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ペティオ「キャットプレイタワー 3WAY」
~猫の爪研ぎとストレスの防止に著効
Reported by 本誌:伊達 浩二
ペティオ「キャットプレイタワー 3WAY」
猫を飼っていると、専用食器やトイレ、おもちゃなど関連する器具が増えてくるが、ついに一番の大物を買ってしまった。それは「猫タワー」だ。
猫タワーというのは通称で、キャットタワーとも言う(同じだが)。部屋の天井近くまで届くような猫用の遊具のことだ。猫は、木登りを得意とし、走り回ることと同様かそれ以上に、高いところに上りたがる動物なので、究極の遊び道具だ。
導入の理由は、我が家の愛猫「鉄蔵」が、1歳を迎えて暴れん坊になったからだ。興奮すると、窓枠をひっかいたり、壁に飛びついて爪を立てながら滑り降りる。特に、洗面所の壁はお気に入りで、白いクロスに長い爪痕がくっきりと残ってしまい補修が追いつかない。
もちろん段ボール製の爪研ぎは、何カ所かに用意してあるのだが、それだけでは発散できないらしい。普段は人間の言うことを良く聞いてくれる鉄蔵だが、猫は猫なりに何事か鬱屈したものがあるのだろう。ここは一番、ストレスを発散できる大型遊具を導入してあげるべき時期なのだろう。
今回購入したのは、ペティオの「キャットプレイタワー 3WAY」という製品で、組み立て式の製品だ。通販業者がよく扱っている製品で、カタログ誌で目にする機会も多い。なお、ペティオは、社名ではなく、株式会社ヤマヒサのペットケア事業部のブランド名だ。
価格は千差万別で、2万円を超えている業者もあるが、楽天市場では1万5千円ぐらいが相場のようだ。今回は送料込みで12,390円で購入できた。
到着した段ボール箱は、大きさはそれほどではないが、とても重い。店頭で購入したとしても、手持ちで持ち帰ることは難しいだろう。
到着した箱を設置予定地に運ぶ。玄関からここまで運ぶのも重い。隣のゴミ箱と比べると箱の大きさがわかる
箱を開けた状態。上にあるのは棚板
まず、取扱説明書を読む。この猫タワーは、その名のとおり、3通りに組み替えができるのだが、A/Bの両タイプでは、天井に柱をつっぱって固定する仕様になっている。それだけに置き場所を選ぶのだ。作業にかかる前に、A/B/Cの3タイプから、どれにするか決めなければならない。各タイプの組み立て後のサイズは次の通りだ。
【A】110×72×232~260cm(幅×奥行き×高さ)、天井に突っ張り2本
【B】130×85×232~260cm(同)、天井に突っ張り1本
【C】130×85×162cm(同)、低いので突っ張りなし
A/Bタイプは天井に突っ張って固定する形になるのだが、設置可能な天井の高さに制限がある。取扱説明書によると、A/Bタイプで組み立てられる天井の高さは232~260cmの範囲に限られている。この猫タワーの導入を考えている人は、まず、部屋の天井の高さを測ってからにしよう。
設置を予定していたリビングルームの天井の高さは、周囲の鉄筋部分は230cm、中央部分は250cmだった。壁際ぎりぎりに設置するつもりだったが、真ん中でないと無理そうだ。それでも、なんとか天井の高さが足りそうなので、天井に2本の柱が突っ張るAタイプを作ることにする。
工具は付属のプラスドライバーしか使わないが、軍手は用意した方が良い
Aタイプの組み立て方
柱にネジとネジ穴があるので、こんな感じで柱ごと回していく部分が多い
なお、A/B/Cタイプ以外の組み立て方は、破損や倒壊等の事故の原因になるので、禁じられている。
箱に入っている部材は、丸い柱と棚板が中心で、一番底になるハウスの部分は組み立て済みになっている。
組み立て図をそばにおいて、作業を始める。柱の底が雌ネジ、天が雄ネジになっているので、ぐるぐると柱自体を回してねじ込んでいく。そんな力はいらないが、材質がMDF(中質繊維板)で重く、量も多いので汗をかく。
棚板は、柱と柱の間に挟み込む形のものが多いので、しっかりと固定される。ただし、円形の棚だけは、ネジ1本で固定されており、付属する大型のプラスドライバーで締める。
棚板は、2カ所に穴が開いており、柱のネジに通して固定する。ボアの部分は中央だけだが、猫のことを考えると、柱に固定する場所以外は全部ボアにしてほしい
ハンモックと円筒状のトンネルブランコは、最初から組み立て済みで、ロープで結ばれている
タワーの最上部は、このように突っ張り式になっている。木の円盤を蝶ネジで天井に押しつけている
完成図。床から天井まであるので、存在感がある。手前の脚立と比べると、その大きさがわかる
一応、組み立てが終わるまで一人で作業して、20分ぐらいかかった。この状態で、各部の柱を増し締めをする。いったん、組み立てたあとで、増し締めをすると、よく締まるのだ。
最後に脚立を使って、一番上の部分のネジを回し、天井に突っ張って固定する。Aタイプは2カ所で固定するので、思っていたよりも安定した感じだ。
