ビックカメラ、5日オープンの新宿東口新店を公開
ビックカメラ 新宿東口新店 新宿通りに面して地上出入口がある |
ビックカメラは、7月5日10時に新宿東口にオープンする「ビックカメラ新宿東口新店」の報道陣向け内覧会を開催した。
ビックカメラ新宿東口新店は、同社直営としては34店舗目。新宿エリアでは、西口の商業施設「新宿西口ハルク」に入店する「ビックカメラ新宿西口店」と、東口駅前にある「ビックカメラ新宿東口駅前店」に次ぐ3番目の店舗となる。
売り場面積は15,000平方mで、これまで最大だった有楽町店の14,000平方mを上回り、ビックカメラとして最大規模となる。フロアは、地下3階~地上1階と、地上4階~8階。なお、1階の一部と2、3階にはユニクロが今秋出店する予定。
所在地は、東京都新宿3-29-1 MI新宿ビル本館。今年3月に閉店した新宿三越アルコットの跡地となる。地上では新宿通りに面し、対面に新宿伊勢丹、並びに新宿マルイ本店が位置する。地下では新宿地下街のA5出口に直結し、新宿駅および新宿三丁目駅に雨に濡れずアクセスできる。
■“試して、納得して、買う”というプロセスを重視した店作り
ビックカメラ新宿東口新店では、広いスペースを活かし、最新家電を実際に試せる「体感コーナー」を充実させた点が特徴。各フロアに「パウダールーム」や「高級オーディオ視聴室」などの体感コーナーを設けた。これにより、訪れた客が購入前にじっくり試して、比較しながら購入を検討できるという。同社では、「最新家電の情報発信基地」を目指すとしている。
また、近隣に百貨店や有名ブランド専門店が並ぶ立地から、女性客への対応を重視した。販売員のうち、約4割は女性で、既存店舗の約2倍の比率になるという。
さらに、省エネや節電志向の高まりから、館内の照明は全てLED化。この取り組みはビックカメラでは初としている。
ビックカメラ新宿東口新店松浦店長 |
ビックカメラが新宿東口店を閉店し、新たに大型店舗を構えた理由について、ビックカメラ新宿東口新店の松浦店長は「既存の東口店では展示スペースが狭く、携帯電話やスマートフォンなどに絞った品揃えで、客足を十分に取り込めてこなかった。新店では広いスペースを活かして、品揃えと体感コーナーを重視している。ぜひ、製品をゆっくり手にとって欲しい」と話す。
東口駅前にある、既存のビックカメラ新宿東口駅前店。新店との距離は徒歩3分ほど | 店頭はいつもと変わらない様子だが、新店の告知ポスターが大々的に貼られていた |
また、新宿西口店との差別化については、「西口店と東口新店は、同じ旗艦店という位置づけだが、商圏が違う。西口はビジネス街だが、東口は近隣にデパートや百貨店の多いファッションの街。品揃えや陳列にも女性目線を取り入れている」と話す。
量販店業界は、昨年の地デジ化以降後、低調な状況が続いている。しかし、「テレビだけでなく、スマートフォンやタブレット、白物家電など好調なジャンルもある。これらに力を入れて、“安さ、品揃え、接客サービス”を売りに、新宿エリアを盛り上げて行きたい」と抱負を語った。
新宿東口。新宿通り沿いの紀伊国屋書店前より、新宿三丁目方面を望む。向かって右側に新しいビックカメラの看板が見える | 3日午前の時点では、外観のロゴを取り付け作業中だった | 新宿地下街より、A5出口に直結。新宿駅および新宿三丁目駅から雨に濡れず入れる。エスカレーターで店内へ |
以下、上階から順に、写真を中心として店内の様子を紹介する。
■8階――ゲームおもちゃ・DVDブルーレイソフト・めがねコンタクト・補聴器・カプセル玩具
8階には、ゲームやおもちゃからメガネ、コンタクトまで幅広く並ぶ。特に目を引くのが空中を走らせるプラレールだ。実際に動いているところを見せる仕組みは、実際に社員達が話し合って決めたという。
このほか、ベビーカーやベビー用品も扱っている。
プラレールは売り場の中心で実際に動いていて、目を引く | プラレールの品揃えも豊富 | ゲームソフトが並ぶ |
コンタクトも扱う。メガネは最短30分で仕上がるという | 子供用メガネの品揃えが豊富。棚の高さも子供用に低く抑えられている | 高齢者を意識した落ち着いた雰囲気の「メガネ・補聴器相談カウンター」 |
ピアノコーナーも | 子供用ゲーム機も設置されている | カプセル玩具がズラッと並ぶ |
■7階――スポーツ・旅行用品・健康家電・男性美容・薬局
7階には、スポーツ関連用品が集まっている。力を入れているのが、実際にショットを試せる「ゴルフ試打室」と、実線感覚でパッティングできる「パターコーナー」。日時によって、プロの無料ワンポイントレッスンも受けられるという。
ゴルフ試打室 外観 | 大型スクリーンが用意されている | パターコーナー |
また時計売り場では、既存店舗ではブランド別に分けて陳列していたが、ここでは男女別に分け、女性向けの製品を専用棚で展示していた。
体重体組成計などの健康家電も揃う | マッサージチェアも10台ほど展示されていた | シェーバーなど男性美容機器が揃う |
時計売り場 | スーツケースなどの旅行用品も売られている |
このほか、処方箋に対応する「クオール薬局」と、ドラッグストアも併設されている。
クオール薬局。年中無休。10時から22時受付。処方箋に対応 | ドラッグストアも併設 |
■6階――家事家電・季節家電・照明器具・電話FAX・寝具
