日立、規格ギリギリに明るいLEDシーリングライト

~食事や読書の明かりが簡単に選べる「あかりセレクト」も

 日立アプライアンスは、8/10/12/14畳用で“最大限の明るさ”を謳う角型LEDシーリングライト「センサー付き洋風タイプ」を、6月15日に発売する。

 ラインナップは、8畳用の「LEC-BH510」、10畳用「LEC-BH610」、12畳用「LEC-BH710」、14畳向け「LEC-BH810」の4機種。価格はすべてオープンプライス。店頭予想価格は順に40,000円前後、45,000円前後、55,000円前後、75,000円前後。


LEDモジュール増加と“ダイレクト照射方式”の継続で、最大限の明るさ

LEDシーリングライトの購入者アンケート。最初からLEDに決めて来店し、明るさを基準に選んでいるという

 光源にLEDを採用したシーリングライト。同社の調べによると、一般ユーザーがLEDシーリングライトを購入する際に「明るさ」を最も重視しているため、明るさにこだわった点が特徴となる。

 明るさを向上するために、LEDの数を従来モデルから増やした。同社の14畳タイプの従来モデル「LEC-AH800」では、LEDモジュールの数が192個だったが、同じく14畳タイプのLEC-BH810では、256個に増加している。

 また、LEDユニットから直接出る光でカバーを照らす、日立独自の「ダイレクト照射方式」も引き続き採用。LEDユニットから出る熱を効果的に逃がす大型放熱構造や、電球色・昼光色のLEDモジュールを、半球状の樹脂で覆う「ドーム型LEDユニット」も搭載される。

LEC-BH810のカットモデル(左)。LEDの光を直接下に向けているダイレクト照射方式の仕組み。本体m内は、LEDの熱を逃がす「大型放熱構造」となっているカバーを取り外したところ。LEDモジュールは合計で256個搭載されている
よく見ると、電球色と昼光色の2種類のLEDが用意され、半球型のドームの中に封じ込められている右が従来モデル「LEC-AH800」。赤い円の中にLEDが設置されている

 この結果、器具光束は8畳向けで4,290lm、10畳向けで4,890lm、12畳向けで5,490lm、14畳向けで6,090lmとなった。この数値は、業界団体「日本照明器具工業会」が定める適用畳数基準の範囲において、“最大限”の明るさになっているという。

 同社では、大光量を活かした幅広い調光ができ、調色と組み合わせて幅広い光の演出が可能になるとしている。

日本照明工業会が定める明るさの範囲で、すべて“最大級”の明るさになっているという調光、調色の範囲も広くなり、細かい設定が可能になったという

くつろぎや読書のシーンが簡単に選べる。長方形デザインは天井に光を広げる

「あかりセレクト」で選べる4パターンの光

 調光・調色機能も搭載している。リモコンを使うことで、調光では5%~100%、調色は電球色~昼光色の間で、任意に設定できる。

 新製品では、購入時の優先ポイントの調査で、3番目に「調色機能」が挙げられたことから、新たな調光・調色機能を追加。4パターンの明かりがダイレクトに選べる「あかりセレクト」機能を搭載した。


実際の「あかりセレクト」のパターンリモコン。あかりセレクトを使う場合は、モニター下部の「電球」「食卓」「図書館」「蛍光灯」のボタンを押す。好みの色の明かりを登録することもできる

 「あかりセレクト」には、電球色の「電球のあかり」と「食卓のあかり」、昼白色の「図書館のあかり」、昼光色の「蛍光灯のあかり」という4種類が用意され、リモコン上の専用ボタンを押すことで、光がダイレクトに切り替わる。さらに、自分で調節した明かりを登録することも可能。4パターンのいずれかに上書きできる。各ボタンを長押しすれば、初期状態に戻せる。

 なお、「食卓のあかり」は食事や団欒に、「図書館のあかり」は読書や趣味にお勧めという。

電球のあかり食卓のあかり図書館のあかり蛍光灯のあかり

調光・調色のデモ運転

 器具のデザインには、角型で長方形の「ワイドデザイン」を新採用。リビングなどの部屋に馴染みやすいという。また、カバー内部で拡散した光を天井方向に向けるデザインとなっているため、天井面に光が届き、明るさと部屋の広がり感が演出できるという。

長方形の「ワイドデザイン」を採用天井にも光が届きやすいという
本体を側面から見たところ実際に点灯中のところ。天井にも明かりが届いている従来モデル(左)と比べた、天井面の照度比較。LEC-BH810の方が天井が明るい数値になっている

 このほか、部屋が明るいと自動で消費電力を抑える「[eco]これっきり」機能や、現在つかっている状態から約15%節電する「節電ボタン」も備える。

 シーリングライトの発光面積は3,270立方cm。色の再現度を表す標準演色評価数はRa80以上。

 下位機種として、[eco]これっきり機能を省いた「洋風タイプ」「和風タイプ」各3機種も、同時に発売する。それぞれ8/10/12畳用の3タイプが用意される。店頭予想価格は洋風タイプが37,000円前後~52,000円前後、和風タイプが40,000円前後~55,000円前後。

部屋の明るさに応じて省エネする「[eco]これっきり機能」も備える[eco]これっきり機能のセンサー部(写真中央)。常夜灯も付いており、調光にも対応[eco]これっきり機能を省いたタイプも用意される

[eco]これっきり機能の実演。調光スピードは実際の製品よりも早くなっている

LEDシーリングライト市場は節電需要で大幅な伸び

日立アプライアンス 常務取締役 環境ビジネス機器事業部 二宮隆典事業部長

 日立アプライアンス 常務取締役 環境ビジネス機器事業部の二宮隆典事業部長は、LEDシーリングライトの市場について「2011年の東日本大震災の後、夏以降の節電需要で非常に大きな市場の伸びを示している」と、節電ニーズによるLED化が進行していることを指摘した。

 また新製品については、「基本コンセプトは、これまで通り“省エネ・節電”と、“ダイレクト照射方式による明るさの追求”だが、新製品ではこれに加えて、独自の調色機能、シンプルだが飽きのこない新しい形状による高品質な明かりを備えている。お客様に実感していただける価値を提供していきたい」とアピールした。

GfKによる、LEDシーリングライトの台数構成比。既に従来光源のシーリングを抜いている結果になったLED全体の市場も伸びている。日立は照明部門の売上の約4割強をLEDとする予定





(正藤 慶一)

2012年5月17日 17:47