パナソニック、LEDと有機EL照明で汐留ミュージアムの消費電力を50%削減

すべての照明が次世代照明となった「パナソニック電工 汐留ミュージアム」

 パナソニック電工は、東京本社内にある美術館「パナソニック電工 汐留ミュージアム」内の照明すべてを、LEDや有機EL照明といった省エネ効果の高い次世代照明に変えたと発表した。現在開催中の美術展「ルオーと風景 ―パリ、自然、詩情のヴィジョン―展」にて、同照明を使った展示を行なっている。

 同ミュージアムでは、既にLED照明器具28台を導入しているが、今回は新たにLED照明を356台を納入し、合計で384台とした。また有機EL照明の試作品を、展示ケースやペンダントライトなどに使用している。これらの光源の採用により、ミュージアム内の消費電力を、従来より約50%削減したという。


従来のハロゲン電球を、すべてLEDに置き換えた同ミュージアムの天井のようす

 導入したLEDライトは、同社が3月1日に発売した「美術館・博物館向け 個別調光機能内蔵LEDスポットライト」が170台。このほかにも、壁面を均一に明るくするための照明「ウールウォッシャ」や、天井全体を光らせる「光天井」などが導入されている。

 ウォールウォッシャは、今回の展示では色温度が3,100K~3,200Kの電球色を使用しているが、展覧会に合わせて調色できるという。

 「今までは、蛍光灯の白っぽい光とハロゲン電球の赤っぽい光を合わせて、いかにも“スポットライト当ててます”といった感じの照明だった。しかし今は、LEDは電球色と白色を調光・調色することで、展覧会ごとの好みに合わせて色が変えられる。落ち着いた雰囲気を作りたいのか、明るい空間を使いたいのかなど、環境全体の明るさ感を作りこみながら、みなさんが作品世界に入り込めるような照明を作ることができる」(パナソニック電工 照明デザイナー 藤原工氏)

  また「光天井」は、昼間は白色、夕方は電球色といったように、時間ごとに色温度が8パターンに変化する仕様となっている。

壁面を照らす照明「ウォールウォッシャ」も、LED化されたウォールウォッシャの光源部。白色と電球色とが交互に並んでいる
今回の展示の基本となる色。色温度は3,100K~3,200Kに統一しているとのこと電球色のみの場合白色のみとした場合。色温度は5,000K
同ミュージアムの照明デザインを務めた、パナソニック電工 照明デザイナー 藤原工氏藤原氏が持つパソコンを操作することで、すぐに光色や明るさが調節できる時間ごとに光の色を変えていく「色天井」を採用するコーナーもある

 LEDを採用することで、作品の色を鮮明に映し出す効果もある。従来のハロゲン電球のように赤みが強くなく、光色の変化も少ない安定した光が放てるため、豊かな色彩を自然に表現できるという。

 LEDはこのほか、紫外線や赤外線がほとんど含まれないため、展示物の色あせや熱によるひび割れ、剥離のおそれもないというメリットもある。

光源をLEDに変えることで、絵のマティエール(質感)が鮮明に出るようになったというハロゲン電球の場合、黄色やオレンジの色が前面に出るため、ほかの色が目立ちにくくなってしまうというLED照明で照らした、ルオーの絵のアップ写真。絵の具が重なっているのが分かる
藤原氏によれば、LEDにすることで、“地面に映る月明かり”といった細かい描写も分かりやすくなったというこちらは石版画での比較。ハロゲン電球の場合、白い紙が赤く出てしまっている

 有機ELについては、展示ケースの上に載せて、ケース内部を照らす照明として利用されている。藤原氏は展示ケースの照明に有機EL照明を使用したことについて「これまではケース上部からスポットライトを当てていたが、反射光で天井が照らされてしまうなどの問題点があった。しかし有機ELなら載せるだけで照り返りもなく、パネルに手を触れても熱くない」と話した。

 有機EL照明はこのほか、薄さを活かしたペンダントライトや、展示説明パネルのバックライトとしても使用されている。

有機EL照明は、展示ケース内の照明に使用されているペンダントライトとして使われたシーンもあったこちらでは絵画の説明パネルの照明として使われている
同ミュージアムでは現在、フランスの画家・ルオーの風景画の展示会が行なわれている

 現在開催されている「ルオーと風景」展は、フランスの画家であるジョルジュ・ルオーの風景画を中心とした展示会で、7月3日まで開催されている。開館時間は10時から18時までで、入館料は一般が500円。定休日は月曜。会場は東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック電工ビル4階。






(正藤 慶一)

2011年4月26日 00:00