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“みずみずしいかまどごはん”を目指した12万円の高級炊飯器「KAMADO」

「本炭釜 KAMADO NJ-AW106」左からプレミアムホワイト、プレミアムブラウン

 三菱電機は、“みずみずしいかまどごはん”を再現するというIHジャー炊飯器「本炭釜 KAMADO NJ-AW106」を6月21日より発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は12万円前後(税抜)。

 内釜に純度99.9%の炭を採用した三菱電機の高級炊飯器「本炭釜」の新モデル。5.5合炊きで、本炭釜発売10周年の記念モデルとなる。

 KAMADOでは、“みずみずしいかまどごはん”を目指した。同社によると、米の含水率(みずみずしさ)と粒感(かたさ)というのは相反するもので、みずみずしさを求めると、ごはんが柔らかくなってしまい、粒感を求めるとみずみずしさが失われてしまうという。しかし、昔ながらのかまど炊きごはんは、みずみずしくも粒感のあるごはんが炊けるとし、メカニズムをイチから研究した。

本体上部
フタを開けたところ
操作部
2006年に三菱電機が発売した炊飯器「本炭釜」は、高価格帯の炊飯器のパイオニア的存在。KAMADOは本炭釜発売10周年記念モデルとなる
かまど炊きを改めて研究したところ「おいしい理由」があったという

 新モデルでは羽釜形状の内釜、断熱構造の強化、大火力の3つを実現した。

 まず、内釜については、従来と同様純度99.9%の炭を使いながらも、羽釜形状を新たに採用した。羽部分の上と下では、それぞれ役割が異なるという。上部分では、吹きこぼれの勢いを抑制するため、低めの温度を維持し、空間を広く設けることが理想で、下部分は米の旨味を引き出すため、100℃を維持したっぷりとした容積が必要になる。

 新モデルの内釜では、最大炊飯量を炊いた場合でも、ごはんの炊きあがりの高さが羽の下になるように設計し、内釜下部の周囲に空間を設けて10mmの断熱材を追加、熱を逃さない独自の断熱構造を採用する。羽釜形状の内釜の相乗効果で火力は従来比、約28%向上した。

 これらの変更により、従来の炊飯器では困難だった粒感がありながら、中はみずみずしい“かまどごはん”を再現したという。

新モデルで採用した羽釜形状の内釜
従来機種同様、削りだし工法を採用。完成までに約100日を要する非常に手間がかかる工法だという
内釜の上部空間は吹きこぼれの勢いを抑制するためのスペースだという
下部分は大火力を維持するのが重要
それぞれの役割を果たすために、最大炊飯量で炊いた時でも羽根部分を超えない設計を採用
羽部分で熱を漏らさない熱密封リング採用する
断熱構造の強化などにより火力は従来比で約28%向上したという
KAMADOで炊き上げたごはん。粒感がしっかりあるが固さは感じず、ふっくらと炊きあがっていた

 本体メニューでは、全国23銘柄の特性を吟味し、それぞれにあった味に仕上げる「銘柄芳潤炊き」を搭載。そのほか、香ばしさを引き出す「おこげモード」、美容に役立つビタミンB1の残存量を増やす「美容玄米」、発芽米をやわらかく仕上げる「芳潤炊き(発芽米)」なども用意する。

 本体のデザインは「おいしさを伝えるデザイン」として、手のひらで握ったおにぎりや熟れた果実のような「実りの形」を採用。内釜下部に空間を設けた断熱構造から見ても、この形状は合理的だったという。

 操作パネルには、バックライト付きのフルドット液晶を採用。薄暗いキッチンでも読みやすく、操作しやすいという。

丸みのある「実りの形」を採用
操作パネルにはバックライト付きのフルドット液晶を採用

 本体サイズは、285×320×249mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約5.7kg。消費電力は1,350W。本体カラーはプレミアムホワイトと、プレミアムブラウンの2色。

阿部 夏子