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家電製品ミニレビュー
三洋「SK-WF10」

~高機能オーブントースターの実力
Reported by 本誌:阿部 夏子

三洋「SK-WF10」
 大好きなはずのレシピ本を読んでいても最近ではため息ばかり出てしまう。「あぁ。これもオーブン使うのね……」というのが何度もあるのだ。オーブンレンジが一般的になってからは、オーブンは家庭料理に欠かせないパートナーになってしまったようだ。

 じゃあオーブンレンジを買おう! といっても値段を考えるとなかなか……そもそも我が家の電子レンジは知人から譲り受けた10年選手。日本の製品の底力なのか運転音はびっくりするほど大きいもののまだまだ現役だ。苦学生時代に頂いたものだし、使えるのに捨てるのはやはり忍びない。

 電子レンジを買い換える以外のもう1つの方法として思いついたのが「オーブントースター」を買うという選択肢だ。オーブンレンジを購入するよりは予算がだいぶ抑えられるし、最近のトースターは高機能なものも増えて、オーブンとして充分活躍してくれるという。

 購入したのは三洋「SK-WF10」。メーカー希望小売価格はオープンプライス。Amazon.co.jpでの購入価格は11,946円。本体は黒一色で、トースターというよりは、なるほどオーブンに近いイメージだ。本体サイズもトースターとしては大きめで、370×359×222mm(幅×奥行き×高さ)で、庫内の幅も324mmとかなり広い。10インチ(25cm)のピザもそのまま焼けるという。


製品正面
操作は前面のタッチパネルで行なう
前面ドアを開けたところ

 気になる機能はというと大きく分けると特徴は3つ。
・庫内奥にあるファンで熱を効率的に庫内に循環させる
・80/120/140/160/180/200/240/260℃の8段階に設定可能
・発酵と焼きの工程を自動で切り替える「パン調理キー」がついている

 そのほか、トレイとしてホーロー製の深皿、余分な油を落として調理できる「ヘルシーネット」が付属するなど、使い勝手としてはトースターというよりも完全にオーブン寄りの製品だといえるだろう。パンが焼けたり、パエリアが作れたり、説明書に載っているレシピもオーブン料理の代表格ばかり。


左からホーロー加工が施された「受皿」、揚げ物などを温める時に使う「ヘルシーネット」、パンや。ピザを焼くときに使う「こんがりネット」 温度調節は80/120/140/160/180/200/240/260℃の8段階に設定可能 ドアには代表的な食材の温め時間の目安と温度が記載されている

 さっそく、念願だったオーブン料理、ハンバーグのホイル焼きを作る。最初にフライパンでハンバーグに軽く焼き目をつける。ホイルを広げて、ハンバーグ、ボイルしたニンジン、ブロッコリー、生のままの玉ねぎ、マイタケを載せる。その上からソースをかけてすき間が出来ないようにアルミホイルできっちりと包んで、あとは焼くだけだ。

 操作は全て本体前面のタッチパネルで行なう。設定温度と、調理時間のほかに、パンの焼き上がりまで調節できるようになっている。余談だが、液晶画面がない我が家の電子レンジはこの時点でもう負けている。そんなわけで使い勝手は最新のオーブンレンジと比べても遜色ないくらいにスムーズ。

 次に驚いたのが庫内の広さだ。大きめのハンバーグでも4つ同時に加熱することができるほどの広く、庫内の形状も特徴的。上下に2つのU字型のヒーターが搭載されていて、奥には大きなファンが設置されている。ファンが設置されている場所は奥行きが設けられており、側面の壁から奥に向かって角度がついている。ファン周辺は、凹凸のある加工がされており、これによって熱を広範囲に循環させることができるというものだ。


本体内部。奥には大きなファンが設置されている 上と下にそれぞれU字型のヒーターが設置されている ファンが設置されている場所は奥行きが設けられており、奥に向かって角度がついているつくり

