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家電製品ミニレビュー
A&D 「ホットシャワー3 UN-133B」

~鼻・ノドの荒れを潤す超音波式吸入器
Reported by 本誌:正藤 慶一

ホットシャワー3 UN-133B
 3月も半ばを過ぎ、ポカポカとした陽気の日が続いている。いよいよ春が本格的に到来してきたが、それと同時に花粉も本格化しているようだ。賢明な読者諸兄は、きっと本誌の「やじうまマスクWatch」や「空気清浄機 リンク集」に目を通していることだから、花粉症とは無縁な日々を送っていることだろう。

 とはいえ悲しいかな、マスクも空気清浄機といった器具は、一度症状が出てしまった場合の即効性は乏しい。何しろ、鼻・ノドの粘膜や繊毛といった部分が、既に花粉によってダメージを加えられているため、今さらその進入路を絶っても遅い。

 そこで今回は、花粉症によって荒れた粘膜を直接癒す家電製品――霧状の水分を吸い込むことで、のどや鼻の粘膜にうるおいを与える、家庭用の「吸入器」を紹介しよう。昨年は当コラムにて、ナショナルのスチーム式吸入器「EW6400」を既に扱ったので、今回はA&D(株式会社エー・アンド・デイ)の「ホットシャワー3 UN-133B」を紹介する。定価は12,600円だが、Amazon.co.jpでは7,266円で購入した。


大きさをペットボトルと比較。本体サイズは166×100×266mm(幅×奥行き×高さ)
横から見たところ
反対側の面には使用上の注意が記されている

 本製品の特徴は、スチームの発生方式が「超音波式」である点だ。家電に詳しい方なら、超音波式という言葉を耳にすると、真っ先に加湿器を思い浮かべるだろう。超音波式の加湿器は、水が入った器に細かな振動を加えることで超音波を生みだし、水を微細な霧(ミスト)へと変え、空気を潤すといった仕組みになっている。本製品も、ほぼ同様の構造を備えており、超音波で5μmのミストを作り出し、その水分を吸い込むことで、荒れた粘膜を潤す。これにより、粘膜の自浄作用を活性化して、鼻づまりや鼻・ノドの荒れといった不快感と改善するというものだ。

 超音波式の加湿器は、水を加熱してミストを作り出す「スチーム式」とは異なり、本体が倒れて水がこぼれても、やけどの危険がないというメリットがある。本製品も同様にその心配はないが、水がミストとなった後、ウイルスの発生を抑制するために、本体内で少しだけ温められる。つまり正確に言えば、超音波式とスチーム式を組み合わせた“ハイブリッド式”の吸入器ということになる。その温度は約43℃と、人体よりも若干温かい程度なので、やけどの危険性はない。
 
 使用方法は、まず本体に取り付けられたカートリッジを取り外し、その中の「吸入液カップ」という小さな器を取り出す。そのカップ内のピンク色のラインまで水を入れ、カートリッジの「霧化タンク」に注ぎ入れる。そして、再び吸入液カップにピンクのラインまで水を入れ、霧化タンクの上部にセットする。このカップに入った液体が、ミストとして放出されることになる。


カートリッジは本体から取り外せる カートリッジは、左からカバー、吸入用カップ、カートリッジの本体に分かれる 吸入液カップ内側のピンク色のラインが水の目安となる

付属のスプーンで吸入液カップに食塩を入れれば、生理食塩水が作れる
 ここでうれしいのが、この吸入液に生理食塩水が使用できる点だ。生理食塩水は、水の中に0.9%だけ塩(塩化ナトリウム)が入った食塩水のことで、体液や血液と同等の浸透圧を持っているため、細胞に刺激を与えない性質がある。つまり、鼻やノドの粘膜にやさしい吸入ができるのだ。ちなみに、生理食塩水は医薬品のため簡単に入手できないが、普通の水に塩を入れて混ぜることでも作れる。本体に専用のスプーンが付属し、その量は擦り切りで0.15cc。吸入液カップ内の水量は、ライン中間地点で約17ccなので、スプーンで量った量がそのまま0.9%となり、非常にわかりやすい。

