タニタ、Web連動の体組成計でオリンピック選手の体作りを支援




 タニタは、同社の業務用体組成計、および健康を支援するWebサービス「からだカルテ」を、6月からリュージュのオリンピック代表候補選手のコンディションづくりに活用していくと発表した。

 同社がサポートするのは、2010年2月12日からカナダで開催される冬期オリンピック「バンクーバーオリンピック」に出場予定の、リュージュ(1人または2人乗りのそり競技)の五輪強化指定選手4名。サポートは2008年12月から始まっており、2009年12月まで続けられる。

 サポート内容は、医療現場でも使われている業務用の体組成計「MC-190」を3カ月に1度の割合で使用し、部位別の体組成を計測するとともに、筋肉量の左右バランスなどをチェックするというもの。計測結果をもとに、問診により選手個々の生活習慣を確認する。

強化指定選手4名に対するサポート内容。2008年12月よりすでにスタートしており、2009年12月まで続けられる業務用の体組成計「MC-190」を使って、筋肉のバランスなどをチェックする。使用頻度は3カ月に1回だという

 さらに、選手たちが同社のWebサービス「からだカルテ」を使ったサポートも行なわれる。これは、体重をはじめとする体組成データ、血圧と脈拍、歩数と消費カロリーなどの毎日の測定データをWeb上にアップ。そのデータをタニタが毎月分析し、アドバイスとなるレポートを作成する。計測には、体組成計「BC501」、血圧計「BP300」、歩数計「FB723」、USBに接続してデータを転送する「リレーキー KY001」など、一般向けに発売されているネットワーク対応の機種を使用する。

 また、トレーニング内容や日々の生活記録もヒアリングし、エネルギーの摂取と消費に関しても情報を集めるという。

「からだカルテ」を用いる、ネットワーク対応の体組成計や血圧計、歩数計。データの転送の際は、右下の「リレーキー」をパソコンに差し込めば、自動的に転送されるからだカルテの機能概略

 会場では、五輪強化指定選手の小口貴久選手、原田窓香選手、今井勇貴選手の3人が登場。男子1人乗りの小口貴久選手は「これから本格的にウェイトトレーニングをはじめ、体を作りはじめる時期ですので、今回の細かい測定データを参考に、3カ月後の結果がどうなるか、試してみたいと思います」と、期待を語った。

 女子1人乗りの原田窓香選手は、昨シーズンのワールドカップで11位と、目標の1桁には残念ながら届かなかったが、「今年はスタート時のタイムの向上が目標で、そのための身体作りがテーマ。これまでは一人で体調を管理していましたが、そういった面でもサポートしていただけるのはすごく助かります」と、今回のサポートを歓迎した。

 男子1人乗りの今井勇貴選手は、2009年から2人乗りから1人乗りへと種目を変え、さらに3月には大学も卒業するなど、環境の変化が多く体調管理が難しかったという。しかし、「毎日血圧や脈拍を測って自分の体調がわかるので、競技にはもちろん、普段の生活にも役立てることができ、非常にうれしく思っています」と、からだカルテの効果をアピール。最後に「小口選手を負かせるくらいの成績を残したいと思っています」と、意気込みを語った。

 3人はMC-190で身体のデータを計測。その結果をもとに、今後の強化ポイントについてアドバイスを受けていた。

男子1人乗りの小口貴久選手女子1人乗りの原田窓香選手男子1人乗りの今井勇貴選手

小口選手がMC-190で計測中しているところ小口選手の測定結果。体脂肪率が低く基礎代謝量が高い、アスリートらしいデータだ
測定後、タニタのアドバイザーに問診を受ける小口選手MC-190は、測定結果をそのままレポートとして印刷することが可能



(正藤 慶一)

2009年6月5日 15:40