2009年度の家電出荷額は対前年3.5%のマイナス

~2010年度は前年度並みも、空気清浄機の反動減が予想

 JEMA(日本電機工業会)は、家電製品と重電機器における2009年度の生産/出荷実績見込み、および2010年度の生産見通しを発表。2009年度の生活家電の国内出荷額は前年度比で3.5%の減少となり、2010年度は2009年度並みになると予測した。

 JEMAによると、これまでの生活家電の国内出荷は、基本的には買い換え需要により安定的に推移してきたという。しかし2009年度は、2008年秋のリーマン・ショックによる景気悪化を受け大きく伸び悩み、特に上期は前年同期比で6%減と、大幅なマイナスとなったという。

 この結果、2009年度の国内出荷実績見込みは1兆9,765億円と、前年度比で3.5%減のマイナスとなった。
生活家電分野における、2009年度の出荷実績見込み、および2010年度見通し

 部門別ではエアコンが、天候不順の影響により、エコポイント制度が実施されたものの、対前年度比10.5%の2ケタ減となる見込み。一方で冷蔵庫は、エコポイント制度により同5.5%と好調。また、空気清浄機は同93.8%と大幅な伸長を見せている。

 全体的には、ボーナスの減少など所得環境の悪化により、需要の伸びが見られなかったという。

 2010年の国内出荷見通しは、1兆9,767億円と、2009年度とほぼ同等となる見通し。JEMAでは「大きく伸長する商品は見当たらない」としながらも、エコポイント制度の2010年12月までの延長により、冷蔵庫・ルームエアコンの需要増が期待されるとしている。ただし、2009年度に大きく伸びた空気清浄機は、同12.8%の反動減が予想されるという。

 JEMAでは最後に、「省エネ家電の普及に加え、消費者の清潔・健康・快適生活志向にマッチした関連製品の需要拡大に期待」とコメントしている。

家電機器の国内出荷額推移

 なお、生活家電の2009年度の国内生産実績見込みは、1兆5,757億円と、前年度比で8.4%減の大幅なマイナス。出荷額と同様、冷蔵庫が好調、エアコンが不調となっているが、14カ月連続となる新築住宅の着工戸数減の影響により、換気扇、食器洗い乾燥機が対前年で2ケタ減となる見込み。




(正藤 慶一)

2010年3月19日 17:16