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【CES2014 番外編】米国量販店ではeneloopロゴが今も健在!?
(2014/1/21 11:49)
2013年4月26日に発売となった第4世代のeneloopは、電池本体の中央部に大きく描かれた「eneloop」の文字が小さくなり、代わって「Panasonic」のロゴが大きく描かれたデザインとなった。
それ以降、量販店店頭では「Panasonic」ロゴが描かれたeneloopが展示販売されている。
ロゴの変更が発表された際、eneloopユーザーたちは、慌てて旧来のeneloopロゴの製品を買いあさり、一部サイトや量販店では売り切れになるという状況にすら陥った。ブログやSNSでも、eneloopロゴの製品が消滅することを残念がる声が多数上がったのは記憶に新しい。
もはやeneloopロゴの製品は購入できないという状況になっているというわけだ。
米国の量販店でeneloopロゴの製品を発見!
だが、パナソニックの関係者に聞くと、実は今でもeneloopロゴの新製品が店頭に展示されており、普通にeneloopロゴの製品を購入できる場所があるという。しかも、それは現在も新製品として次々と製品が入荷し続けているというのである。
もったいぶる関係者にその場所を聞くと、それはなんと米国。
実は、米国の量販店では、今でもeneloopロゴのまま、eneloopが販売されているのだという。いや、米国以外でも、日本以外の地域では、eneloopロゴの製品ばかりが販売されているという。むしろ、Panasonicロゴのeneloopは、海外では一本も販売されていないというのだ。
この情報を聞いてから、ちょうど米国取材を行なうタイミングがあった。それが、1月に開催された2014 International CESであった。事の真偽を確かめるために、ラスベガス郊外の量販店に出向いてみた。
すると、確かにeneloopロゴが大きく表示された製品が、山積みになって販売されていたのだ。しかも、それはPanasonicブランドではなく、SANYOブランドで販売されていたのである。
この量販店で販売されていたのは、青と水色のカラーを施した単三形のeneloopが4本ずつの合計8本、緑と薄緑のカラーを施した単四形のeneloopがそれぞれ2本ずつの合計4本。そして、4本のeneloopを同時に充電できる充電器をセットにしているセット製品。充電器は、オートボルテージ充電器となっており、100~240Vの電圧に対応。日本でも使用することができる。
カラーは先に触れたように、スタンダードモデルである白地に青い文字という製品ではなく、ブルー、ライトブルー、グリーン、ライトブルーの4色。これは、2009年に同社が1億個出荷記念の限定カラーモデルとして発売した「eneloop tones」で採用した8色のうちの4色である。
パッケージは、日本で販売しているeneloopを象徴する再生ペットを使用した小型のパッケージではなく、厚紙と商品形状のプラスチックで梱包したプリスターパックになっている。しかも、かなり大きなものであり、ナップザックにようやく収まるサイズだ。
量販店店頭での視認性の高さを意識したパッケージであるという理由も考えられるが、米国では万引き防止のために、小型のパッケージよりも、大型のパッケージが店頭展示に重用されることが多い。eneloopの大型パッケージ化は、同様の理由によるものと推測される。
価格は24ドル99セント。日本円で約2,600円。ラスベガスの場合、これに税金が8%かかるので約2,800円といったところだ。日本に比べるとかなり割安だ。
ただし、ここで販売されているのは、繰り返し充電回数が1,800回という第3世代のものだ。
第4世代のeneloopは、約2,100回に充電回数が増えており、この製品はまだ海外輸出されていないというのがその理由。日本でのみ販売されている状況であり、第4世代のeneloopロゴの製品が海外市場に出回っているわけではない。この点は残念であった。
eneloopロゴで販売が続けられる理由
では、なぜ米国では今でもeneloopロゴが大きく描かれたeneloopが販売されているのだろうか。そして、グローバルなブランド統合に取り組んでいるパナソニックが、なぜ依然としてSANYOブランドのままでeneloopを販売しているのだろうか。
もちろん、eneloopロゴを大きく表示した第3世代の製品を継続的に販売しているということが最大の理由にはなるだろうが、それでもブランド統一に強い意志で取り組んでいるパナソニックの方針に則れば、ロゴを変更をしてもおかしくはないといえる。
ブリスターパッケージを見ると、この製品の製造元は、Panasonic Energy Corporation of Americaの社名となっているが、充電池そのものの生産はMade in Japanとなっており、日本向けと同じく、やはりFDKで生産されていることがわかる。つまり、Panasonic Energy Corporation of Americaが量販店の要望にあわせて製品化し、FDKで生産し、これを量販店が販売しているということがわかる。
その際、量販店側から、SANYOブランドのまま製品化してほしいこと、eneloopロゴのまま製品化してほしいということが提案され、そのまま現在でもSANYOブランドのeneloopが販売されているという構図が推測される。米国は量販店の意思が強く反映される市場だけにこうしたことが起こってもおかしくはない。
では、今後はどうなるのだろうか。
具体的なことはわからないが、流通側が強い意思でeneloopのロゴ表示を要求し続ければ、この状況がしばらく継続される可能性は高いだろう。
問題は、第4世代への製品へと海外出荷分が切り替わるタイミングとなる。ここでも、量販店の意向が強く反映されるのは明らかだが、その結果、eneloopのロゴが大きく表示されるようだと、ちょっと状況が変わってくるかもしれない。
現在、eneloopは、全世界60カ国以上で販売され、日本向けの出荷本数よりも、海外出荷比率の方が高い状況になっている。勝手な妄想だが、グローバル基準にあわせるとすれば、eneloopロゴの復活というようなことが起こる可能性もゼロではない。
まずは、第4世代のeneloopが、海外ではどんなデザインで流通されることになるのか。その点を注目したい。