2010年度上期の家電出荷金額は前年同期比11.6%増と好調
社団法人日本電機工業会(JEMA)は、2010年度上期の家電国内出荷金額を発表。国内出荷金額は1兆1,863億円で、前年同期比で11.6%増と前年を2ケタ上回り、最近5年間の上期で一番出荷額の大きかった2008年度上期を上回る結果となった。
製品別では、主要品目全てにおいて前年同期比プラスとなった。エアコンは前年を大幅に上回り、台数で15.8%増の515万台、金額で21.3%増の4,234億円。台数ベースでは2半期連続の増加で、上期としてはデータの確認できる1972年度上期以来、過去最高となった。
冷蔵庫は、台数で8%、金額で8.9%と前年同期を上回った。特に、容量が「501L以上」の大型機種は、台数ベースでは46万台、前年比25.7増と、電気冷蔵庫全体に占める割合は前年度の15.1%から18.8%に伸長。大容量機種への付与ポイントが大きいエコポイント制度の後押しが見られた。
このほか、洗濯機(同11.0%増)、掃除機(同8.6%増)、炊飯器(同7.9%増)、電子レンジ(同7.0%増)、電気シェーバー(同8.3%増)、食器洗い乾燥機(同5.6%増)となった。
JEMAでは対前年を上回った理由として、昨夏が天候不順であったのに対し、今夏は各地で記録的な猛暑日が続き、ルームエアコンが大幅にプラスに転じたことと、来年3月まで再延長された家電エコポイント制度の後押しによって、消費者の対象製品に対する関心が高まり、対象製品以外の家電製品にも目が向けられたことの影響が大きいとみている。
また、2001年4月の家電リサイクル法施行直前に購入された家電製品の買い替え需要も含まれるとし、2008年秋のリーマンショック以降、低調な出荷傾向が続いた家電業界も、ここに来てようやく底を打ったとしている。
今後の見通しとしては、12月に家電エコポイント制度のポイント付与がほぼ半減するなどの変更があるため、11月までの駆け込み需要増と、12月以降の反動が予想される。
家電機器の国内出荷金額推移 | 2010年度上期の、白物家電における主要品目別の国内出荷台数、および金額 |
(小林 樹)
2010年11月5日 18:04