パナソニック、トヨタの電気自動車「eQ」にリチウムイオン電池を供給

 パナソニックグループの電池部門であるエナジー社は、トヨタ自動車が開発したEV(電気自動車)「eQ」向けに、リチウムイオン電池を供給すると発表した。eQの希望小売価格は360万円で、12月以降、日米の自治体および特定利用者向けに限定して販売される。

トヨタ自動車のEV「eQ」パナソニックが開発した、EV/PHV用のリチウムイオン電池(左)。右はハイブリッド自動車用

 eQは、通勤や買い物など、日常での近距離走行をメイン用途に想定したEV。消費電力の高効率化のために、パナソニックが開発した高出力の新型リチウム電池を搭載することで、電費(交流電力量の消費率)は“世界最高”の1km当たり104Whとなった。

 これにより、電池容量は12kWhと小容量ながら、充電1回当たりの走行距離は100km、最高速度は125km/hを達成した。満充電までの充電時間も、AC200Vで約3時間と短時間でできるという。

 パナソニックでは、EVなど環境対応車用の二次電池の開発と事業を強化しており、既に複数の自動車メーカーに、HEV(ハイブリッド自動車)用のニッケル水素電池、HEV、PHV(プラグインハイブリッド車)、EV用のリチウムイオン電池を供給している。同社では既に、トヨタのHEV「プリウスα」、PHV「プリウスPHV」にリチウムイオン電池を導入している。

 パナソニックでは、今後も高性能電池の開発・商品化を加速し、グローバルでの環境対応車用の電池事業の拡大に取り組んでいくとしている。






(正藤 慶一)

2012年9月24日 15:29