6階には、家事家電や空調機器などの季節家電、照明器具が中心に並ぶ。特に面白いのがロボット掃除機売り場。各社のロボット掃除機がたっぷりと広さを持たせた台の上をスイスイと行き交い、性能を見比べることができる。さらに、頭上の透明の板の上にロボット掃除機を走らせることで、普段見ることの出来ない、ロボット掃除機底部のブラシの動きが見れるというわけだ。
このほか、枕の素材や高さを選んでオーダーメイドできる「生毛工房」も入っている。
ルンバをはじめロボット掃除機が動き回る姿を実際に確認して、比較できるロボット掃除機売り場 | 透明な板の上にロボット掃除機を走らせることで、ロボット掃除機の本体底部に位置するブラシの動きを目で見て確認できる。たまに、ロボット掃除機同士が“ベイごま”のようにぶつかり合っている姿が面白かった | エアコンや扇風機が並ぶ |
照明売り場 | LEDシーリングライトの売り場も十分に確保。製品を低い位置に展示しているため、見比べやすかった | 照明器具の脇に電源タップが売られていた |
■5階――冷蔵庫・洗濯機・キッチン家電・太陽光オール電化・酒類
5階は冷蔵庫や洗濯機といった白物家電のほかに、太陽光発電システムも陳列されている。
酒類を扱うコーナーでは、奥に「ミニバー」を設置し、高級酒や旬の酒を有料でテイスティングできる。ワインは約2,000本の品揃えで、日本酒なども扱う。
また、調理家電で作ったものを試食できるカウンターも用意した。ここでは、ホームベーカリーで作ったパンなどを味わうことができ、実際に家電を体感するという購入前のプロセスを重視していることが見て取れた。
調理家電で作ったものを試食できるカウンター。ホームベーカリーなどを試せる | 酒類のテイスティングができるミニバー |
冷蔵庫は品数が豊富 | 洗濯機は売り場の中央にも展示 | ステッカーで家電をデコレーションすることも提案 |
太陽光発電システム | 「BIC DESIGN」というコーナーには、デザイン家電を集めた | 電源タップも、おしゃれなものが揃う |
■4階――テレビ・レコーダー・オーディオ機器
4階ではテレビとレコーダーのほか、オーディオ機器が販売されている。特に「高級オーディオ視聴室」は、ビックカメラの店舗の中で最もこだわったという完全防音視聴ルームで、今後はオーディオ評論家麻倉怜士氏によるオーディオ講座なども開催する予定という。
完全防音の「高級オーディオ視聴室」 | 高級ヘッドフォンも最大級の品揃えという | 着席してイヤフォンを視聴できる場所もある |
テレビは、80型クラスまで揃う | 録画用DVDやブルーレイが整然と並ぶ |
なお、1階の美容コーナーは、内装の準備中で公開されなかった。
■地下1階――スマートフォン・携帯電話
地下1階では、携帯電話やスマートフォンを取り扱う。また、docomo、au、SoftBank、WILLCOM、EMOBILE、WiMAXのカウンターを設置している。
特に力を入れているのは、25,000アイテムにおよぶスマートフォンアクセサリー。品揃えは日本最大級という。
docomo、au、SoftBank、WILLCOM、EMOBILE、WiMAXのカウンターを設置 |
ビックカメラ全店一の品揃え。スマートフォンアクセサリー | ビックカメラ新宿東口新店のインフォメーションセンターもこの階にある |
■地下2階――パソコン・タブレット端末・「ソフマップ」
地下2階には、パソコンと関連機器が揃う。特徴的なのは、中古デジタル家電の売り買いをするソフマップが入っていること。パソコン、デジタルカメラ、スマートフォン、ゲームソフトなどの中古製品を販売するほか、パソコンのトラブルを解決したり、設定する「デジタルサポートカウンター」、デジタル家電の買取を行なう「買取カウンター」も用意している。
店頭の様子。ASUSやlenovoなど海外メーカーのものも目立つ位置に置かれている | Mac Bookの売り場は黒を基調とし、Apple社らしい雰囲気を出している | 関連書籍も売り場近くに並べられている |
ソフト類も用意されている | 中古デジタル家電の売り買いをするソフマップが地下2階に入っている | パソコンのトラブルを解決したり、設定する「デジタルサポートカウンター」 |
■地下3階――カメラ・PCサプライ
地下3階では、カメラ機器を中心に扱う。売り場は、木のぬくもりを意識したデザインで、カメラバッグなど周辺機器もデザインの凝った物が多く用意されている。
同じ売り場では、アルバムやマスキングテープなど、撮った写真を飾って見せるためのツールもふんだんに用意されている。トイカメラの種類も豊富で、大人向けの玩具売り場のような雰囲気だ。
木枠の棚がふんだんに使われていて、ぬくもりのある売り場となっている | カメラバッグはデザインに凝ったものが多い | インスタントカメラも種類が豊富。近辺を訪れる観光客や、デジタルカメラが壊れた時の予備として購入していく人がいるという。「お客様のニーズがある限り、取り扱い続ける」と担当者は話す |
女性向けのフォトアルバムやマスキングテープなどのツールが豊富。文具店のようだ | 個性的なトイカメラ達が目を引く | 撮った写真を現像できるDPEコーナーもある |
三脚などカメラの周辺機器もしっかり用意されている | 自作パソコン用のパーツもこの階に用意されている。相談カウンターも設置されていた |
なおビックカメラでは、来夏に赤坂見附駅ビルのオープンを計画している。
※記事中の価格やポイント還元率は、当日の取材時点のものであり、これらの価格およびポイント還元率で販売されることを保証するものではありません。
(小林 樹)
2012年7月3日 15:44