東芝ら6社、愛知県田原市に“国内最大規模”のメガソーラーを建設

~発電能力は50MW。風力発電も併設し、全量を中部電力に販売

 三井化学、東芝ら6社は、愛知県田原市に“国内最大規模”のメガソーラー発電所、並びに風力発電所を建設する「たはらソーラー・ウインド共同事業」を、共同で実施すると発表した。2012年6月に着工し、2013年9月に工事が完了する予定。

メガソーラー発電所、および風力発電所の完成予想図

 同事業は、代表幹事を務める三井化学のほか、東芝、三井物産、東亞合成、東レ、三井造船の全6社が参加。愛知県田原市緑が浜の三井化学の所有地に、発電能力50MWの太陽光発電所、6MWの風力発電所を建設、運営していく。総事業費は約180億円。面積は東京ドーム約17個分に当たる約82万平方m。事業期間は18年間。

 年間の発電量は、太陽光・風力発電合計で約67,500MWh。これは田原市の総世帯の9割に当たる約19,000世帯の使用電力量に相当するという。発電した電力は、再生可能エネルギー推進特別措置法に基づき、全量が中部電力に販売される。年間CO2削減量は約32,000t。

建設地は地図の赤い丸の部分。愛知県田原市緑が浜の、三井化学の所有地に誕生する

 同事業では建設地について、日照時間、平均風速ともに国内最高水準で、太陽光・風力ともに高効率での発電が期待できる、非常に恵まれた立地としている。愛知県や田原市からも全面的な支援を受けているという。

 また、同事業の特徴としては、太陽光と風力発電に関する技術や事業運営などに対し、知見や実績を有する6社が共同で実践することにあるという。例えば東芝では、国内のメガソーラー発電プラントを累計で8件受注しており、三井化学は太陽電池の封止シートや接着剤、風力発電に呈した潤滑油添加剤などの製品を展開している。また東レでは、太陽電池のバックシート用フィルム「ルミラー」や、風力発電のブレードに使用する炭素繊維「トレカ」を開発している。

 さらに、同事業を長期運営することで、その過程で生じる様々なノウハウや課題を共有し、それぞれが協力して課題解決に取り組むことで、再生可能エネルギーの推進に寄与するとしている。

 同発電所に採用されるパワーコンディショナは、“業界トップ”の変換効率を謳う東芝製のもの。東芝はまた、発電所の基本設計を含むエンジニアリング全般、主要機器の納入、建設も一括で担当し、地震発生に伴う液状化現象など、自然災害対策も検討するという。太陽光発電パネルのメーカーについては、現在のところ未定。






(正藤 慶一)

2011年10月21日 15:18