ウチの「鉄蔵」は、部材を箱から出した状態からウキウキしており、あちこち検品して廻っている。なんとなく、自分用のおもちゃだとわかっているようだ。組み立て中は、そばに座って見ていたが、終わったのを見届けると、すぐさま飛び乗っていった。好奇心の強い猫だ。
部品を取り出すと、さっそく検品が始まる
タワー自体、手がかりが少ないので、猫がどうやって上るのか心配していたが、何の問題もなく、柱に巻かれた麻紐に爪を立てて自由自在に上り下りしている。猫の爪を切りすぎていなければ、とくに問題はないようだ。
最初の日は、途中までで止めていたが、翌日には頂上の棚板まで登頂してしまった。ここからだと、立っている人間も見下ろせるので嬉しそうだ。なかなか降りてこず、ずっと座っている。
このタワーには、猫が落ち着ける場所が多い。基本のAタイプで言うと、下から順に、土台部分のハウス、丸い棚板、ハンモック、円筒状のトンネルブランコ、高い場所のハウス、天井に近い棚板、と6カ所もある。
ただ、お気に入りの場所は決まっており、普段はハンモックに座っていることが多い。何か見慣れないものがあって不安があるときは、一番高い棚板に避難する。見下ろしていると安心できるらしい。寝るときは、土台のハウスで丸まっていることが多い。なぜか、高い部分のハウスと、円筒状のトンネルブランコには足を踏み入れない。せっかくあるのだから全部使ってほしいとは思うが、本人の好みなのでしょうがない。
完成したタワーで初めて眠った夜
普段は、このように途中の棚板にいることが多い。ぬいぐるみは飾りではなく、鉄蔵のスパーリングパートナーだ
一番下のボックスも包まれ感があって寝やすいようだ
設置からしばらくするとタワーが傾いてしまった。週に一度はチェックするようにしたい
猫タワーは、素材が重いだけに思っていたよりも安定している。それでも、1週間ほどたつと、天井に突っ張っている部分がずれてきた。全体を増し締めし、脚立を使って突っ張っている柱の位置を修正した。突っ張り部分に耐震用粘着シートなどをかませた方がよいのかもしれない。
さて、猫タワー導入の功罪を上げてみよう。まず、猫の精神状態は大変改善された。洗面台の壁に爪を立てることはなくなった。あちこちに設置していた段ボールの爪研ぎも2つを残して片付けることができた。
気がつくと、猫が走り回る回数も減ったようだ。その代わり、猫タワーに飛び乗ったり、よじ登ったりしている。ものすごい勢いで飛び乗るので、タワーが傾いていないか、ときどきチェックが必要なほどだ。床が固いフローリングの部屋でこの状態なので、柔らかい畳や絨毯の部屋の場合は、ひんぱんにチェックすることをお勧めする。
【動画】タワーに登る様子。このときは棚板が緩んでいるので、すべっている。ネジ1本で止まっているので、定期的に増し締めが必要だ。興奮しているときは、もっと荒っぽく飛び乗るので、タワーが揺れることもある(WMV形式,4.14MB)
【動画】タワーから降りる様子。カメラはもっと引きで撮らないと追いつけない(WMV形式,1.80MB)
欠点としては、やはり場所をとる。タワー本体と周囲のスペースで、約1畳分ぐらいのスペースは占有されてしまう。ウチのリビングルームは、すっかり鉄蔵用のスペースになってしまっている。
それでも差し引きを考えると、導入して良かったと思うし、妻も同じ意見だ。それでも、猫の飼い主として一線を踏み越えてしまった気はする。客の少ない家だから良いが、来客には、さぞ猫馬鹿に見えることだろう。
一番高い棚板から、周囲を睥睨する
ついでに、欠点というほどではないのだが、使っていて気がついたことを書いておこう。丸い棚板は、ネジ1本で止めてあるので、すぐ緩んでしまう。飛び乗った猫が強く蹴飛ばすと、簡単に回ってしまうのだ。これは、数日に1回増し締めが必要なほどだ。これはぜひ2カ所で止めるようにしてほしい。また、この棚板の中央部分はボアが貼り付けてあるのだが、周囲は板がむきだしだ、どうせなら棚板全体をボアで包むようにしてほしい。
また、メーカーでは部品の単品販売はしていないようだが、部品の破損だけではなく、ハンモックなど布やボアの部品は、かなり汚れやすいので、やはり別売してほしい。
結論として、猫のために一畳分のスペースと、1万数千円の投資を割くことが苦にならないのであれば、ぜひ導入をお勧めする。特に外に出さず、室内限定で飼っている「室内飼い」の飼い主には強くお勧めしたい。
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URL
ペティオ
http://www.petio.com/
製品情報 (楽天市場内)
http://www.rakuten.co.jp/utopia/104848/198593/189541/
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