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但見裕子の「家電買っちゃいました」
象印マホービン「RIZO NS-XB05」

~リゾットや蒸し料理ができる炊飯器
Reported by 但見 裕子

象印マホービン「RIZO NS-XB05」イエロー
 炊飯器を新しく買い足すことにした。

 現在使っているのは、象印の「ZUTTO」という製品で、デザインもシンプルだし特に不満はない。でも、炊飯以外の調理器として、もう一台欲しくなったのだ。

 炊飯器で煮物が出来るというのは、ここ何年もテレビなどで話題になっていたし、興味があったのだ。しかし、今持っている機種は5合炊きで内釜が大きく、大量調理でないとおいしくなさそうで、何だか気が進まなかったのである。

 「炊飯器でおかずを作るのはそれでよし、しかし、ごはんは何で炊く?」という問題もある。そういうわけでもう一台を探すことにした。「おかず作りに向いた小さめサイズで」という私の趣旨と、「ここはひとつ、最新型!」という夫の意見をすり合わせるのである。

 その結果、導入を決めたのが、象印の「RIZO」だ。

 かなりかわいいデザインである。インテリア性が高いとも言えると思う。UFOみたいというか、昔なつかしい羽釜みたいというか。(羽釜とは、「峠のかまめし」みたいな形のお鍋である。専用のかまどに乗せて使った、ごはん専用のお釜のことだ。私の実家にもありました。使ってるの見たことなかったけど)

 操作部はごくシンプルで「白米」「リゾット」「蒸し料理」「保温」「とりけし」の5つのボタンがあるだけ。タイマー機能もなければ、「急速」「じっくり」などの炊き分け機能もない。とてもシンプルだ。

 「白米」以外のメニューがイタ飯の「リゾット」であり、ヘルシーでダイエット向けな「蒸し料理」だというのが、おしゃれだ。

 今までの電気釜のおまけ機能といえば「おこわ」「おかゆ」のようなお母さんメニューに決まっていたことを思うと、若いコ感覚である。大学進学で一人暮らしを始めた姪っ子あたりにプレゼントしたいような製品だ。

 RIZOには、3機種があって、ホワイトとイエローは18,900円、ステンレスがちょっと高くて21,000円だ。今回はイエローを購入した。Amazon.co.jpでの購入価格は13,740円だった。


本体側面
背面
ふたを開けたところ

ボタンが5つ並ぶだけのシンプルな操作部 デザインを手がけるのは、液晶TV「アクオス」のデザイナーとして知られる喜多俊之氏。ヒンジ部分には喜多氏のサインも見られる 同じく象印の炊飯器「ZUTTO NP-DA10」との大きさの比較。RIZOの方が小さい

角煮を作る

 さっそく豚の角煮を作ってみることにした。鍋で煮るやりかたでなら、よく作る料理である。ところで、本来、RIZOはライスクッカーだ。メーカーはこの製品で煮込み料理ができるとは一切謳っていない。自己責任で行なうのである。

 豚のバラ肉を大きめに切り、内がまに入れる。ネギの青いところと、我が家の年代もの角煮ダレ(煮ては醤油を足し酒を足し、また煮ては冷凍保存しているもの)を入れて炊飯のスイッチを入れた。


内釜の中に、大きめに切った豚のバラ肉と、ネギの青い部分を入れる
年代ものの角煮ダレも入れる
「炊飯」ボタンで調理をスタート

 煮ている間に「炊飯器 角煮」で検索すると、Googleで55,400件ヒットした。炊飯器で角煮を作るのは、けっこうポピュラーなことらしい。

 検索の経過で、コーラと醤油のみで煮る方法が流行っていることもわかった。簡単な上に、コーラの成分でやわらかく煮上がるということである。スイッチを入れて、あとは普通の炊飯同様、スイッチが切れるまで炊飯器に任せる。

 はじめの30分は湯気も匂いも出ず、何の変化も感じられなかったが、40分を超えてから、肉とネギとお醤油の、例のそそられる匂いがしてきた。ゆで卵を作って、加えよう。

 1時間経った。どんどんおいしそうな匂いがしているのだが、だが、まだスイッチが切れない。少し不安になってきた。と、1時間15分経過した頃「ピー、ピー、ピー、ピー、ピー」と5回アラームが鳴ってスイッチが切れた。

