パナソニック電工と出光興産、照明用有機ELの合弁会社設立

照明用有機ELパネル

 パナソニック電工と出光興産は、照明用有機ELパネル事業に携わる合弁会社「パナソニック出光OLED照明株式会社」を4月中旬に設立する。事業内容は、照明用有機ELパネルの製造及び販売とされる。

 資本金は15億円で、出資比率はパナソニック電工が51%、出光興産が49%。本社は、パナソニック電工本社内に置かれ、社長もパナソニック電工の鎌田策雄氏が就任する。

 両社は、2007年度より独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した委託・助成事業「有機発光機構を用いた高効率照明技術の開発」に共同で参加してきた。現在も、「次世代高効率・高品質照明の基盤技術開発」プロジェクトの「有機EL照明の高効率・高品質化に係る基盤技術開発」をテーマに、青山学院大学、山形大学、タツモ、長州産業、コニカミノルタテクノロジーセンターと委託先として参加している。

 有機ELは、有機材料を発光層に使用したデバイスで、直流低電圧で高輝度が得られることや、面発光が可能なこと、水銀などの環境汚染物質を使用しないなどの特徴がある。TVなどにも応用例があるが、次世代の照明器具としても注目を集めている。LEDが点光源として白熱電球の置き換えを目指しているのに対し、有機ELは蛍光灯に代わる光源として期待されている。今回のリリースによれば、有機ELは「実用化に向けた最終段階に差し掛かっています」としている。

 なお、3月8日から開催された「ライティングフェア2011」でも、有機EL照明器具の試作品が各社から展示された。

有機ELの発光原理有機ELの構成図。ガラスなどの基板に発光層と電極を形成して封止したものが「パネル」、それに制御/保護回路やフレームなどを取り付けたものが「モジュール」、それを筐体や建材に組み込んだものが「器具」または「照明器具」




(伊達 浩二)

2011年3月29日 17:33