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日立、引いてもゴミを吸い込む「スマートヘッド」搭載サイクロン式掃除機

~排気の捕集率は99.999%。小型タイプや紙パック式も展開

2段ブーストサイクロン CV-SY7000

 日立アプライアンスは、ゴミをヘッドの前からも後ろからも吸い込むサイクロン式掃除機「2段ブーストサイクロン CV-SY7000」を、7月20日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は80,000円前後。

引いた時に床に残りやすいゴミも吸い取る「スマートヘッド」を新採用

 同社の掃除機では最高級クラスに当たるサイクロン式掃除機。従来モデル「CV-SW7000」に引き続き、ヘッドとパイプを軽量化した「カーボンライト」、取り回しやすいよう、細型・軽量化したホース「スマートホース」を採用する。同社が従来モデルの購入者に対して調査を行なったところ、購入の決め手に「ヘッド・パイプ・ホースの使いやすさ」を挙げた人は全体の62%にのぼるという。

前年モデル「CV-SW7000」と同様「カーボンライト」「スマートホース」を採用する
カーボンライトは、パイプを薄型化するなど、持ちやすいように軽くしている
従来のホースよりも細くて軽い「スマートホース」
ヘッドを引いた時のゴミも取りやすい「スマートヘッド」を新たに搭載した(写真上)

 新製品は、ヘッドの使いやすさをさらに向上させ、ヘッドを引いた時に、その後ろ側にあるゴミも吸い込む「スマートヘッド」を搭載した点が最大の特徴となる。

 これまでの一般的な掃除機では、ヘッドを押した時はゴミを吸い取りやすいが、引いた時はヘッド後部にあるハケが固定しているため、ハケにゴミが押され、取れずに残ることがあったという。

 そこでCV-SY7000では、ヘッドのハケ部分を引いた時のみ回転する構造に変更。押した場合は従来と同様に固定するが、引いた際もハケが回転することで、ゴミを巻き込みながら吸い込むという。同社ではこの機構を「ダブル吸引機構」としており、素早く楽に掃除が行なえるとしている。他社製品でこのような機構を搭載した製品は、現在のところないとのこと。

写真右がスマートヘッド、左が従来のヘッド
裏側の比較
横から見たところの比較。写真左がスマートヘッド、右が従来のヘッド
写真の青い部分が、回転するハケ部分
前に押すときはハケが回転せず、後ろに引くときだけ回転する
スマートヘッド(左)と従来モデル(右)の、引いた時のゴミの残り具合の比較

 ヘッドの幅は従来モデルと同じく30cmだが、回転ブラシ用モーターをヘッド上方に移動することで、奥行きを従来の68mmから53mmにスリム化。重量は525gから495gへ30g減り、前進するための操作力は従来モデルより半分に低減しているという。

ヘッドの面積は、従来モデルより約14%小さくなった
従来モデルと同様、ヘッドを平たくする「ペタリンコ構造」、ヘッドがクルッと回ってスキマが掃除しやすい「クルッとヘッド」も利用可能

 吸塵機構には、従来モデルに引き続き、1段目でゴミをサイクロンの力で遠心分離し、2段目でゴミを捨てやすいように圧縮する「2段ブーストサイクロン」を採用。吸込仕事率は470Wで、運転音は“業界トップクラス”という52dBとなっている。さらに、高気密のモーターケースと高集塵のフィルターを組み合わせた、日立独自の「クリーン排気機構」を搭載することで、0.3~10μmの微細なチリやホコリの捕集率は、99.999%という高い数値を記録している。

集塵機構には、従来モデルと同様「2段ブーストサイクロン」を備える
カットモデル
内部機構。運転音は“業界トップクラス”という52dB
排気から出る塵埃の数の違い。写真は捕集率99%の従来モデル
捕集率99.999%の掃除機では、ほとんど塵埃は出ない
99%と99.999%の機種と部屋の空気との、塵埃の違い。99.999%の機種では、空気よりも塵埃が少ない排気が出ている

 本体サイズは405×268×313mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は4.8kg。運転音は約48~52dB。消費電力は約200~1,000W。付属品として、高い所が掃除できる「ワイド曲が~るロング吸口」、ヘッドを外すとブラシになる「クルッとブラシ」、本体が持ちやすい「サッとハンドル」を備える。本体カラーはルビーレッドとマグノリア。

 下位モデルとして、CV-SY7000からクリーン排気機構を省いた「CS-SY5000」も、同時に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は70,000円前後。本体カラーはレッド、シャンパン。

サイクロン式のコンパクトモデルも4機種用意

 サイクロン式掃除機のコンパクトタイプとして、本体サイズが358×230×275mm(同)の「2段ブーストサイクロン(小型ハイパワータイプ) CV-SY500/CV-SY300」も、8月24日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は順に70,000円前後、60,000円前後。

2段ブーストサイクロン(小型ハイパワータイプ) CV-SY500
本体はCV-SY7000よりもコンパクト

 CV-SV7000よりも本体サイズを抑えた、吸込仕事率400Wのサイクロン式掃除機。CV-SY7000と同様、2段ブーストサイクロン機構やスマートヘッド、カーボンライト、スマートホースを採用する。またCV-SY500では、捕集率99.999%のクリーン排気機構を備えている。CV-SY300の捕集率は約99.9%。

 CV-SV700/500の下位モデルとして、吸込仕事率が330Wの「CV-SY200/CV-SY100」も、8月24日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は順に50,000円前後、40,000円前後。CV-SY200にはスマートヘッドを採用する。

 同社によると、2012年度の掃除機市場のうち、サイクロン式の構成比は45%で、うち小
型モデルの構成比は35%という。

CV-SY500のカットモデル
モーターも小型になる。写真はCV-SY200のファンモーター
サイクロン式のラインナップ。全9モデルが用意される

 さらに、サイクロン式掃除機のエントリーモデル「ごみダッシュサイクロン CV-SY20/CV-SY9/CV-SY8」の3機種も、8月24日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は順に40,000円前後、30,000円前後、25,000円前後。このうちCV-SY20の吸込仕事率は、サイクロン式では“業界トップクラス”の650Wとなっている。

紙パック式でもスマートヘッドを採用

紙パック式3機種も用意される

 このほか紙パック式の新製品として、「かるパック CV-PY300/CV-PY30/CV-PY20」も、7月20日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は順に65,000円前後、55,000円前後、45,000円前後。

 最上位モデルのCV-PY300では、サイクロン式と同様にスマートヘッド、カーボンライト、スマートホースを採用。捕集率も99.999%となっている。運転音は、従来モデル「CV-PW300」から3dB低い56dBとなった。

スマートヘッドは“新発想で新構造”。もっと素早く、もっと楽に掃除できる

日立アプライアンス 金子友通 常務取締役 家電事業部長

 日立アプライアンスの金子友通 常務取締役 家電事業部長は、同社の掃除機について「日立は昔からユーザーの“もっと使いやすく”に応えてきた。2011年7月からは、カーボンライトとスマートホースを展開してきたが、結果、(カーボンライトとスマートホース搭載機種で)合わせて80万台の販売を達成した」と、使いやすさを重視した技術がユーザーに受け入れられていることを指摘。そして新機能であるスマートヘッドについては「新発想で新構造。もっと素早く、もっと楽にお掃除できる」とアピールした。

 なお、2013年度の掃除機市場の動向については、台数ベースで前年度比1%増の545万台と、ほぼ横ばいの微増になるという。

正藤 慶一