● 照明も付いた「インテリア対応」コンセントタップ
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MultiPot本体。小型のバケツのような外観。重量も1キロ超と、かなりのヘビー級だ
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前回、インテリアを意識したコンセントタップとして「tapBox」という製品を紹介した。コンセントの差込口を本体内部に設けることで、雑然としがちな電源まわりの配線が外部から見えないようにするための製品だ。
今回紹介する「MultiPot」は、ほぼ同様のコンセプトを持った製品だが、特徴的なのはその形状とサイズ。ちょっとした小型のバケツほどのサイズを持つ筐体は、スケルトンカラーになっており、さらに照明の役割も果たすという、さらに一歩、インテリア色を強めた製品だ。
イタリアのRotalianaという照明機器メーカーの製品で、ディノスの通販サイトでの購入価格は、31,500円とかなり高かった。正直に言えば、3万円を越えるテーブルタップがどのようなものか見たかったというのが一番の購入動機かもしれない。
● フタ部裏側に5個口をレイアウト。余剰ケーブルも収納可能
前回の「tapBox」は、一辺約11cmのキューブ型というサイズの制約から、本体内に余剰ケーブルを収納するスペースは無かった。単純にコンセントの差込口を隠すのがコンセプトであり、機能らしい機能といえば集中スイッチ程度であった。
これに対し本製品は、フタに相当する部分の裏側に5つのコンセントを備えており、コンセントの差込口を外から見えなくするのはもちろん、高さ約20cm×フタ部の直径約23cmという大きな容積を生かし、余剰ケーブルを本体内にまとめて収納することができる。
接続した電源ケーブルは、本体底面に設けられた穴のほか、上部のフタに設けられた切欠からも外部に出すことができる。例えば、携帯電話や携帯音楽プレーヤーの充電器などは本体上部に出し、それ以外のケーブルは本体下部から出す、といった具合に使える。
内部の5個口のコンセントは、間隔的にもかなり余裕を持ってレイアウトされているので、ACアダプタなどを挿しても、隣接するコンセント口に干渉することがない。ACアダプタの存在を隠してしまえるというのは、部屋の美観を考えた際、大きなメリットである。
なお、このフタ上面は、本体にカチッとロックされるわけではなく、単に乗っけているだけの構造である。そのため、内部に多数のケーブルを収納しようとすると、フタが内部から持ち上げられて浮いたり、きちんと閉まらなくなることがある。余剰ケーブル、とくに被覆が硬いケーブルを内部にぎゅうぎゅう詰めにするのは、トラッキング防止の観点からも、避けたほうがよさそうだ。
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フタ部の裏面に5個口のコンセントを装備している。一括でオンオフするためのスイッチも備えるが、フタの裏面ということもあり、頻繁に利用するのは難しい
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プラグ類を差し込んだところ。かなり間隔をあけて配置されているので、左右に干渉することもなく、ACアダプタにも難なく対応する
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フタ部を裏返して本体に乗せる。ロック機能などはなく、上に乗せるだけ
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ケーブル類は本体底部の穴から外に出す。写真では分かりにくいかもしれないが、本体は半透明だ
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フタ部にはケータイや携帯音楽プレーヤーを乗せることができる。枕元に本製品を置き、充電する場合などに便利だ
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● 上下にLED照明を装備。コンセントタップの容量上限にも注意
本製品がユニークなのは、こうしたコンセントタップの機能に加えて、LED照明を装備している点だ。LEDランプユニットは上部と下部に分かれており、上向きに照らすのはもちろんのこと、本体内部も照らす構造になっている。筐体自体が透過性の高いプラスチックで作られているため、LED照明をオンにすると本体全体が発光したようになる。
実際に使ってみたが、本体上部にケータイや携帯音楽プレーヤーを乗せて充電をしつつ、LED照明も点灯させていると、かなり異彩を放つ。バケツ型タップというより、むしろフロアスタンドの内部にコンセントタップの増設口がついている、と言ったほうが印象としては正しい。
なお、このLED照明のオン/オフは、本体上部のフタにあるスイッチで行なう。コンセントタップ部の電源供給と連動しているわけではないので、必要なときだけ照明を付ければよい。例えば、暗い部屋の中で本製品にケータイを接続する場合、スイッチ1つで照明が入れられて便利だ。
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照明をONにしたところ。上部のほか、本体内部も照らされるため、本体がまるごと発光する
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フタ部にLED照明のスイッチが装備されている
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ただ、これに関連して、本製品のネックとなるのが、コンセントタップに使える消費電力の合計値が、上限800Wと少なめであること。これは前回紹介したtapBoxのほぼ半分という値であり、1,000W前後の消費電力を持つ機器、例えばドライヤーやホットプレート、ホットカーペットといった類の品はまったく使えないことになってしまう。用途については、よく吟味したほうがよさそうだ。
● 問題は価格。フロアライトありきの製品
本製品の購入にあたってネックとなるのは、上記の消費電力のほか、やはり価格だろう。31,500円という実売価格は、一般的なコンセントタップが数十個買えてしまう額である。コンセントタップの代替としては、さすがに高価すぎると言わざるを得ない。
それらを考慮すると、やはりこれはコンセントタップが主体となる製品ではなく、フロアライトにコンセント増設機能がついたもの、と解釈したほうがよいだろう。インテリア性の高いフロアライトを探している人は、さまざまな付加価値がついた製品として、検討対象に加えてみても良いと思う。
■URL
Rotaliana(英文)
http://www.rotaliana.com/
MultiPot(英文)
http://www.multipot.com/
■ 関連記事 ・ 家電製品レビュー ideaco「tapBox」(2007/05/15) ・ 家電製品レビュー ナショナル「ザ・タップマルチ」(2007/03/19) ・
やじうまミニレビュー サンワサプライ「省エネタップ
TAP-255WSV」(2007/04/03) ・ 家電製品ミニレビュー 無印良品「ジョイントタップ&延長コード」(2006/11/10)
2007/05/16 00:04
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