シャープ、加湿空気清浄機と連動してウイルスが活動しにくい環境を作るエアコン

~熱中症の危険時には自動で冷房をスタート

 シャープは、加湿空気清浄機と連動して、ウイルスが生存しにくい環境を作るエアコン「プラズマクラスターエアコン EXシリーズ」を、11月20日に発売する。6/8/10/14/18畳向けの5機種が用意され、価格はオープンプライス。店頭予想価格は順に12/13/14/16/18万円前後。


熱中症、ウイルス生存の危険を感知して自動運転。加湿空気清浄機と連動

プラズマクラスターエアコン EXシリーズ

 同社のエアコンでは最上位モデルに次ぐ中位クラスの製品。湿度センサーと温度センサーを搭載することで、室内の温度・湿度状況を見張り、それに応じた運転を行なう「みはり機能」が特徴となる。

 例えば、夏場に熱中症の危険性が高まる温度・湿度になると、カラーLEDと音で、ユーザーに危険を知らせる。また、やや高温・高湿の場合は送風運転が、それ以上に高温・高湿状態の場合は冷房運転が、それぞれ自動でスタートする。

 乾燥が気になる冬場も、ウイルスが生存しやすい温度と湿度を検知し、光と音でユーザーに知らせる。

温度と湿度を見張り、ランプと音で危険を知らせる。また、自動で冷房運転をはじめることもできる室内環境を見張るランプは、室内機の隅についている室内環境を知らせるみはりランプ。「Sensor」マークの内側には、各種センサーが内蔵されている
特に問題がない場合は、緑色のランプが付く危険性がやや高い場合は、オレンジ色のランプが点灯する危険度が高い場合は、赤いランプが点灯する

 冬場の暖房運転では、同社の加湿空気清浄機「KI-BX85」と連動運転する。エアコンの暖房をONにすると、自動でKI-BX85の加湿空気清浄運転もスタート。暖房と加湿の相乗効果で、ウイルスが生存しやすい低温・乾燥状態になるのを防ぐという。エアコンとKI-BX85間の通信には赤外線を利用する。

加湿空気清浄機「KI-BX85」との連動機能も備える暖房運転を開始すると、自動的に加湿もスタートする

 自動運転モードとしては、室温と外気温に応じた運転モードと温度設定で自動運転する「おすすめエコ自動運転」も搭載。エアコン室内機の日射センサーが日差しの強さを感知して、室内の暖めすぎや冷やし過ぎを抑える。また同じく室内機の照明センサーが部屋の明るさを感知し、就寝時んは自動でおやすみ運転に切り替える。これにより、通常の冷房運転よりも約40%の省エネ効果があるという。自動運転モードでは、加湿機との連動機能も利用できる。

 このほか、除菌・脱臭効果があるとされる、シャープ独自のイオン「高濃度プラズマクラスター25000」の放出機能も搭載。プラズマクラスター放出の単独運転もできる。また、そよ風のようなリズム風を送る「扇風機モード」も、新たに追加している。

 なお、シャープのエアコンの上位モデルに搭載されている、吹出口の大きなパネル「ロングパネル」は備えていない。

 14畳向けの「AY-C40EX」の室内機サイズは790×287×268mm(幅×奥行き×高さ)で、室外機サイズは730×250×540mm(同)。電源は単相100V。冷房能力は4kW、暖房能力は5kW。

本体に付属のリモコン。リモコン下部には、新機能「扇風機モード」のボタンも用意されている夏場などの熱中症の危険性が高まる温度と湿度の関係性。温度と湿度が黄色、赤色の場合、みはり機能が作動する。

エアコン連動に対応した加湿空気清浄機は、風量“業界No.1”、加湿量は800ml/時

加湿空気清浄機「KI-BX85」の内部構造

 EXシリーズと連動する「KI-BX85」は、適用床面積が加湿時で22畳まで、空気清浄単独運転で38畳までという大空間向けの加湿空気清浄機。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は95,000円前後。発売日は11月20日。

 エアコンと連動する以外の基本機能は、同社が10月中旬に発表した「KI-BX70」シリーズと同じ。室内環境がウイルスの生存しやすい乾燥・低温状態になると風量を上げる「乾燥・低温みはり」機能を備えており、プラズマクラスターイオンを遠くに届けたり、加湿量を増やす効果があるという。また、加湿運転を行なっていない場合は、自動で加湿運転に切り替える。

 また、1分間の最大風量は“業界No.1”という8.5立方m/分で、8畳の空間を約8分で清浄できるという。同社では、“プラズマクラスター史上最高峰の高い空気浄化性能”としている。1時間当たりの最大加湿量は800mlで、広い部屋もしっかり加湿できるという。

 本体サイズは420×338×707mm(同)で、重量は14kg。消費電力は最小で5.3W、最大で84W。運転音は最小21dB、最大53dB。水タンク容量は約4L。プラズマクラスターイオンの濃度は1立方cm当たり25,000個で、プラズマクラスターの適用床面積は22畳。

 なお、シャープの空気清浄機で、エアコンと連動する機種は、KI-BX85のみとなる。来年以降はバリエーションを増やすことも検討しているという。

室内環境がウイルスの生存しやすい乾燥・低温状態になると風量を上げる「乾燥・低温みはり」機能を備える1分間の最大風量は“業界No.1”という8.5立方m/分。加湿量も1時間で800ml/hとハイパワー
このほか、フィルターのお手入れ時期を知らせるセンサーや、キャスターも備えているシャープの空気清浄機は、実際の部屋に近い環境での浮遊・付着ウイルスに対する効果を実証しているという

東日本大震災をきっかけに、安全・安心への意識が高まっている

健康・環境システム事業本部 副本部長兼空調システム事業部 沖津雅浩事業部長

 シャープの健康・環境システム事業本部 副本部長兼空調システム事業部の沖津雅浩事業部長は、本製品を開発した理由に、消費者の意識の変化があるとした。

 「消費者の意識は、東日本大震災をきっかけに大きく変わった。『省エネ意識』と『安全・安心』というキーワードに意識が高まっている。空気環境のコントロールをすることで、当社はこれまで省エネと快適性を目指して商品づくりをしてきたが、本製品では安全・安心を加えた。家族が安心・安全に過ごせる、快適さを創造するエアコンになった」(沖津事業部長)

 沖津事業部長はまた「今後も家電機器との連携を充実し、安全で快適な空間作りを目指していきたい」と話し、さらなる家電間の機器連携に意欲を示した。

消費者意識として、「省エネ」「安心・安全」への関心が高まっているというエアコンと加湿空気清浄機を連動することで、空気環境の基準となる「温度」「湿度」「気流」「空気の汚れ」の4要素がコントロールできるという





(正藤 慶一)

2012年10月24日 17:11