体の軽さばかり気にしていて、すべりがいいかどうかに気が付いていませんでした。
また、アイロンをドライで使うときは霧吹きが必須なのですが、最近ではこの「霧吹きの機能が付いたアイロン」も多く、これなら別途霧吹きを用意する必要がなくて便利。この霧吹き機能が付いたものにしようと決めました。
そこで、この条件に合う、ティファールのスチームアイロン「プログラム8 400」を選んでみました。長年使っていたコードレスタイプではないのですが、コードレスだとすぐに充電ベースに戻さないと温度が下がることが気になっていたので、パワフルさの方を取りました。また、本体がかなり大きいので腕が疲れそうですが、「プログラム8 400」の場合はかけ面が特殊セラミック製で、温度が高くなるほどすべりがよくなるという、世界初のもの。これならそれほど力もいらないのではないかと期待して使ってみました。
「プログラム8 400」はティファールのアイロンラインナップの最上位機種にあたります。メーカー希望小売価格は、19,425円でAmazon.co.jpでの購入価格は14,800円でした。セールの時などは11,150円ぐらいまで下がっているときもあるようです。
● すべりのよいかけ面はティファールが特許を持つ特殊セラミック製
「プログラム8 400」の使い方は、普通のアイロンとほぼ同じ。スチームで使用するときは本体に水を入れ、電源プラグをコンセントに差し、「ドライ/スチーム切替レバー」をセット。繊維の種類に合わせて温度設定レバーをセットして、「サーモスタットランプ」が消えたらアイロンを当てます。
特徴的なのは、温度設定を行なう「プログラムセレクター」。アイロンだとスライドやダイヤルのものが多いのですが、レバーの左右をカチ、カチ、とプッシュして切り替えるタイプで、表示も「1 cool」「2 合成繊維」「3 アクリル」「4 絹」「5 羊毛」「6 木綿」「7 麻」「8 Power Jeans」と、おもに繊維の種類で表示されています。
洋服のタグには通常「高」「中」「低」などのアイロンを使うときの温度表示がされていますが、繊維以外で判断するときは、「4 絹」までが「低」、「5 羊毛」「6 木綿」が「中」、「7 麻」「8 Power Jeans」が「高」の温度にあたります。
本体は想像以上に大きく、本体重量は約1.5kg。実際使ってみると、本体の重さだけで十分なので、体重をかけたり、力を入れて押しつける必要がなく、ハンドルを握って横にスライドさせるだけといった感じでスムーズに使えます。ハンドルも大きめでしっかりしているので、見た目よりは力が要りません。
かけ面の特殊セラミックは、温度が上がるほどすべりが良くなる、ティファールが特許を持つ仕組み。確かに以前使っていたアイロンに比べてすべりやすいので、かけながらアイロンじわができにくく、スピーディにアイロンがけができます。本体もそうですが、アイロンのかけ面も大きいので、いままで十分だと思っていたアイロン台が小さく感じるほど。何度も往復しなくても、左右に往復すると一面が終わってしまうイメージです。
|
|
かけ面はティファールが特許を持つ特殊セラミックで、かけ心地も軽く感じます
|
温度の設定は繊維別に設定されている「プログラムセレクター」で行ないます
|
|
|
ハンドル下にあるレバーを指でプッシュすると温度切り替えができます。アイロンをかけながらでも、片手で操作できて便利です
|
ハンドル下の「サーモスタットランプ」が付いたら、設定温度まで上がって準備が完了したしるし。ハンドル部上にある「自動停止安全ランプ」は、立てたままで8分、横に倒れたりかけ面を下にしたまま30秒以上放置すると点滅し、安全のため加熱をストップ。本体を少し振れば加熱を再開します
|
● 多彩な強力なスチーム機能を搭載。ハンガーにかけたまま垂直スチームもできる
|
かけ面に縦に走る白い模様は、スチームをうまく広げてアイロンじわを防ぐ工夫の1つ
|
そして、なんといってもこのアイロンの最大の特徴は、1分間に最大80gの大量スチームが77個の孔から一気に噴射する機能。
さきほどの温度設定の「プログラムセレクター」には「オートスチーム機能」があり、「4 絹」などのデリケートなものには弱めに「デリケートスチーム」で、「7 麻」などでは「強力ジェットスチーム」でと、自動的にスチーム量を調整します。ちなみに普通のアイロンでは、合成繊維やアクリル、絹など低温でかけるものにはスチームが使えないことが多いので、低温でもスチームが使えるという点も特長の1つです。
さらに、「8 Power Jeans」(ジーンズパワーモード)では、かけ面先端の「JEANS POWER」の部分から集中的にスチームを噴射してしっかり貫通させるので、超厚地の生地も楽にアイロンがけができます。
また、本体上部には「ジェットスチームボタン」と「ワンタッチスプレー(霧吹き)ボタン」があり、「ジェットスチームボタン」を使うと手動で大量のスチームを出すことができ、シワとりに効果的。このスチーム量も「プログラムセレクター」の設定によって量が変わってきます。「5 羊毛」~「8 Power Jeans」の間で使えますが、「7 麻」のときがいちばんスチーム量が多くなります。通常のスチーム使用のときと同じく、「ジェットスチームボタン」を使う場合でも「8 Power Jeans」ではかけ面の「JEANS POWER」の部分から集中的に噴射されます。
