パナソニック、“世界最高水準”変換効率17.9%の住宅用太陽光発電システム

 パナソニック電工は、モジュール変換効率17.9%の住宅用太陽光発電システム「HIT230シリーズ」を4月1日より発売する。希望小売価格は166,950円(1枚・工事費別)。

HIT230シリーズ設置イメージ

 パナソニックの住宅用太陽光発電システム「HITシリーズ」は、半導体の上下を不純物の少ない「アモルファスシリコン層」で挟み込むことにより、発電ロスを抑え、変換効率が高い点が特徴。

HIT太陽電池の仕組み。従来型の多結晶シリコン太陽電池(左)は、太陽電池の内部層に「欠陥領域」があり、発電ロスが多かった。HIT太陽電池では、アモルファスシリコン層で包み込んだ独自の構造で、欠陥領域が少なく、発電ロスを抑えられる

 新シリーズのHIT230では、発電ロスを抑えた「高品質セル」の採用により、モジュール変換効率17.9%、公称最大出力230Wを実現している。同社によると、これらの性能は世界最高水準の品質に当たるという。

 高品質セルでは、電流の流れる距離を短くし、抵抗ロスを低減するため、1枚のセルあたりのタブ(発電した電気を取り出す金属線)を3本とし、タブの間隔を短縮した。さらに、出力向上を目指し、タブを従来より細くして、受光面積を拡大している。

 セル表面には光の反射や乱射を防ぐ低反射ガラスを採用し、セル内部に従来より多くの太陽光を取り込めるようになったという。

 本体サイズは1,580×812×35mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は15kg。

1枚のセルあたりタブを3本にして、間隔を従来より狭くした低反射ガラス採用により、従来(左)より、多くの太陽光をセル内部に取り込めるようになった

 同社では、変換効率の高いHIT太陽光発電システムを選ぶことで、設置の際の省スペースにもつながり、重量も軽くできるため、屋根や建物への負担を減らすことができるとしている。同社が1月に発売した「多結晶154シリーズ」と比較した場合、3.69kWの発電量を得るのに必要なモジュールは24枚、1kW当たりの重量は約132kgなのに対して、HIT230シリーズでは枚数は16枚、1kW当たりの重量は約97kgと、約26%重量を軽減できるとしている。

モジュールの高性能化により、設置面積や重量が従来より大幅に抑えられるという

 また、毎日の発電量、売電/買電量、電気料金の概算などが確認できる「ワイヤレスエネルギーモニタ」も同時発売する。希望小売価格は70,350円。

 配線工事不要で、場所を選ばずに設置できるワイヤレスタイプのモニタ。住宅分電盤と接続している「ワイヤレス電力検出ユニット」から、約80mの距離までデータの受信ができるので、リビングや寝室など様々な場所で使用できるという。

 また、エコキュートでの使用湯量や、省エネ達成度なども表示できる。これらのデータは、SDカード経由でパソコンに接続することで、グラフ化してわかりやすく管理できる。

ワイヤレスエネルギーモニタモニタ画面イメージ




(阿部 夏子)

2011年2月25日 17:07