 盛り付けて、食べてみた。

 結果的に言うと、これはおいしかった。鍋で煮たのと比べても柔らかく、よく味がしみている。脂身と赤身の両者に、一体感がある。


スイッチを入れてから1時間15分後に、やっと終了を告げるアラームが鳴った よく味が染み込んでいておいしい。鍋で煮たのと比べても、肉が柔らかかった 最終的に盛りつけたところ。卵は半分に切ると断面がおいしそうになる

 角煮は、弱火でゆっくり煮るのが大事だと言われる。その「とにかく弱火」という基本を大切に守ってじわりじわりとやってくれるのが炊飯器調理なのではないだろうか。もちろん、時間はかかるけど。

 早く煮たいというスケベ心で火を強くしたりなんか絶対にしない。ロールキャベツなんかにもいいと思う。あれも、弱火で煮ているつもりでも対流でキャベツがまくれ上がったりするから。


リゾットを作る

続いてはリゾットに挑戦。付属するレシピ本どおりに作ってみる
 付属のレシピブックにある「リゾット・アッラ・ミラネーゼ」を作ってみることにした。

 たまねぎをみじんに切り、オリーブオイルで炒める。次いで米を炒め、白ワイン、コンソメスープ、サフランを入れてジャーにセット。「リゾット」のスイッチを押す。

 約20分で調理終了のアラームが鳴った。塩コショウ、バター、パルメザンチーズで味を整えて出来上がり。お味はというと、お米がアルデンテで、オイルがまろやかに乳化しており、かなり本格的な仕上がりである。

 家庭では、どうしても油や塩の使い方に度胸が出なくて、お店のようにガツンとならないものだが、レシピを厳格に守って、オリーブオイルとバターをたっぷり(2人前で、オリーブオイル大さじ1.5、バター大さじ1が入る)使ったことが、本格化に一役買ったようだ。


みじん切りにしたタマネギをオリーブオイルで炒め、さらにお米も炒めて釜に入れる 白ワイン、コンソメスープ、サフランを入れる 「リゾット」ボタンを押して調理スタート

炊き上がった後は、バターとオリーブオイルで味を調える できあがり。2人分をレシピ通りに作ったのだが、実際のところは茶碗5杯分の量になった。味はとてもおいしい

 おいしいことは確かだが、実際に2人で食べたら、けっこう残ってしまった。

 普通のごはんなら、保温しておいてあとで食べればいいのだが、リゾットはいわば「お米を使ったパスタ」なので、そういうわけにはいかない。(付属レシピにも、出来上がったらすぐに食べてしまうことが推奨されている)

 量をひかえめに作って、メイン料理のつけあわせ的に出したらかっこいいと思う。お客さんが来るときにやってみようと思った。


白めしを炊く

白飯を炊いてみると、なかなかおいしかった。普通の炊飯器との差は感じられない
 RIZOは炊飯器なので、普通の白いごはんを炊いてみよう。普通に研いで、普通にセットして炊いてみた。炊きたてのごはんを、納豆とお味噌汁で食べる。

 おいしい。普通の炊飯器との差は感じられない。

 しかし、食べ残して保温していたのを夕方食べたら、ごはんが何だか水っぽくなったような気がした。炊きたてはおいしいのだし、これは炊飯器、ライスクッカーと考え、保温ジャーとしての機能はあまり考えない方が良いのかもしれない。


インディカ米を炊く

 インディカ米とは、粒の長い、いわゆる「外米」である。好みもあると思うけれど、インド風のサラサラして辛いカレーにはとてもよく合う。

 RIZOのクックブックには、ジャポニカ米、インディカ米、リゾット用のスーペルフィーノというお米などについての解説がついていて、これら多くのお米に対応できるらしいことが示唆されている。

 そこで、ここはひとつ、インディカ米をRIZOで炊いて、辛いカレーを食べちゃおうということになった。

 インディカ米を、普通に水加減して、スイッチを入れる。特有のポップコーンのような香ばしい匂いがして、いい感じに炊き上がった。これに、「デリー」のレトルトソースで作ったキーマカレーをかける。おいしかった。


炊きあがったインディカ米。お米が長いのがよくわかる キーマカレーをかけておいしくいただいた

蒸し野菜を作る

蒸し料理では、内釜に水を張り、付属の蒸し板を入れる
 サツマイモを半分に切り、片方は「蒸し」機能にかける。もう片方は電子レンジで加熱して、食べ比べてみようと思う。