このジェットスチームボタンは、たとえばアイロンを直接かけるとテカリが出てしまうスーツやズボン、綿100%のTシャツやジャージ生地などを手アイロンで伸ばすときなどに特に便利。生地から数センチ離してジェットスチームを噴射して、手で伸ばすだけでOKです。ジェットスチームは垂直な状態でも使える「バーティカルスチーム」なので、ハンガーにかけたまま使うこともできます。
また、衣料用除菌スプレーなどに比べると少し弱いですが、スチームの効果でタバコ臭さなどの臭いもある程度軽減させることもできます。私はタバコの匂いが大嫌いなのですが、スチームで匂いを飛ばすと、気にならない程度になります。夏には汗の臭いも付きやすいので、スーツやズボンをすっきりさせるのにも役立ちますし、冬にはコートのシワとりや臭い取りにも便利でしょう。「7 麻」の設定温度になるまでは約100秒。脱衣所に常に置いておいて、日常的に使えます。
|
|
「8 Power Jeans」に設定すると、「JEANS POWER」の19個の孔から集中的にスチームを噴射します
|
上が「8 Power Jeans」でかけた部分。厚手の生地もしっかりかけられるモードです
|
|
|
スチームとドライの切り替えボタン。ドライに設定しても、設定温度が「5 羊毛」~「8 Power Jeans」なら、スポット的に「ジェットスチーム」が使えます
|
「ジェットスチーム」はずっと出るわけではなく、プシュ、プシュ、と「ジェットスチーム」ボタンを何度か押す感じです。ジェットスチームの場合は縦にした状態でも使えるので、ハンガーにかけたままでも使えて匂い取りなどにも便利です
|
|
|
|
ズボンのシワを伸ばします。最初はシワだらけのズボン
|
「ジェットスチーム」を使って全体にスチームを当てます。この時、アイロンは布から浮かした状態です
|
アイロンを直接当てなくてもズボンのシワはきれいに伸びています
|
|
|
|
ポロシャツのシワを伸ばします
|
ズボンと同じように、「ジェットスチーム」を全体に当てます
|
スチームをかけた後は、手アイロンで伸ばすだけでシワがきれいに伸びます
|
● 「ワンタッチスプレー」で霧吹きいらず。メンテナンスの機能も豊富
もう1つ、アイロンを選ぶときにどうしてもほしかったのが、生地をパリっと仕上げるのに欠かせない「ワンタッチスプレー」(霧吹き)機能。霧吹きだけ別に用意しておけばいいのですが、めったに使わないものに限って、いざ使いたいときになかなか見つからないものなので、やはり内蔵されている方が安心です。
強力なスチーム機能や霧吹き機能を使っていると、当然のことながら水の使用量は多くなり、水の減りは早く感じます。ただ、一般的なアイロンだと、ハンドルの前面に小さな注水口が用意されていて、じょうごや計量カップを使う必要があるのですが、「プログラム8 400」の場合は水道の蛇口からでも直接水を入れやすく、タンクの容量も350mlと大きいので、注水はごく簡単です。
|
|
|
本体前方に位置する「ワンタッチスプレー」。霧吹き機能を内蔵しているので、別途用意する必要がありません
|
「ワンタッチスプレー」は一度のプッシュで50cm以上届き、この画像だと右端まで届いています
|
一番上の段がアイロンがけしていない部分、中央がスチーム機能でアイロンがけした部分、いちばん下が「ワンタッチスプレー」してドライで仕上げた部分。「ワンタッチスプレー」がいちばんパリッと仕上がります
|
|
|
注水口は本体底面
|
口が大きいので水が入れやすく、フタもしっかり閉まるので水漏れの心配がありません
|
「プログラム8 400」はメンテナンスのための機能も豊富で、たとえば内蔵されている「アンチカルクプラス」の機能は注水口から入れた水に含まれるカルキ分を分解しますし、カルシウムやミネラルなどの成分は「水あか防止バルブ」に付着するしくみ。考えてみると、この「プログラム8 400」はフランス製。フランスでは水道水のカルキ分が日本と比べて格段に高いだけに、対策もしっかり取られているのだと思います。
マニュアルでは月に1回程度のセルフクリーニングが勧められていて、水を入れてスチームモードで「8 Power Jeans」に設定し、温度が上がったら「水あか防止バルブ」を引き上げて流し台などでスチームをすべて排出します。目詰まり防止のためのメンテナンスの効果はこのセルフクリーニングがいちばん効果が高いそうです。
以前使っていたアイロンに比べるとスピーディにアイロンがけができるようになったので、アイロンがけもそれほど苦痛ではなくなりました。テーブルクロスのような大きなものはともかくとしても、ワイシャツ程度ならコードがついていても、それほど気にならないのも新しい発見でした。しっかりしていて、使いやすい。長く使えそうな1台です。
■URL
ティファール(株式会社グループセブ ジャパン)
http://www.t-fal.co.jp/tefal/
製品情報
http://www.t-fal.co.jp/tefal/products/product/index.asp?category%5Fid=500&dept%5Fid=520&sku=U00286&mscssid=WUQ0F65X3LH79PGC89EKDAC0GH1AB4E0
■ 関連記事
・ そこが知りたい家電の新技術 東芝「extra LACOO TA-FVX100」(2007/05/21)
2007/08/27 00:00
- ページの先頭へ-
|