日立、表面カリっと中はフワフワのお好み焼きが作れるオーブンレンジ体験会

~サーモスと共同開発した真空断熱構造の炊飯器も
日立アプライアンスが報道陣向けに開催した製品体験会。同社のオーブンレンジ「ヘルシーシェフ」を使った調理が行われた。写真は両面を一気に焼き上げたお好み焼き

 日立アプライアンスは、独自の「焼き蒸し調理機能」を搭載したオーブンレンジ「大火力焼き蒸し調理 ヘルシーシェフ MRO-LV300」と、真空断熱容器を採用した高級炊飯器「圧力&スチーム 真空熱封 RZ-W2000K」の報道陣向け体験会を9日、都内で実施した。

 5月20日に発売された「大火力焼き蒸し調理 ヘルシーシェフ MRO-LV300」と、7月20日より発売する「圧力&スチーム 真空熱封 RZ-W2000K」の体験会。会場では、実際に製品を使いながら、特徴や独自の機構などの説明が行なわれた。

餃子や野菜炒めが作れるオーブンレンジ

 大火力焼き蒸し調理 ヘルシーシェフ MRO-LV300」は、独自のフタ付きグリル皿を採用することで、従来のオーブンレンジではできなかった焼き蒸し調理ができる点が最大の特徴。フタを使うことで、グリル皿内部にスチームを充満させ、餃子や小籠包などの調理ができるほか、新モデルではグリル皿の温度を最高250℃まで上げることで、野菜炒めや焼きそばなどの炒め物調理も可能となった。

製品本体扉を開けたところ操作パネル
独自のフタ付きグリル皿を採用グリル皿を最高250℃の高熱にすることで、これまでできなかった炒めもの調理にも対応するというグリル皿は足がついていて、調理によって高さを変えられるようになっている

 会場では、実際に野菜炒めとお好み焼きを調理。野菜炒めは、塩こしょうで味付けした豚バラ肉の上に、あらかじめ味付けした野菜を載せて、フタをかぶせてから調理をスタート。本体の液晶画面では、選択した自動メニューに使う付属品や材料なども表示されるので、何度か作ったものであれば、説明書を見なくてもスムーズに作業が進められる。

まずはあらかじめカットした野菜に醤油などで下味をつける。市販のカット野菜などを使うと調理工程を省略できるというグリル皿に豚バラ肉を広げて、塩こしょうする豚バラ肉の上に野菜をのせる
フタをして準備完了操作パネルには、メニューの名前のほかにグリル皿をどこの場所にセットするのか、フタは使うのかなどの説明も記載されている材料を表示するページも用意されている

 野菜炒めの調理時間は約6分。過熱水蒸気とレンジ調理を組み合わせることで、油を使わずにヘルシーな野菜炒めが作れる。また、従来の過熱水蒸気のみの調理では野菜がしんなりしてしまっていたが、ヘルシーシェフの炒め物調理では、野菜の歯ごたえも楽しめる。炒めものならではの、野菜のシャキシャキ感が味わえるのも魅力だ。

調理時間は約6分。フタを開けると蒸気が立ち上る完成した野菜炒め。油を使っていないので、カロリーカットできる

 お好み焼き調理は、すりおろした山芋に卵とだし汁を加えて混ぜたところに、小麦粉、キャベツ、小ねぎ、天かす、紅ショウガを加えた生地を作り、グリル皿の上に丸く広げた豚バラ肉の上に置く。お好み焼き調理では、フタを使わずに、グリル皿の左右に用意されたフラップを広げ、最上段にグリル皿をセットする。マイクロ波でグリル皿を高温に加熱しながら、食材に近い位置の上部ヒーターで加熱することで、両面を一気に仕上げることができる。

 仕上がりは、驚くほど本格的。表面にも裏面にもしっかり焼き色が付いていながらも、中はフワフワに仕上がっていて「お好み焼きにうるさい関西の人でも、納得してくれた」(日立担当者)という仕上がり。

