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イデー、週末限定でDIY工房付きショップを藤沢にオープン

神奈川県藤沢市にオープンしたイデー・ガレージ

 インテリアショップのイデーは、電動工具を使ったDIYを店内で楽しめる体験型店舗「イデー・ガレージ」を、9月23日までの週末限定でオープンする。場所は、JRおよび小田急線の藤沢駅から徒歩約5分。無印良品 藤沢の4階で、売場面積は約130坪。

 イデー・ガレージは、同社として初の工房を併設した体験型店舗で、ソファや照明、雑貨などのインテリア用品を販売するほか、来店者がものづくりを楽しめるスペースを設けた点が特徴。新品だけでなく、ヴィンテージものや再加工された商品も扱う。また、DIY用のドライバーや布素材も揃える。

 同社では、暮らしを楽しむキーワードとして、使わなくなったものを別の製品に改造するリサイクル「アップサイクル」、再生素材や端材を使った「DIY」、家具を自らの手で直しながら使う「リペア」の3つを掲げ、自分の手で作る楽しさや、物と長く付き合う暮らし方を提案する。

ハンドメイドでリサイクルしたダンボール素材のシーリング用セード
繊維工場の端材を集めてロープ上にした糸で作ったドアストッパー
自動車用タイヤの素材をリサイクルして作ったバケツや容器
イデーのデットストックの布素材も販売。椅子の張り替えなどができるという
食器も扱う

 さらに店内には、2つの工房を設置し、それぞれにブラック・アンド・デッカーのコードレスドライバー「マルチエボ」や電動やすり「サンダー」を備えた。一方の工房では、客が電動工具を使ってDIYを楽しんだり、家具のメンテナンスやカスタマイズを行なうワークショップに参加できる。ワークショップは現時点で40コマ用意されており、子供から大人まで楽しめるラインナップになっているという。参加はオンラインや店頭から申し込める。

工房では、廃材を使ったDIYにトライできる
DIY工房では、ブラック・アンド・デッカーの製品を使える

 もう一方の工房では、週替わりでクリエーターが公開制作を行なう。来店者は作品制作の過程を間近で見ることができるほか、店頭で作品を購入することもできるという。

クリエイターが作品を制作している工房の様子
制作中のデザイナー角田陽太さん(右側)
作っていた作品はこちら。古いレコードと無印良品のボトルを組み合わせた
店内中央にはアーティストの作品も展示。この2つの椅子は、いずれもGELCHOP(ゲルチョップ)というクリエーターユニットによるもの

 イデーの川渕 恵理子 常務取締役は、イデーガレージのコンセプトについて「物が多い現代における豊かな暮らしとは、自分で暮らしに思いを巡らせ、工夫や手を加えた先にあるのではないか。在るものを活かすことや、自分の暮らしを自分の手で作ることは、私達人間がずっと営んできて、ここ50年100年で突然やらなくなってしまった。この店舗では、自分で考えて作るというDNAを皆さんに呼び覚まして欲しい」と問いかけている。

無印良品のプラスチックケースを再利用した鳥の巣箱
子供向けの玩具の電動工具セット、12,600円。実際に電池を入れて駆動するという。これを使った子供はDIYエリートに育つかもしれない
ドライバーセットは2,800円で販売中
イデー・ガレージの店内
マルシェのように賑やかな雰囲気
落ち着いた木製家具のコーナーも

廃材を活かした黒板作りにチャレンジ

 記者も廃材を使って黒板作りにチャレンジした。まず、余った木板に黒板になる特殊な塗料を塗り、乾いたところで縁を沿うように皮を貼っていく。最後にネジで留めたら完成なのだが、いきなりネジ留めすると板が割れてしまう恐れがあるため、先にネジを刺す部分に電動ドリルで穴を開けておく。電動ドリルを使うと、あっという間に穴が開いた。スイッチの加減でネジを回すスピードを調節できるため、程よいところで止められた。

工房で黒板作りにチャレンジ! 左側の丸型の黒板を目指すことにした
廃材の木板に、塗ると黒板のようにチョークで文字を書いたり消したりできるペンキ「KAKERU PAINT」のダーリングレーを塗る
縁に取り付けるレザーをカット。力加減が難しい作業だ
木枠の縁にレザーを貼る
ネジ留めする部分に、電動ドリルであらかじめ穴を開ける

 最後にネジを締めたら完成だ。指導者が随時アドバイスしてくれるので、思ったよりも簡単に、スムーズに作業できた。所要時間は小一時間程度。今回は黒板作りを体験したが、内容は随時変更するといい、体験料は2,000~3,000円になる見込み。

できた! 左側が今回作ったもの
チョークでクッキリと文字が書けた
ペンキ類も販売している
指導してくださったのは、普段はイデー本社で家具をデザインしているという秋田さん。週末はこちらの店舗に顔を出す予定という

 今回ご指導いただいたイデーの秋田真吾 企画営業事業部デザインチームリーダーは、「自分の手を使って作る物への愛着や、面白さを味わって欲しい」と思いを語った。

小林 樹