 さて、カートリッジを本体にセットし、吸入マスクに顔を接着して準備完了。本体脇の「開始/終了」ボタンを押し、十数秒で白いミストが発生する。ミストは熱すぎず冷たすぎず、“ぬるい”といったところだ。なお、霧化タンク脇のファンがしっかりセットされていないと、ファンが回らず、スチームがチョロチョロとしか流れ出ない。また、運転モードは1パターンのみ。ミストの量や温度調節、症状ごとのミストの発生方向などが選べる「EW6400」を使ったことのある人は、少々物足りなさを感じるかもしれない。


【動画】電源を入れてからミストが出るまでの様子(WMV形式,3.3MB)
【動画】ミスト放出中のマスク(WMV形式,615KB)

 それにしても、ミストの量はかなりのものだ。口の周りにどんどん水滴がたまってしまう。生理食塩水を使っていることもあってしょっぱさも感じる。ただし、スチームの粒子が5μmと細かいためか、ミストの一粒一粒が当たるという感触はない。ミストの量に比べると、使用感はかなりソフトに感じられた。

 約5分で運転が自動で終了。すると、使用前は詰まり気味だった鼻もスースーと通るようになり、ノドも潤っている。心なしか気分もすっきりしたような感じがする。効果は確かに感じられた。

 特に気に入ったのが、使用中の圧迫感がないところだ。前述の通りミストが細かいため、水滴がふわふわと口や鼻に違和感無く沁み込むような感じがする。また、生理食塩水を使うというのも、鼻やノドの粘膜に負担がかからず良い。一度水道水で試したところ、水道水に含まれる消毒剤の影響か、鼻に「ツン」という微弱な刺激を感じてしまった。万全を期すなら、蒸留水やミネラルウォーターで生理食塩水を作ると良いだろう。また、「鼻うがい」のように鼻に無理に水を入れる必要もなく、ミストを吸い込むだけという使用方法の簡単さも魅力だ。


使用後のカートリッジ下部には、水滴が垂れてしまうこともある。濡れても特に問題のない場所で使うと良いだろう
 しかし、ミストが大量に発生するためか、使用後はマスク、カートリッジ周辺に水滴が発生することもある。使用する際は、濡れても大丈夫な服と場所で行ないたい。また、生理食塩水を使用しているため、これらを放置すると塩の結晶が発生する危険性もある。使用後の手入れは欠かせない。

 また、これはEW6400でも述べたことだが、本製品はあくまでノドや鼻の不快感を一時的に改善するためのもの。なので、使用後にマスクを装着しなかったり、空気清浄機を運転しないなどの花粉対策を怠った場合は、再び症状が再発する可能性は高い。花粉症を根本から治すためのものではないため、過剰に期待をしすぎないよう注意したい。

 ということで、鼻づまりやノドの痛みといった症状が出た際に、本製品を使ってとりあえず改善し、その後マスクや空気清浄機で予防をする、といった使い方がベストだろう。本体も比較的小型なので、収納にもそれほど困らないはず。小さい部品がいくつもあるので最初は戸惑うだろうが、基本的には本体とカートリッジ部という2つのパートだけで構成されているので、一度使えば悩むこともないだろう。また、薬剤を一切使わないので、子供や高齢者、妊娠中でも使えるという点も見逃せない。

 今回は花粉の季節ということで取り上げたが、もちろんその他の時期に風邪をひいて鼻やのどが荒れてしまった場合でも、応急処置として使用できる。一家に一台常備しておいても、決して無駄ではない製品として推薦したい。





URL
  A&D(株式会社エー・アンド・デイ)
  http://www.aandd.co.jp/
  製品情報
  http://www.aandd.co.jp/adhome/products/hhc/un133b.html

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2008/03/19 00:07

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