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日立、わさびの辛み成分で旨味や食感を守る大容量670Lの冷蔵庫

ドアにクリスタルミラーを採用した容量670Lの「R-M6700D」

 日立アプライアンスは、わさびの辛み成分で旨味や食感を守る冷蔵庫「真空チルド FS」シリーズを9月12日より順次発売する。ドアにクリスアルミラーを採用した容量670Lの「R-M6700D」、容量620Lの「R-M6200D」、容量565Lの「R-M5700D」の3機種で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に41万円前後、38万円前後、35万円前後。

 また、本体カラーをクリスタルブラウンとクリスタルシルバーの2色用意した容量670L「R-G6700D」、容量620L「R-G6200D」、容量565L「R-G5700D」も同時期に発売する。店頭予想価格は順に40万円前後、37万円前後、34万円前後。

 日立の高級冷蔵庫の新製品。日立の冷蔵庫は、庫内容量670Lの大容量、真空状態にすることで食材の鮮度と栄養素を維持する「真空チルド」ルーム、ドア画材に強化処理ガラスを採用した「クリスタルドア」デザインなどが特徴。新製品では、真空チルドルームをさらに進化させたほか、省エネ性能、使い勝手を強化した。

容量670Lの「R-G6700D」
冷蔵室
氷室(左)、小型冷凍室(右)
冷凍室
野菜室
食材の鮮度と栄養素を維持する「真空チルド」ルーム

わさびの辛み成分で旨味や食感を守る

 真空チルドルームとは、冷蔵室内に配置された高湿度のチルドルームで、室内を約0.8気圧の真空状態にすることで、食品の保存性を高める点が特徴。新製品では、さらに保存性を向上させるために、わさびや大根などに含まれる辛み成分「アリルイソチオシアネート」をゲル状態にして、少しづつ放出する「フレッシュカセット」を庫内に備える。わさびは昔から、食品の保存性に優れているとして注目されていたが、フレッシュカセットには、約1.9kgの天然さわびと同等の辛み成分を封入。庫内の減圧を利用して、少しずつ成分を放出する。

 これにより、食材の旨味や食感を守り、鮮度や栄養素の変化を抑えるという。なお、フレッシュカセットの成分は約10年間有効で、わさびのニオイ移りなどの心配はない。

冷蔵室内に配置された真空チルドルーム
開ける時はレバーを上にする。中は真空状態になっているので、開けると「プシュー」という音がする
真空チルドルーム内は約0.8気圧に維持されている
わさびなどに含まれる辛み成分「アリルイソチオシアネート」をゲル状態にして、少しづつ放出する「フレッシュカセット」を新たに搭載。手前のアルミ袋に中に成分がパックされている
フレッシュカセットの中にゲル状態の「アリルイソチオシアネート」をセットして使う
フレッシュカセットをセットした状態
辛み成分がタンパク質の劣化を抑制するという
半分にしたりんごを普通の冷蔵室で保存した場合(左)と、真空チルドで保存した場合(右)。真空チルドルームで保存したりんごの方が変色がない

 また、真空チルドルームでは以前より、野菜から出るエチレンガスや食材のニオイを分解し、炭酸ガスを発生させるLED光源と光触媒を搭載しているが、新製品では、LED光源の数を従来の2個から3個に増やした。これにより、肉や魚の酵素反応と野菜の呼吸作用を抑制する炭酸ガスの発生量が従来の3倍となり、より新鮮に保存できるとしている。

LED光源と光触媒による炭酸ガスを発生させ、肉や野菜を新鮮に保存する
新製品では、HLED光源の数を2個から3個に増やし、炭酸ガスの発生量が従来の約3倍に増えたという

2つのファンで省エネ性能、冷蔵性能が向上

 省エネ性能では、庫内に2つのファンを搭載した独自の「デュアルファン」構造を新たに採用した。従来から搭載していた冷却ファンに加え、冷蔵室奥に小型の上部ファンを搭載。庫内の冷気を効率よく循環させることで、庫内をすばやく冷却するほか、冷却の強運転時間を短縮し、消費電力量を抑える効果もあるという。

