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パナソニック、“愛着”がもてる動きを目指した「たまご型パートナーロボット」
2017年1月10日 15:57
人とのコミュニケーション機能を搭載したたまご型ロボット
パナソニックは、米ネバダ州ラスベガスで開催したCES 2017において、「たまご型卓上パートナーロボット」を参考展示した。
パナソニックブースでは、Future Tech Lab.と呼ぶエリアを設置。研究開発中の案件やパートナー企業との協業による開発案件など、今後の事業化を目指す技術について公開していた。たまご型卓上パートナーロボットは、Future Tech Lab.で展示された7つの新技術のひとつとして、ヘッドマウントディスプレイや多言語音声翻訳システム、フレキシブルリチウムイオン電池、超小型ピン形リチウムイオン電池とともに展示された。
たまご型の「卓上パートナーロボット」は、パナソニック ノースアメリカが開発した人とのコミュニケーション機能を持ったロボットで、殻を開け閉めするようにしてプロジェクターを出し、テーブルの上に投射したり、壁に投射したりできる。
本体のサイズは290×350mm(直径×高さ)で、プロジェクター使用時は最大で485mmの高さになる。内蔵しているプロジェクターは、854×480ドット(WVGA+)の解像度を持ち、輝度は50ルーメン。
車輪を使って移動することも可能で、800万画素のCMOSカメラと、5個の赤外線センサーを活用して位置を計測。パルス幅変調制御によるDCモーターを4個搭載し、最大で時速3.5kmで動く。また、首部分もフィードバック制御によるサーボモーターを3台使用して動作させている。重さは、3.7kgとなっている。
たまご型ロボットには、容量が11.1V、6600mAhのリチウムイオンバッテリーを採用。約6時間連続稼働する。
OSには、UNIXを採用しており、プロセッサには1.2GHz 64/32-bit quad-core ARM Cortex-A53を搭載している。
愛着が生まれる声と動きを実現
パナソニックノースアメメリカでは、「パナソニックが開発および蓄積をした効率的な電池や電力の利用法を活用したほか、画像や映像を用いた表現方法、センサーやナビゲーションの活用方法などの独自技術やノウハウを活用したものであり、ネットワークを通じて、様々なサービスを提供することが可能」としている。現在は、英語のみのやりとりしかできないが、クラウドを通じた自然言語処理機能により、スムーズな対話が可能になっているという。今後、要望にあわせて、日本語をはじめとした各言語への対応も検討していくことになりそうだ。
本体の機能の中でとくに、こだわったのが動き方だという。
内蔵したプロジェクターを出すときには、たまごの殻を開け閉めする雰囲気を出したり、会話に応じて、たまごの殻を前後に振ったり、上下に動かしたりすることができる。これらの動きは、パナソニックのサーボ制御技術を活用。「まるで人間が操っているような器用な動きを目指したい」という。
たまご型卓上パートナーロボットは、子供のような声を発することで、自然なコミュニケーションを実現するとともに、ロボットに対する愛着が生まれるようにしている。また、ネットワーク機能の活用により、遠隔地とのコミュニケーションも可能になるという。
パナソニックでは、「たまご型卓上パートナーロボットは、対話型インターフェースを持ったコミュケーションロボットであり、動き方についても可愛い仕草をするようにした。動きやデザインにはかなり力を入れている。事業化については、事業部門が進めることになるが、直接個人に販売するというよりも、BtoBtoCの用途を想定している。子供向けの家庭内教育にも活用するといった用途提案も考えている」とした。
パナソニック ノースアメリカでは、たまご型卓上パートナーロボットに関して、すでに米国内外において、特許および意匠登録の出願をしているという。
また、今回のCES 2017への出展を通じて、たまご型卓上パートナーロボットに対する意見や提案を参考に、デザインや機能の高度化を図る考えだ。