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東芝、丸い釜でかまどのような熱対流を起こす実売12万円の炊飯器

~火力アップでおいしい炊きあがりの目印「カニ穴」を作る

 東芝ホームアプライアンスは、強い熱対流を起こす丸い内釜を採用したIH式炊飯器「真空圧力かまど炊き RC-10VWG」を、10月中旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は12万円前後。

真空圧力かまど炊き RC-10VWG グランホワイト
グランブラック

 同社の炊飯器では最高級モデルに当たる5.5合炊きのIH式炊飯器で、ごはんのおいしさにこだわり、かまどのような炊きあがりに近づけた点が特徴となる。

 まず内釜には、昔ながらの羽釜の形状のように、側面が丸く、開口部が上部に向かってすぼまった“丸型”のデザインを採用した。この形状により、内部の側面に沿って大きな熱対流が起こりやすくなるため、内釜の中心部まで素早く高温になり、ごはんが均一にふっくら炊きあがるという。

 内釜ではさらに、外側の発熱体の部分に、熱を効率よく伝えるためにディンプル形状(窪み)を施した。また、内面と外面には、熱伝導の良いダイヤモンドを含んだコーティング「Wダイヤモンド金コート」が加工された。さらに、釜底の厚みは、従来の5mmから7mmに厚くし、蓄熱性を高めている。

 同社では本製品の内釜について「一品削り出し本丸釜」と称している。なお、本丸釜はプレス成型では難しいため、成型後に一品ずつ削り出す「溶湯鍛造製法」で作られている。

真空圧力かまど炊き RC-10VWGで使用される内釜。開口部が上部に向かってすぼまった“丸型”のデザインを採用した
内釜の断面図。ダイヤモンドがコーティングされている。釜底の厚さは7mm
一品削り出し本丸釜の製法

 ごはんをおいしく炊く機能としてはこのほか、加熱前の釜内部を減圧することで、米の空気を抜き芯まで吸水させる「ダブル真空ポンプ」を、従来モデル「RC-10VPF」に引き続き採用した。従来機種では減圧回数が1回だけだったが、新製品では4回できるようになり、より素早い吸水を行なうことで、米本来のうまみ、甘みが引き出せるという。また、減圧後に米に残ったうまみ成分が米の保水膜となるため、甘みがあり冷めてもおいしいごはんができるという。

ダブル真空ポンプのイメージ図
真空によるうまみを引き出す効果

 炊飯中の火力もアップした。おいしい炊きあがりのために重要とされる沸騰初期の火力を従来モデルの約1.5倍にすることで、沸騰初期の連続加熱時間が、従来の約2倍になり、米が十分に加熱できるという。また、釜底の小さな出っ張り「釜底WAVE加工」から大量に気泡が噴き上がることで米が立ち、おいしい炊きあがりの目印となる熱の通り道「カニ穴」が多い、ふっくらとしたごはんが炊けるという。

火力をアップすることで、釜底から気泡が発生し、おいしい炊きあがりの目印となる熱の通り道「カニ穴」が多くできるという

 さらに、米の種類や炊飯量、好みの食感に合わせて圧力を細かく制御する、「圧力可変コントロール」機能も搭載。最大圧力1.2気圧、最大105℃の高温沸騰で、米の芯まで熱を伝え、粘りと甘みを引き出すという。白米のほか、玄米や雑穀米でも、硬さや粘りが調節できる。

 炊飯モードでは、吸水しにくい古米をふっくらと炊く「ふっくら古米コース」、約26分の短時間で炊く「そくうまコース」、消費電力を削減して炊く「ecoモード」、蒸気の発生を抑える「蒸気セーブ」、時間と火力をかけて通常の炊飯よりもおいしく炊く「かまど名人」コースなどを搭載する。かまど名人では、従来はできなかった「もちもち」「やわらか」「しゃっきり」の炊き分け機能が加わった。

 保温機能では、真空機能によって釜内部の空気を抜いて酸素濃度を抑え、ごはんの黄ばみやニオイの発生、乾燥を防ぐ「真空美白保温」機能を備えた。白米は最長40時間、玄米は12時間の保温に対応する。

使っていない時は表示要素を抑える「スマートタッチパネル」を採用する

 デザイン面では、操作パネルに表示要素を抑えた「スマートタッチパネル」を搭載。使っていない時は表示を一旦消し、使用時は必要な情報だけを表示することで、操作をサポートする。パネルには静電タッチキーを備える。

 本体サイズは270×360×234mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約6.6kg。消費電力は1,420W。付属品として蒸し台を同梱する。本体カラーはグランホワイトとグランブラック。

 下位モデルとして、RC-10VWGと同様に一品削り出し本丸釜を採用した「RC-10VPG/RC-18VPG」と、「RC-10VXG/RC-18VXG」を、8月中旬に発売する。釜底の厚さはすべて5mm。RC-10VXG/RC-18VXGでは浸し時の減圧回数が2回で、かまど名人コースや玄米の保温機能などが省かれている。

 店頭予想価格は、5.5合炊きのRC-10VPGが100,000円前後、RC-10VXGが65,000円前後。1升炊きの「RC-18VPG」が105,000円前後、「RC-18VXG」が68,000円前後。

RC-10VPG パールホワイト
RC-10VXG パールホワイト
RC-10VXG グランレッド
RC-10VPGとRC-10VXGで使用される内釜。コーティングは異なるが、同じ一品削り出し本丸釜を使用する

正藤 慶一