フライパンで焼き目をつけたハンバーグに茹でたニンジン、ブロッコリー、加熱前の玉ねぎ、マイタケを載せる すき間が出来ないようにアルミホイルでキッチリと包んで200℃で10分ほど加熱する

調理後の様子。生でいれた玉ねぎやまいたけにもしっかりと火が通っていた
 温度を200℃に設定して10分ほど加熱する。完成したハンバーグは中までしっかりと火が通ってふくっらとした焼き上がり。ハンバーグを自宅で作ると時に一番難しいのが、中まで火を通すことだが、オーブンで作ったハンバーグは表面が焼きすぎることなく中まで火が通っているので柔らかく、ジューシーに仕上がる。付け合わせに入れたマイタケや玉ねぎも、ホイルの中で蒸されているのでしっかりと火が通っていた。

 真ん中をへこませる、火加減に注意するというような手間が省かれるので、失敗する確率はかなり低くなりそう。また焼いている間に他のことをできるというのもオーブン料理の魅力1つ。実は、ハンバーグをホイルで包んで焼くというのは私の大好きなお店の名物料理。これが自宅で作れるなんて! それだけでこの製品を導入した価値は充分に感じられる。これから外食の頻度も減るかもしれない……私にとってはそれぐらいテンションの上がる出来映えだった。


 続いてはまたもやオーブン料理の大定番、ピザを作る。この製品では最大10インチ(直径25cm)までのピザを焼くことができるという。生地だけで売られている10インチサイズのものがあったのでピザソース、具を別に用意して焼く。

 焼き上がりまでの時間はたったの8分。ピザの具としてスモークサーモンを載せたのだが、焼き上がりが絶妙。しっとり感はそのままにしっかり火が入っている。チーズのとろけ方一つとっても、電子レンジのトースター機能で焼き上げるのとは雲泥の差。何よりも感動したのは、生地の仕上がり。裏面にもしっかりと焼き目が付いてサクッとした食感が楽しめた。


生地が別売りになっているタイプのピザを購入。トッピング、ソースなども合わせて用意した 受け皿に載せたところ。大きさはジャストサイズだ
ピザは180℃で8分加熱する

焼き上がり。上に載せたスモークサーモンがパサつくことなくジューシーな仕上がり 裏側までぱりっと仕上がっていた

 次はオーソドックスにパンを焼いてみる。ピザの時にも感じていたことだが、この製品、ヒーターの立ち上がりの早さがスゴイ。スタートボタンをおして10秒もたつと上下のヒーターが赤くなっている。2枚のトースターを焼き目「普通」で焼くのにかかる時間はわずか3分半。で、あっという間にぱりぱりのトーストが完成する。

 ちなみに火力はかなり強め。焼き上がりの設定を「普通」にしていても、焦げ目がしっかりと付く。設定を1つ弱めにすると焼き上がりまでの時間は3分になるが、印象としてはほとんど変わらない。好みによっては途中で焼くのを切り上げるなど微調整が必要かもしれない。

 私はというと、焼き目が濃いくらいのパンが好きなので、焼き上がりには大満足だった。表も裏も、焼きムラが全くない見事な焼き上がり。パンを焼くのなんてなんでも同じだと腹をくくっていたところがあったのだが、最新のトースターの実力はパンを焼くという単純な調理だけですぐに実感できるものだった。


ホテルブレッドを2枚載せたところ パンの焼き色は「淡い」から「濃い」まで5段階に調節できる スタートボタンを押すとすぐに上下のヒーターが赤くなる

焼き上がりを「普通」に設定した場合。焼き色がかなりついている 焼きムラがなく、裏側までパリっと焼けていた 焼き色調節を1段階淡く設定した時の焼き上がり。「普通」の時と変わらない焼き上がりだった

 最後にこの製品の大きな特徴の1つといえる「パン調理キー」を使ってパンを作ってみよう。実はパンをイチから作るのは初めて。とはいえ、説明書に記載されている「プチパン」を作るために新たに購入したのは強力粉と、ドライイースト、バター(手に入れるのに一番苦労したのがコレ)だけ。そのほかの材料は自宅にあるものでまかなえた。