 内がまに水を張り、付属の蒸し板を入れてサツマイモを乗せる。あとはフタを閉めて 「蒸し料理」スイッチを押すだけだ。蒸し時間は丸ごとの場合、約60分となっている。この場合は半分に切ったので、40分ほどにしてみた。

 電子レンジのほうは、ラップで包んで3分間加熱した。単に時間の短さだけで言えば、電子レンジの大勝利である。

 出来上がったものを食べ比べてみた。食感は、しっかりと違う。RIZOで蒸したものは「ねっちり」と羊羹のような感じ、レンジのは「ホクホク」とおイモ独特の食べ応えがある。

 レンジのサツマイモが、自分がもともと持つ水分だけで健気にやわらかくなっているのに対し、蒸した方は、「湯気のモイスト効果でしっとり感アップ」的な頑張りを見せているのだ。


蒸し板の上にイモを載せ、「蒸し料理」ボタンで調理スタート できあがったところ。食感はしっとりとしていて、まるで羊羹のようだ レンジで温めたイモ(左)との比較。レンジの方は「ホクホク」とした食感

 味はどうかというと、どちらもおいしいと言わなければならない。好みによる、としか言えないのだ。

 ただ、はっきり味がちがうのは間違いないわけで、「電子レンジにできないことが、この製品はできている」と言えるだろう。問題は、数十分という蒸し時間だろうか。単に長くて待ちにくいと言うより、「蒸し調理をしていたこと自体、完全に忘れ果ててしまう」のに十分な長さなのである。

 蒸すものによって調節できるタイマーがついていればいいと思うのだが。

 調理を終わって、蒸し板を上げて見たところ、内がまの水がほとんど減っていないことがわかった。これなら仮に何時間も忘れ果てていても、少なくとも空焚きの心配はないだろう。取扱説明書にも「蒸し料理中、蒸気はほとんど出ませんが異常ではありません」とあった。


RIZOで蒸した肉まんは、全体がしっとりとしてとてもやわらかい。一方、電子レンジであたためたものは、皮と中身の一体感が足りない印象
 ついで、肉まんを蒸してみることにした。同じものを電子レンジでもあたためてみる。蒸し野菜の時と同様、蒸し時間の短さでは、電子レンジの圧勝である。

 しかし両者を食べ比べたところ、きちんと違いがあった。レンジで温めたものは、いつものチンの味でおいしいのだが、RIZOで蒸したものと食べ比べると、皮と中身の一体感が足りない感じがする。

 それに比べてRIZOの肉まんは「全体がしっとりとなじんで、とってもやわらか」とグルメリポーターのようなことを言いたい仕上がりになっている。おいしい。

 正直言って、普段の冷凍肉まんのときは、またレンジを使ってしまうかもしれないが、「551蓬莱の豚まんがお土産で来た」などという特別な場合(関西の人は意外に思うかもしれないが、あれは東京ではちょっとした貴重品なのだ)、ぜひRIZOで蒸して食べたいと思った。


料理作りの使い勝手が広がる

 いまではRIZOと、先行の炊飯器と、2台並べて使っている。毎日必ず使うわけではないが、確実にキッチンの手回りがよくなった気がする。たしかに、ライスクッカーとして売られているのだが、こちらのやりかた次第で用途が広がる製品である。

 炊飯器でごはんを炊き、RIZOでおかずを作る、あるいは下ごしらえをする。(硬い野菜の下煮などに使っている。たとえばおでんの大根とか、豆を煮るとか)。あるいは、フライパンでカレーやシチューを五分通り仕込み、RIZOで煮込み→保温する、といった使い方を始めているところだ。

 逆に、普通の炊飯器でおでんを煮て、RIZOでごはんを炊くこともあり得るだろう。蒸しても煮ても、水がなくなって焦げることがないので安全だ。忘れてしまっていても、危険はまずない。

 その小ささと、デザイン性の高さで、一人暮らしの料理初心者にもおすすめできそうだ。一方、毎日料理をする人の便利な汎用クッカーにもなるだろう。

 次の週末はひとつ、牛すじの煮込みでも作ってみようと思っている。





URL
  象印マホービン株式会社
  http://www.zojirushi.co.jp/
  製品情報
  http://www.zojirushi.co.jp/syohin/ricecooker/NSXB.html

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2007/07/31 00:00

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