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台車と連結して走れる、宅配業者向けの電動アシスト自転車

配送業者向けの電動アシスト自転車「PAS GEAR CARGO」

 ヤマハ発動機は、配送業者向けの電動アシスト自転車「PAS GEAR CARGO(パス ギア カーゴ)」を11月1日より発売する。

 価格はオープンプライス。市場想定価格は法人向けのため非公表。

開発にはヤマト運輸が協力

 配送業務専用の電動アシスト自転車。都市部では、渋滞や駐車場の不足、環境への配慮といった点から、自転車や手押し台車を使う配送が増えているという。新製品は環境に配慮する一方で、業務を効率化し、従事者の負担を軽減するために開発された。開発期間は4年におよび、ヤマト運輸が実証に協力した。ヤマト運輸は、既にこの製品の導入を決めている。

リヤカーを連結させた状態のPAS GEAR CARGO
三輪の電動アシスト自転車にリヤカーを連結させて走行できる
都市部では環境への配慮や、免許がなくても運転できる点から、自転車や台車を使った配送が増えているという

 PAS GEAR CARGOは、三輪の電動アシスト自転車に、四輪のリヤカーを連結して走れる点が特徴。連結時はリヤカーの前輪が上がり、三輪と台車の後輪二輪を合わせた計五輪の低重心で走行する。

 リヤカーは取り外して、四輪の台車として独立して動かせる。小回りが効き、エレベーターへの積載も可能となっている。リヤカーの脱着は、連結部のハンドルを上げ下げして行なう。

リヤカーを外す時は、台車側面に付属の連結操作レバーをあげる
リヤカーを外した様子

 積載量はリアキャリア20kg、リヤカー100kg、フロントバスケット3kgの合計123kgとなる。法的な上限は、自転車単体で30kg、リヤカー牽引時で120kgと定められているが、PAS GEAR CARGOは、“リヤカーを牽引することを前提にした配送業務専用の三輪電動アシスト自転車”として設計されているため、上限を超える積載量が可能となった。国家公安委員の型式認定も受けている。

 同社では、自動車と違って免許がなくても運転でき、幅広い人々に使える点もメリットとしている。

三輪車とリアカーを連結させた状態における、各部の説明
リヤカーは連結すると前輪が上がる仕組み
リヤカー連結部の構造。レバーを握りながらハンドルを下げると、リヤカーが外れる。現在特許出願中という

使い方は従来の電動アシスト自転車と同じ

 電源や走行モード、操作ボタンなどの仕様は従来の電動アシスト自転車と変わらない。電源には容量8.7Ahのリチウムイオン電池を搭載する。充電時間は約4.5時間。

 走行モードは、パワフルなアシスト力の「強」、アシスト力と走行距離を両立させる「標準」、節電して走行距離を伸ばす「オートエコモードプラス」の3モードを用意する。走行距離は、三輪車のみの場合、「強」モードで25km、「標準」モードで30km、「オートエコモードプラス」で33km。台車の連結時は順に25km、22km、17km。

 操作ボタンには、バッテリー残量と車速、残り何kmアシスト走行が可能かを表示する「3ファンクションメーター」を採用する。

 連結時の車両サイズは1,035×2,815mm(全幅×全長)、重量は77kg。三輪車のタイヤサイズは前輪が26インチ、後輪が20インチ。

車両後方。リアカーの前輪が、三輪車の後輪の内側に入って浮いている状態
電源は8.7Ahのリチウムイオン電池。一般向けの電動アシスト自転車用と同じものを採用する
左ハンドルにアシスト機能の操作ボタン、右ハンドルにギアをそれぞれ搭載する。後方確認用のミラーも付いている
操作ボタンも一般向けの電動アシスト自転車用と同じものを採用している
車輪は取り回ししやすい
三輪車と台車は、連結レバーをおろすだけでしっかり結合するが、荷物が重い場合に向けて、連結用のワイヤーも用意されている

ファミリー、シニア、学生、業務用など、ラインナップ拡大を継続

ヤマハ発動機のSPV事業部 森本実 事業部長

 ヤマハ発動機が業務用の電動アシスト自転車を発売するのは、今回初となる。

 同社SPV事業部 森本実 事業部長は、「電動アシスト自転車の国内需要は現在約40万台で、景気に左右されずに拡大してきた。中期計画で掲げたシェア30%の目標は、2015年より前倒しで達成できる見込みだ。ファミリー、シニア、学生、業務用など様々なターゲットに向けて、今後も継続して攻めの姿勢を続けていく」と期待を込めた。

(小林 樹)