パナソニック、ユネスコ世界遺産とパートナーシップを締結

~183国にパナソニック1社提供の番組を放送

 パナソニックとユネスコ世界遺産センターは、6月3日、ユネスコ世界遺産センターの保護と、次世代に向けた環境教育を通じた持続的成長促進を目指すストラテジックパートナー契約を締結したことを発表した。

 2012年11月には、世界遺産条約が40周年を迎えることから、パナソニックはそれにあわせてユネスコ世界遺産に関する保護、訴求活動にも貢献していくことになる。

パナソニック コーポレートブランドストラテジー本部宣伝グループ企業宣伝室国内推進担当リーダーの小林千寿氏

 パートナー契約を締結した理由として、パナソニック コーポレートブランドストラテジー本部宣伝グループ企業宣伝室国内推進担当リーダーの小林千寿氏は「パナソニックは、創業100周年を迎える2018年に向けたビジョンとして『エレクトロニクスNo.1の環境革新企業』を掲げ、全事業活動の基軸に環境を据えている。今回のストラテジックパートナー契約では、『パナソニックの環境/CSR活動の訴求と世界遺産保全への意識向上』、『次世代環境学習を通した世界遺産と環境保護への関心向上』、『世界遺産条約採択40周年に伴う話題喚起』という3つの観点から成果を期待している。活動を通じて、環境を切り口としたパナソニックのブランドイメージを高めていきたい」とする。

 ユネスコ世界遺産センターとストラテジックパートナー契約は、2013年5月までとなっているが、契約を更新する可能性もあるという。


世界183国に、パナソニック1社提供の世界遺産番組を放送

 パナソニックは、1995年からユネスコ世界遺産センターと協力して、ユネスコ世界遺産カレンダーを発行しており、さらに2010年からは、世界遺産の壁紙をダウンロードできるサービスを開始している。

2011年6月から、ナショナル ジオグラフィック チャンネルにおいて、世界遺産番組「The World Heritage Special」を世界183カ国で放映

 今後はこれらのサービスを継続的に提供するほか、2011年6月からは新たに、ナショナル ジオグラフィック チャンネルにおいて、世界遺産番組「The World Heritage Special」を、世界183の国および地域で、パナソニック1社提供で放映。日本ではスカパー! で、毎週第1月曜日に60分番組を放映する。日本では約600万世帯での視聴が可能になるという。

 同番組は月に2回再放送されることから、年間36回の放映が予定される。パナソニックがグローバルで1社提供する番組は、今回が初めてとなる。

 パナソニックでは、ナショナル ジオグラフィック チャンネルの映像を3D化したものを制作しており、東京・有明のパナソニックセンター東京1階に設置された152型3Dディスプレイで視聴することが可能。同様の設備はパナソニックセンター大阪、パナソニックセンター北京にも設置する予定だ。

パナソニックセンター東京に設置された152型3Dディスプレイ152型3Dディスプレイのコーナーは「152 3D Lab」と呼ばれている

 また、ナショナル ジオグラフィック チャンネルのほかに、ブルームバーグ、ニューズウィーク誌と連携し、メディアを通じたグローバル規模でのコミュニケーションを誌面やウェブを通じて展開する。

 さらに、ユネスコ世界遺産に関するテレビCMもパナソニックが制作し、日本の地上波を含め、全世界で放映されることになる。

 テレビCMでは、世界遺産の映像とともに、世界的に活躍するソプラノ歌手のサラ・ブライトマンさんを起用。「太陽光発電」、「資源循環」、「植樹活動」、「水の再利用」などの観点から訴求する。サラ・ブライトマンさんは、これまでにもパナソニック・グローバルソング「Shall be done」の歌を担当した経緯がある。

ブルームバーグやニューズウィーク誌と連携した、メディアミックスでの訴求展開も行なうユネスコ世界遺産センターとの提携で展開するテレビCMは4種類

子供たちへの環境教育も実施

 一方、次世代に向けた環境教育では、すでにパナソニックが展開している「Panasonic Kids School」や、「KWN(キッド・ウイットネス・ニュース)」などの活動と連携し、小学生などを対象にした世界規模での環境教育を推進していく考えを示した。

 具体的には、今後2年間に渡って、世界10カ所の世界遺産において、約4,000人の小学生を対象とした環境学習プログラムを実施する予定。世界遺産保護実体験、清掃活動、世界遺産の3D動画での視聴体験などを行なうという。

 さらに、3D対応のデジタルカメラやビデオカメラを貸与して、3D画像で作品を仕上げるといった活動も行なう。

 また、小中学生を対象にビデオ制作を通じて、創造性やコミュニケーション能力を養うことを目的としたKWNおよびエコ絵日記コンテスト(Eco Picture Diary)には、今年度から世界遺産部門賞を新設。審査は、ユネスコ世界遺産センター関係者が行なうという。

今回の提携では次世代環境教育活動にも取り組む世界遺産と3D関連技術を組み合わせた教育活動も行なっていく

 「環境への関心を高めるとともに、これを持続性がある活動として将来につなげていくためには、次世代を担う子供たちへの環境教育が必要であり、これを全世界規模で展開していきたい。資金的な援助に留まるのではなく、実際の活動として環境活動を支援することに意味がある。今回のユネスコ世界遺産センターとの提携も、そうした観点からの実効性のあるものとなっている」(小林氏)と、一歩踏み込んだ環境活動へとつなげていく考えだ。

パナソニックセンター東京には3D撮影の体験コーナーがある同センターでは、電気自動車の充電スタンドの試作機なども展示されている先頃発表された、藤沢サスティナブル・スマートタウンについても紹介されていた





(大河原 克行)

2011年6月6日 00:00