2つのファンを搭載して、冷却効率が向上した
庫内カットモデル。冷蔵室の上部に小型のファンを搭載した
庫内に搭載している2つのファン(写真手前)。冷蔵室に搭載したファン(左)は、庫内容量を確保するために小型のものを選んだ
ドアの開閉の時に入ってくる外気によって、庫内温度が上昇。冷蔵庫はそのたびに強運転が必要となる
冷蔵室庫内に小型のファンを搭載したことで、これまで冷気が届きにくかったドアポケットまで、冷気が届くという

 また、従来より搭載している「節電」設定も強化した。節電設定は、食品保存に影響のない範囲で冷却を弱める、庫内光を素早く減光する、ドアアラームを鳴らすなどして、消費電力を抑えるものだが、今回新たに、長期不在時に設定する「外出」設定を追加した。庫内をゆっくり冷やすことで、消費電力量を抑制するという。

強化ガラス棚採用で、一段に73本の350ml缶を収納

 使い勝手の面では、冷蔵室の最上段棚を強化ガラス棚に変更。従来の樹脂製の棚より面積が約12%拡大し、350ml缶73本を収納できる。

 また、野菜室と冷凍室の引き出しケースを軽い力で開けられる「電動引き出し」機能も従来より継承する。

 デザイン面では、従来同様クリスタルドアを採用。操作部は、タッチパネル式で、指先で触れた時だけ表示される。

操作部はタッチした時だけ表示される
操作部
強化ガラス棚採用で、350ml缶73本収納できる(右)

 容量670Lの「R-M6700D」の本体サイズは825×728×1,818mm(幅×奥行き×高さ)。角室の容量は冷蔵室が346L、冷凍室が204L、野菜室が120L。本体カラーはクリスタルミラー。

5ドアタイプにもクリスタルドアデザインのモデルを追加した。手前から容量415L「R-S4200D」、容量470L「R-S4700D」、容量501L「R-S5000D」、容量565L「R-G5700D」

 ラインナップとして、冷蔵室棚に強化ガラスを採用していない6ドアタイプの製品も用意する。容量517L「R-G5200D」と、容量475L「R-G4800D」で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は、順に32万円前後、31万円前後。

 また、冷蔵室のドアが1枚の5ドアタイプにも、クリスタルドアデザインのモデルを追加する。容量501L「R-S5000D」、容量470L「R-S4700D」、容量415L「R-S4200D」の3機種で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に28万円前後、27万円前後、26万円前後。

来年1月発売のプレミアムモデルも参考出展

2014年1月に発売予定の「R-X6700D」

 会場には、2014年1月に発売予定の「R-X6700D/X6200D」も展示されていた。同製品は、「一段上のプレミアム戦略」として、発売されるモデルで、機能やデザインが最上位となる。670Lと620Lの2機種が用意され、価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は現時点で未定。

 野菜室や冷凍室の引き出しの取っ手を側面に設けたフルフラットデザインを採用しており、本体カラーには、グラデーションカラーを採用。また、冷蔵室にも電動ドアを採用する。同モデルは、高いデザイン性が特徴となるが、これは、新築マンションや戸建て住宅に増加している高品質インテリアに対応したもの。同社によると、最近の室内インテリアは、なら材などを使用した明るい木質「ナチュラルライト」系と、くるみ材などを使用した「ナチュラルダーク」系の大きく2種類に分けることができるとし、「R-X6700D/X6200D」で採用している「グラデーションマグノリア」は、ナチュラルダーク系のインテリアに合わせたものだという。

 本体サイズなどは未定。

冷蔵室にも電動ドアを採用
冷凍室、野菜室も電動ドアとなる
本体カラーは高級感のある「グラデーションマグノリア」を採用する

阿部 夏子