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家電製品ミニレビュー
無印良品「ハンドポット」

~大きすぎず、小さすぎない適度なサイズの電気ポット
Reported by 本誌:伊藤 大地

無印良品「ハンドポット」
 今回紹介する無印良品の「ハンドポット U-MJ10」は、見た目は普通の電気ポットのようだが、その位置づけがちょっと、珍しい存在である。ネットストアでは4,900円(送料別)で販売されている。

 なぜ珍しいかはとりあえず置いて、まずは仕様から見ていこう。

 外観は他の多くの無印良品の製品と同じく、ムダな装飾を省いた、アイボリー調のデザイン。機能もシンプルでコードをつなげばお湯を沸かし、お湯が沸いたら保温に切り替わるというもの。モード切替や電動給湯など凝った機能は一切ない。

 フタの部分は上方向に開くドア式ではなく、ネジの溝が入ったフタを回転して本体に据え付ける昔ながらの方式。フタの上端にはロックボタンが付いており、押すと口が開いて給湯可能に、もう一度押すとロックがかかり、傾けても水が漏れないような仕組みになっている。

 お湯を沸かすスピードは、決して速くない。消費電力はスペック値で405W、実測値で425W。500mlのお湯を沸かすのに6分半かかった。貯水量は1Lで、保温時にはスペック値で17W、実測値で15Wの電力がかかる。


水を入れていない時の本体重量は実測で1,096g 持ち手部分。余計な装飾のない無印良品らしいデザインだ 運転切り替えは本体前下部で確認できる

フタは上方向に開くドア式ではなくてネジを閉めて本体に固定するネジ式 ネジを閉めるとフタと本体の目印が合うようになっている

ロックボタンを押して、口が開いている状態 口が閉まっている状態。ロックをかけた状態なら傾けても水が漏れることがない
本体とフタ

本体内部。貯水量は1Lまでだ
 と、ざっと商品のスペックを紹介してきたが、この製品で本当に知っておかなければならないポイントはその位置づけだ。お湯を沸かす家電製品というと、電気ポットと電気ケトルの2つが主なところだが、このハンドポットは、その中間に位置づけられる製品であり、それがこの製品の最大の特徴だからだ。

 近年、普及が進む電気ケトルは、貯水量がおおむね1Lくらいまで。必要な量を、必要なときに、すばやく沸かすのがコンセプト。1,000W以上の電力を一気にかけて、500mlの水ならば、たいてい3分程度で沸かすことができる。一方で、沸かしたお湯を貯めておくという発想はなく、基本的に保温機能はない。例外もあるが、簡易的な機能にとどまっている。

 一方の電気ポットは、沸かしたお湯を貯めておき、いつでも利用できる点が特徴だ。貯めておくことに重点があるので、沸かすスピードは電気ケトルほど速くない。そのかわり、魔法瓶機構や省エネ機能を搭載し、いかに少ないエネルギーでお湯を保温し、貯めておけるかがポイントになる。

 U-MJ10は、そのどちらにも属さない。1Lまでのお湯を沸かし、保温できるというものだ。湯沸かし時の消費電力はスペック値で405W、実測で425Wと、電気ケトルに比べると低く、それゆえ、お湯を沸かすスピードも電気ケトルには及ばない。

 一方、3L、4Lがボリュームゾーンで、近年、核家族向けに2.2Lクラスが徐々に出始めたいわゆる電気ポットに比べると、1Lという容量は「常時貯めておく」にはかなり少なめといっていいだろう。保温時の消費電力が15Wというのも、決して低い数字ではない。


加熱時の本体表面温度
消費電力は実測で425W。電気ケトルと比べると低く、お湯を沸かす速度も遅い

 こうしてみると、この製品は性能面で電気ポットや電気ケトルを超えるものではないことは明らか。性能で勝負するタイプの製品ではなく、電気ポットと電気ケトルのスキマを狙ったコンセプト勝負の製品であることがわかってくる。つまり、「お湯を保温しておきたいが、2Lもいらない」という層に向けた製品であるということだ。

 たとえば、コーヒーカップ1杯分の水量は150ml前後なので6~7杯分、300ml前後のマグカップならば約3杯分。カップラーメンでも同じく、3回分といったところだろうか。

 電気ケトルは2,000円以下の安価なものもあるが、いかんせん保温ができない。かといって、保温性能にすぐれた本格的なポットは、1万円以上する。価格的にもこの間を埋める存在なのである。

 具体的なターゲットを想像すると、やはり一人暮らしだろう。いつでもコーヒー用のお湯を確保しておきたい人や、ラーメン用のお湯を確保しておくために安価かつオシャレなポットが欲しいという一人暮らしの大学生あたりには、うってつけの選択肢だ。いずれにしても、「安価」「保温」「少なめ容量」「デザイン」とこれらを兼ね備えたこの製品は、貴重な存在であることは間違いない。


本体の後ろ一面に貼ってある使用上の注意
 ところで、この製品、残念な点が1つある。それは、製品情報ページの写真では確認できない、本体の裏側。熱湯を扱う製品だけに、使用上の注意がボディ背面に大きく描かれている。これが、シールのようになっていて剥がせればよいのだが、本体にプリントされているため、取り除くことができない。

 安全性への配慮はもちろん必要だ。業界内の自主規制など、事情もあるだろう。しかし、それをわかった上で自分の責任において、表示を外す選択肢は残しておいて欲しかった。シンプルなデザインは無印のコアとなる魅力だけに、それを十分に発揮できないのはもったいない。スキマ狙いのコンセプトは面白いだけに、次はぜひ剥がせるシールなどでの対応を期待したいところだ。





URL
  株式会社良品計画
  http://ryohin-keikaku.jp/
  製品情報
  http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4945247362398
  電気ケトル関連記事リンク集
  http://kaden.watch.impress.co.jp/static/link/kettle.htm

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2008/05/12 00:11

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