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世界初、磁力浮上・走行できるミニチュアリニアモーターカー

ミニチュアリニアモーターカー「リニアライナー 超電導リニアL0系スペシャルセット」

 タカラトミーは、世界初のミニチュアリニアモーターカー「リニアライナー 超電導リニアL0系スペシャルセット」を9月に発売する。希望小売価格は35,000円(税抜)。

 独自の技術で、磁力浮上・走行するミニチュアサイズのリニアモーターカー。2027年に品川-名古屋間の開業を目指すリニア中央新幹線の第1世代車両「超電導リニアL0系」を模しており、付属するレールは試験走行に使われている「山梨リニア実験線」をモチーフにしている。

 浮いて走行するため、車輪と地面の摩擦がなくなり、スケールスピード時速500km(超電導リニアの運転最高時速と同等)の高速走行を実現している。なお、実際のスピードは時速6km程で、通常のプラレールと比較しても数倍早いという。

スケールスピード時速500kmの高速走行を実現
本体は「超電導リニアL0系」、レールは「山梨リニア実験線」をモチーフにしている

氷上を滑るようなリニアの高速走行に感動

タカラトミー 代表取締役社長 富山 幹太郎氏

 5月26日には、ミニチュアリニアモーターカーの走行披露会が開催。タカラトミー 代表取締役社長 富山 幹太郎氏は、製品化について次のように語った。

 「もともと鉄道が好きで、15年程前に山梨の実験線でリニアモーターカーに乗りました。20kmの走行でしたが、掛かった時間はたったの5分。加速しているのは2分だけで、そのときの氷の上をすべるような感覚が素晴らしく、なんとかおもちゃで出せないかと考えました。プラレールで培った技術を活かし、どこよりも早く製品化したいという思いから今に至ります」

スケールスピード時速500kmの高速走行

 磁力浮上の仕組みは、レールに取り付けられた帯状の磁石と本体底部の磁石が関係する。これらが反発しあうことで約2mmの車両浮上を実現。

 磁力走行の仕組みには、本体の一両一両すべてに「高速磁気センサー」と「推進用コイル」を搭載。コイルに電流が流れることで磁界が生まれ、磁石同士の反発で推進力が発生して前進する。コイルを電磁石化させるタイミングは車両自身で切り替えられるため、後退せず高速で前進することができる。

 レールには、付属のコントロールステーションを配置可能。ステーションは、速度感知機能や音声アナウンス機能などを搭載。「間もなく列車が発車いたします」「時速500km到達」など、停車や発車、走行スピードの状況に連動してアナウンスが流れる。

本体底部の磁石
レールの磁石と反発する
約2mmの車両浮上を実現
テープカットも行なわれた
コントロールステーション(右)を付属。アナウンスや充電機能を備える

 充電機能も付いており、付属のケーブルとコントロールステーションを繋げることで車両が充電できる。充電時間は約30分。走行可能時間は約20分。

 コントロールステーションの電源は、単三形アルカリ乾電池を10本、もしくは付属のACアダプターを使用する。

 本体は4両編成でサイズは、2,510×320×260mm(幅×奥行き×高さ)。レールレイアウトは1,929×848mm(幅×奥行き)。対象年齢は8歳以上。

【お詫びと訂正】
 記事初出時、レールレイアウトの幅を19,280mmと記載していましたが、正しくは1,929mmです。お詫びして訂正いたします。

リニアは夢の乗り物、ターゲットはシニア層に

タカラトミー ニュートイ企画部 木村貴幸氏

 ターゲットにはシニア層も想定。1962年にリニアモーターカーの研究開発がスタートし、1970年の大阪万博で広く存在を知られるようになったことを背景としている。

 「当時10~20代だったシニア層にとって、リニアモーターカーは夢の乗り物。ぜひ自宅で楽しんでいただきたい。また、お子さんの知的好奇心をくすぐる製品でもあります。なぜタイヤがないのに磁石の力で動くのか、不思議な感覚を持ってわくわくしてもらえれば」(タカラトミー ニュートイ企画部 木村貴幸氏)と話した。

西村 夢音