すりおろした山芋に卵とだし汁を加えて混ぜたところに、小麦粉、キャベツ、小ねぎ、天かす、紅ショウガを加えた生地豚バラ肉は円形に広げる生地を丸く載せていく
グリル皿は最も高い位置にセットする。上部ヒーターの熱で一気に表面を焼き上げるという焼き上がり。表面には焦げ目がついている裏側の豚バラはカリカリに焼けていた
粘度の高い生地を使っているため、グリル皿に置いた時も生地が周りに広がらない

 なお、市販されているお好み焼き粉では、だし汁や山芋があらかじめ混じっているものもあるが、ヘルシーシェフで作る際には、市販のものを使わずに、付属のレシピを参考にした方が良いという。これは、生地の粘度が関係していて、付属のレシピは、グリル皿に置いた時に周りに生地が流れ出さないように、粘度がやや高めになっている。

 ヘルシーシェフではこのほか、437種類のオートメニューを搭載する。本体サイズは500×449×408mmで、重量は約21kg。本体カラーはパールホワイトとパールレッドの2色。価格はオープンプライスで、実売価格は139,800円(ヨドバシ.com)。

サーモスと共同開発した真空容器でごはんをおいしく炊きあげる炊飯器

圧力&スチーム 真空熱封 RZ-W2000K

 「圧力&スチーム 真空熱封 RZ-W2000K」は、かまどでご飯を炊く時の原理を追求した5.5合炊きの高級炊飯器。かまどでご飯を炊きあげる時は、火を取り囲むように配置されている土壁が断熱構造となり、高温を維持するという。

 RZ-W2000Kでは、この断熱構造を再現するために、真空断熱構造のステンレスボトルなどを製造・販売するサーモスと共同で開発した真空断熱層を採用。内釜を取り囲むようにステンレス二重構造の真空断熱層を設けることで、外部への放熱を防ぎ、炊きあげから蒸らし工程まで100℃以上を維持。

 従来では高温を保つために工程途中で熱を加える必要があったが、RZ-W2000Kでは、最小限に抑えることができるため、むらなくふっくらと仕上がるという。

 内釜は、鉄を使った独自の「対流大火力 打込み鉄釜」を採用。底面面積を従来より広くしたことで、内釜とIHコイルが近接する範囲が広くなり、対流が促進されるという。

 このほか、ご飯以外の料理もできる機能や、蒸気をカットしながら炊飯できる機能なども備える。

フタを開けたところ操作パネル内釜は、鉄を使った独自の「対流大火力 打込み鉄釜」
かまどでご飯を炊きあげる時の原理を追求したという。かまどでは外側の土壁が断熱効果を発揮しているというRZ-W2000Kでは、サーモスと共同開発した断熱構造を採用している100℃以上を長時間維持できるという

 会場では、試食も行なされた。炊飯器は、メーカーごとに様々な炊飯方式を採用しているが、日立では圧力方式にスチームを組み合わせている。一般的に圧力炊飯で炊きあげた米は粘りが強く、スチーム方式はシャリシャリとした仕上がりになると言われているが、RZ-W2000Kは圧力とスチームの両方の長所が味わえる。箸でとった時は、やや粘り気があるように感じたが、口にいれると、お米一粒一粒が立っているような感触。噛むとしっかりとした弾力と甘みが感じられる。

 日立では、米の食味に関して農水省の認可を得た公式な第三者機関である「日本穀物検定協会」で行なっている「食味官能評価試験」を実施。これは、毎年米の等級評価を行なっているパネラー20名が味を評価するというもの。それによると、真空断熱層を搭載していない機種よりも、真空断熱層を搭載している機種の米の方が評価が高かったという。

炊きあがったご飯。弾力や甘みがありながらも、べたつきの少ない仕上がりだった農水省の認可を得た公式な第三者機関である「日本穀物検定協会」がおいしさを実証しているという

 本体サイズは267×361×246mm(幅×奥行き×高さ)で、フタを開けた時の高さは452mm。重量は7.9kg。炊飯容量は0.5~5.5合(0.09~1L)。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は9万円前後。






(阿部 夏子)

2012年7月9日 16:23