 生地をこねたらまずは一次発酵。ボールに生地を入れて上から濡れ布巾をかぶせて一時間ほど発酵させる。次に、生地を小分けにして、本体付属のトレイにのせたら発酵キーを押して今度は40℃で40分、2次発酵を行なう。発酵をするたびに目に見えて生地がふくらんでいくのが面白い。2次発酵が終わったらあとは焼くだけだ。本体から出すことなく、そのまま焼き始める。焼くのにかかる時間はわずか10分。家中にパンが焼き上がる良い匂いが広がる。


材料を混ぜた生地を1つにまとめる 濡れ布巾をかぶせて1時間ほど発酵させた生地 1次発酵を終えたら生地の表面に指を差してガス抜きをする。この時に生地が戻らず沈み始めたら一次発酵が終了した目安になる

生地を8等分して、油を塗った受け皿に置く パン調理キーの発酵を選択して、スタートボタンを押すと40℃で40分の2次発酵が始まる 2次発酵を終えた生地の状態。少しふくらんでいるのがわかる

 完成したのは片手に乗る小さなプチパン。裏面が少し焦げていたものの、初めて作ったにしては上出来。味の方は、ベーグルに近い食感。クセがないので具を挟んで食べたりするのにはピッタリだ。

 完成するまでにかかる時間は約2時間。確かに時間はかかるものの、そのほとんどは発酵時間。実際、調理にかかった時間は20分にも満たない。作業自体は簡単なのでまた作ってもいいなと思える仕上がりだった。

 パン作りはまだまだ素人の私だが、調べてみるとやはりパン作りの決め手は発酵にあるらしい。40℃という温度は夏場なら、WF10を使わなくても大丈夫かなという温度ではあるが、一定の時間、一定の温度を保つことができるというのはやはり高機能トースターならではの機能だ。


発酵を終えたら今度はパン焼きを選択する。焼き上がりまでの時間は10分だ
焼き上がったプチパン

裏面は少し焦げてしまった
中はしっとりとしてベーグルのような食感 味にクセがないので中に何かをはさんで食べたり、食事と一緒に楽しむのに合う

本体下には引き出し式のパンくずトレイがあるので、中に落ちた食材やパンくずも簡単に取り出せる
 お手入れ方法も簡単。本体の中に落ちてしまったパン屑や、具材は本体したから取り出すことができる。調理に用いるプレートや、網も取り出してそのまま洗うことができるのでニオイが気になる具材もいとわずに使うことができる。

 一点だけ気になったのが火力の強さ。トースターの場合でも述べたように、火力はかなり強め、連続して使用する場合は時間設定を短くするなど工夫しないと焼きすぎることがある。特にピザやオーブン料理を連続でする場合には温度を工夫しながらの微調整が必要になってくる。

 凝ったオーブン料理はもちろん、お総菜で買ってきた揚げものの温め直し、パン一枚の焼き上がりでもすぐに差を感じることができるた。これまで持っていた高機能オーブンレンジへの憧れはすっかりしぼんでしまって、今の電子レンジが壊れても単機能レンジを購入するだろうなという考えにすっかりシフトしてしまった。もう一つ、意外に気に入っているのが本体デザイン。黒一色で、シンプルなのでキッチン用品にこだわりたい人でも充分満足できるのではないだろうか。

 高機能オーブンレンジに憧れている主婦のみなさんにも、ぜひ最新のオーブントースターを見直していただきたい。カロリーオフや調理機能に関してはかなわないが、オーブンが欲しい、オーブン料理がしたいという願望にはきっちりと答えてくれる。奥さんにオーブンが欲しいとおねだりされている男性諸君にも妥協案として強くオススメする。





URL
  三洋電機株式会社
  http://www.sanyo.co.jp/
  製品情報
  http://www.e-life-sanyo.com/products/sk/SK-WF10_K/index.html

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2008/06/09 00:03

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