|  |
|
 |
 |
 |
 |
家電製品ミニレビュー サーモス「真空断熱マグ コーヒーメーカー ECA-480」
|
 |
~淹れたての熱々コーヒーをより長く楽しむ
|
Reported by
富永 ジュン
|
 |
 |
 |
 |
 |
 |

|
サーモス「真空断熱マグ コーヒーメーカー ECA-480」
|
自宅で作業中にコーヒーを淹れ、一段落ついたところでいざ口を付けたところ、すっかりぬるくなっていた、という経験は誰にでもあるだろう。季節を問わず仕事中にあたたかいドリンクが欠かせない筆者もそのクチで、ちょっとだけ冷まそうとして放っておいたのに、あっという間に適温を過ぎてぬるくなってしまう、という情けない事態もたびたび起こる。
これはもう仕方がないこと、とあきらめていたが、Amazon.co.jpでよさげな製品を見つけた。それがサーモスの「真空断熱マグ コーヒーメーカー ECA-480」だ。購入価格はAmazon.co.jpで5,860円だった。
この製品は、カップに直接ドリップするタイプのフィルター式コーヒーメーカーだ。コーヒーメーカー部分は、機能的には水を沸かしてコーヒーをドリップするだけで、保温機能やできあがりを知らせるアラーム機能などは用意されていない。壁に沿わせて設置できるよう、かまぼこを立てたような半円状のデザインになっていることを除けば、ごくごくありふれたコーヒーメーカーだ。
しかし、特徴的なのは付属の真空断熱マグだ。容量240mlの真空断熱マグは、ステンレス層の間に約1mmの断熱層を設けるという、ステンレス魔法瓶の仕組みを取り入れたもの。キャップ状の飲み口を取り付けることで、飲み物をより長時間保温/保冷ができるというものだ。重さは通常の陶器製マグカップと変わらない。いや、むしろ軽いぐらいで、手に取った時の違和感もない。さらには、飲み口についてもどこでも好きな部分に口をつけられる上に、マグカップのふちとしては一般的な形状・厚みなので、飲む時に気を遣うこともないだろう。これなら、電熱プレートのような保温用の家電を用意する必要もないし、家中どこでも好きな場所に持ち運べるので身軽だ。
肝心の保温性能については、夜、沸騰させた鍋に具材を入れておくだけで、翌朝には煮込み料理ができている保温鍋「シャトルシェフ」など、保温能力の高い商品で有名なメーカー「サーモス」が製造してるので、問題はないだろう。まさに筆者のニーズにぴったりといったところだ。
|
|
|
パッケージ外観
|
CDケースとの大きさの比較。一般的なコーヒーサーバー用コーヒーメーカーよりも、やは幅が広い
|
本体背面はフラット。まるでかまぼこを立てたような形状だ
|
|
|
|
真空断熱マグカップが2個付属する。飲み口は全面に穴が開いているので、どこからでも口を付けて飲める
|
飲み口は引っ張れば取り外せる
|
マグ内部。口が広いので、手を入れて底まで洗浄できる
|
● 30分後でもまだまだ飲み頃。驚きの保温性能
使い方は、まず飲み口を取り付けた真空断熱マグカップを、本体のマグカップ台の上に置く。この時、真空断熱マグを2つ並べて置けば、2カップを同時にドリップできるほか、マグカップ台の中央に真空断熱マグを1つだけ置くことで、1カップ分だけ淹れることもできる。
次に本体上部のふたを開け、市販の2~4人用のペーパーフィルターをセットしたドリッパーを本体に取り付ける。ドリッパーの形状とペーパーフィルターの取り付け方は、一般的なコーヒードリッパーとまったく同じだ。
ドリッパーの取り付けが終わったら、付属の計量スプーンでコーヒー粉をペーパーフィルターにいれ、コーヒー粉の表面を平らにする。なお、計量スプーンはすりきり1杯で5g分となり、マグカップ1杯分はスプーン2杯、真空マグカップ2杯分はスプーン4杯が目安となる。筆者は少し濃いめを好むので、この分量より心持ち多めにコーヒー粉を入れた。
最後に、ドリッパー右手にある給水口からタンクに水を入れる。ドリッパーの右側はすべて給水口になっているが、口がかなり広く空いているので入れやすい。水の分量は、給水タンクの壁にある階段状の目盛りと同じ水位にすればよいので、計量カップなどを用意する必要はない。準備が終わったらふたを閉じ、本体前面左下のスイッチをONにするだけだ。真空マグカップ1杯ならば約3分半、2杯ならば約6分でドリップが完了する。
