ダイソン、エアーマルチプライアーを使ったユニークな実験を公開

 ダイソンは、羽根のない扇風機エアーマルチプライアーをアピールするためのイベントを、6月1日、報道陣向けに行なった。

 エアーマルチプライアーは、ダイソンが2009年10月に発売した扇風機で、羽根がない独自の構造による高い安全性や従来の扇風機とは異なる風質がなどが特徴。これまでに、形や機能が異なる4機種を発売している。

羽根のない扇風機として知られるダイソン「エアーマルチプライアー」これまでに4機種が発売されている。左からAM01 テーブルファン、AM02 タワーファン、AM03 フロアファン、AM04 ホットアンドクール独自の機構を使って様々な実験を披露した。写真は、連続しておいてあるエアーマルチプライアーの間を風船が通り抜けていくところ従来の扇風機とは機構も形も全く違うため、安全性が高く、手入れが楽、風質が高いなどの特徴がある
チャーリー西村氏

 イベントでは、ユニークな化学実験で知られる米村でんじろう先生の一番弟子で、サイエンスエンターテイナーのチャーリー西村氏による実験でエアーマルチプライアーの機構や特徴を説明した。

 エアーマルチプライアーは、本体下部で吸い込んだ空気を、円形開口部を通過させることで加速。この時に発生する円形気流によって、周囲の風を巻き込み、吸い込んだ空気の15倍の風を発生させる(エアーマルチプライアー AM01 テーブルファンの場合)。実験では、これらの機構を目に見える形でわかりやすく解説した。

本体下部から風を吸い込んでいくところを可視化した実験円形開口部の前方からだけでなく、後ろの風も巻き込んでいるのがわかる

 周囲の風を巻き込みながら、風量を増幅させるという機構については、エアーマルチプライアーの円形開口部に、大きなビニール袋を当てる実験を行なった。ビニール袋を円形開口部にくっつけた状態では、風量が少なく、ビニール袋が充分に膨らまなかったのに対し、円形開口部から話して起動させるとビニール袋が即座に膨らんだ。

周囲の風を巻き込みながら風量を増幅させる仕組みを試した実験。円形開口部をビニール袋ですっぽり覆うようにしたところ風量が十分ではなく、ビニール袋はなかなか膨らまなかった円形開口部からビニール袋の口を少し離したところ、ビニール袋は即座に大きく膨らんだ

 このほか、風船やシャボン玉を使って風の流れをわかりやすく解説した。


動画投稿サイトYouTubeなどでも話題になったエアーマルチプライアーの間を風船が通り抜けていく実験2つのエアーマルチプライアーを向き合わせて動かした場合の風の動き。風がぶつかりあって中央あたりで、放射線状に広がっている

エアーマルチプライアーの開口部の中で風船が回転する実験。これは背面部にラップを貼って、背後からの風の通りをなくしたことで起こる現象最後に2台のエアーマルチプライアーの間にdysonという文字を浮かびあがらせる実験を行なった

 実験を行なったチャーリー西村氏は、エアーマルチプライアーを始めてみた時は羽根のないそのデザインに驚いたが、科学の観点から見ても、その機構には驚きが溢れていると、エアーマルチプライアーの構造や機構を絶賛した。

ダイソンの代表取締役 麻野信弘氏

 ダイソンの代表取締役 麻野信弘氏はエアーマルチプライアーについて、「2009年の市場導入以来、ムラのない風や高い安全性が支持され、成熟していた扇風機市場に新たな風を起こしたと自負している」とコメント。高付加価値の扇風機として夏期、冬季ともに売り上げ金額一位(GfK調べ)を獲得したという。






(阿部 夏子)

2012年6月4日 11:59