なお、ドリップ中は本体上部の蒸気口から蒸気が立ち上り、本体上部がかなり熱くなる。ドリップ中にうっかりと手をかざしたり、本体上部に触れたりしないよう気をつけよう。ドリップ終了を通知する機能や、ドリップ後に自動的に加熱が止まる機能は搭載されていない。そのため、水の沸騰音や蒸気の立ち上り具合を見て、ドリップの終了の見当を付ける必要がある。スイッチを切り忘れて空焚きしてしまわないよう、くれぐれも注意しよう。
|
|
|
本体上部のふたを開けたところ。中央がフィルター、右側が給水口だ
|
フィルターは取り外して水洗いできる。計量スプーンはすり切り1杯が5gだ
|
フィルターにペーパーフィルターをセット
|
|
|
給水タンク内部の目盛り。下の段が1杯分、上の段が2杯分の給水量だ
|
マグカップ台中央に真空断熱マグを置けば1杯のみのドリップも可能だ。また、マグカップ内部に氷を入れればアイスコーヒーも作れる
|
ドリップされたコーヒーは味わい深く、十分に満足できる出来だった。1杯分が240mlと多めなので、飲みきるまで時間がかかったが、長時間放置した後でもなかなか冷めず、むしろ少し熱すぎるぐらいと思えるほどだ。
そこで、真空断熱マグとほぼ同形状の陶器製のマグと真空断熱マグに同時にコーヒーをドリップし、室温25℃の室内に放置して5分おきに温度をはかってみた。その結果が以下の表だ。
■時間で見るコーヒーの温度の変化
|
普通のマグカップの温度 |
真空断熱マグカップの温度 |
ドリップ直後 |
68.5 |
81.7 |
5分後 |
61.4 |
79.0 |
10分後 |
54.8 |
75.6 |
15分後 |
51.4 |
73.5 |
20分後 |
47.8 |
70.9 |
25分後 |
45.4 |
69.0 |
30分後 |
43.1 |
67.2 |
35分後 |
40.3 |
64.7 |
30分後 |
38.3 |
63.2 |
通常の陶器のマグカップだと、ドリップ中でもコーヒーが冷めるため、ドリップ直後からすでに10℃以上の温度差ができている。好みによっても個人差はあるだろうが、一般的にコーヒーの飲み頃は65~70℃と言われていて、陶器製のマグではドリップ直後が飲み頃のようだ。一方、真空断熱マグの温度は81℃とかなり熱めだが、ミルクを入れるならばある程度の温度調整は可能だろう。ドリップ後5分が経過するとすでに陶器製マグは飲み頃を過ぎてしまうが、真空断熱マグではドリップ後35分も飲み頃の温度を維持できている。
たしかに実際に使っていてぬるいと感じることはほとんどなかったが、実際に数字で表してみると、この結果には素直に驚いてしまった。実際はコーヒーを飲むことで、マグカップ内のコーヒー量が減るため、温度の下降はこれよりも早くなるが、20~30分近くあればたいていの場合は「熱め」から「飲み頃」の範囲内でコーヒーを飲み終えることができるだろう。
利用できるマグが限定されてしまうため、お気に入りのマグがある場合は利用できないが、コーヒーメーカーの導入を考えている単身~カップル世帯には強力にオススメできる製品だ。特に気温が低い冬場には、せっかく淹れたコーヒーがぬるくて不愉快な思いをすることが格段に少なくはずだ。
なお、付属の飲み口付き真空断熱マグは2,100円で単体販売されている。すでにコーヒーメーカーを所持している場合や、コーヒー以外の飲み物でも長時間淹れたての熱さを楽しみたい場合は、真空断熱マグのみの購入でもよいだろう。
■URL
サーモス株式会社
http://www.thermos.jp/
製品情報
http://www.thermos.jp/product/purezza/purezza_cate01/eca480_sbk.html
■ 関連記事
・ やじうまミニレビュー サーモス「真空断熱ケータイマグ JMX-500」(2007/06/06)
・ 家電製品ミニレビュー 象印「ZUTTO コーヒーメーカー EC-DA50」(2007/07/06)
・ 家電製品ミニレビュー カリタ「TC-103」(2007/05/08)
・ 家電製品ミニレビュー ツインバード工業「CM-851BR」(2007/04/03)
2007/07/27 00:01
- ページの先頭へ-
|
|
 |

|
 |