長期レビュー

三洋電機「eneloop bike CY-SPL226」 第3回

~エネループバイクでサイクリングを楽しむ!
by スタパ齋藤

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)





三洋電機の電動ハイブリッド自転車「eneloop bike CY-SPL226」。同社のアシスト自転車としてはフラッグシップ機種となる。メーカー希望小売価格は15万7,290円
 三洋電機の「eneloop bike(エネループ バイク) CY-SPL226」長期レビュー第3回目。前回はアシスト走行による上り坂のラクさ加減についてレポートした。いや~この軽快な乗り心地、一度味わうとマジで病み付きっス。てなことで調子に乗り、今回はより長い距離をサイクリング感覚で走行してみたい。なお、第1回目のレポートはこちら、第2回目はこちら

 走ってみるのは、入間川サイクリングロードと呼ばれる河川沿いの道。起点から終点まで約23kmのサイクリングコースですな。でも、電動アシストとは言えママチャリ。いきなり23kmやその往復はちょっとヤリ過ぎ感がある。ので、その一部、往復で約15kmとなる区間を走ることにした。

入間川サイクリングロード。埼玉県は狭山市の豊水橋から川越市の入間大橋まで続く、入間川沿いのサイクリングコースだ総延長は約23km。今回は豊水橋から(狭山大橋の少し先にある)安比奈運動公園までを往復することに赤丸で示した地点を結ぶルートを往復するわけですな。往復の距離はだいたい15km

モードは「オート」「パワー」「エコ充電モード」の3種類。エコ充電モードにする場合はボタンを長押しする必要がある
 eneloop bike CY-SPL226には3種類のアシストモードがある。具体的には、アシスト走行と発電走行(補充電)を快適かつ効率良く自動切り替えしてくれるオートモード、上り坂基調のコースなどで力強いアシスト力が欲しいときに向くパワーモード、回生充電を積極的に使って走行距離を伸ばしたいときに向くエコ充電モードだ。

 それぞれのモードでバッテリー1本(満充電状態)を使って走れる距離は、オートモードが約45km、パワーモードが約36km、エコ充電モードが約55kmとなっている。これは、乗員および荷物を合計した重量を65kgとした場合の、目安の走行距離である。

 各モードには一長一短がある。パワーモードは確かにグイグイとアシストしてくれる感じだが、電池の消耗も激しい。エコ充電モードは長距離走れるものの、平地でも回生充電を積極的に行なうため、全体的にペダルが重い感じになる。拙者的独断と偏見で言えば、メリハリを効かせたバランスの良いアシスト走行および下り坂での回生充電を効率良く行なうオートモードがいちばん使える気がする。なので、今回のサイクリング気分走行もこのオートモードで試してみたい。

 前述のとおり往復で約15kmの距離を走るが、気になるのは電池の容量だ。バッテリーが満充電ならオートモードで約45km走れるハズ。だがソレは“乗員および荷物を合計した重量を65kgとした場合の目安”でしかない。拙者の場合は乗員ってゅーか拙者自体の体重が110kg少々ある。撮影機材等々の荷物を入れたら120kgくらいかニャ?

 恐らくは往復の途中でバッテリーが切れちゃうってコトはないと思う。んだが、往復でバッテリーがギリギリって感じなら、eneloop bike CY-SPL226でこれ以上の距離のサイクリングは(拙者の体重の場合は)ちょっと無理。約15kmのサイクリングというと、わりとホントに短い距離なんで、ちょっと物足りないかな~、みたいな。

 ともあれ出発!! 試してみなけりゃナンもわからん!! 頑張れeneloop bike CY-SPL226!! 110kgオーバーの巨体をしっかり運んでおくんニャさい!!

さあ出発!! 埼玉県狭山市の豊水橋からスタートする。アシストモードはオートモードにしている入間川サイクリングロードはこんな道。自転車3台の併走は無理って感じの狭めのサイクリングコースだ。サイクリングロードとは言っても、徒歩やジョギングの人にも解放されている河川沿いを走る道で、河川敷には運動場や公園などもある。よく整備されているのでピクニックなども楽しめる
緑に囲まれた道も。走行スピードは20km/h平均となるようにしてみた。ママチャリとしてはけっこー飛ばしている感じですな目的地の安比奈運動公園が見えてきた。入間川サイクリングロードのなかではもっともよく整備された公園だと言えよう安比奈運動公園到着までにかかった時間は約22分。約7.5kmの距離をスイッとひとっ走りというイメージだ

 走行時、サイクルコンピュータを使って平均時速が20km/hとなるようにしてみた。で、約22分後に目的地に到着。往路を走りきったのだが、その印象をザックリと言えば、至って楽しくサイクリングができるということ。

 拙者的感覚で正直に言えば、20km/hのスピードで巡航するサイクリングをママチャリでできるっつーのは、プチ凄いと思う。平均速度20km/hってコトは、途中の坂なんかでスピードを食われることを考えると、23~24km/hあたりの速度で走ってるときも多い。ママチャリでこの速度、かなりスピーディーっす。移り変わる風景を楽しみ、風を切って、爽快にサイクリングできるって感じだ。

 ただ、爽快ではあるんだが、ある一定以上の速度を出そうとするとシンドいですな。電動アシスト自転車がモーターで助力をするのは24km/hまで。それ以上の速度だとフツーの自転車として機能する=アシストはオフになるのだ。また、10km/hの速度を超えるあたりからアシスト力が徐々に減少する。ので、10km/h~24km/hの速度域で加速しようとすれば、ある程度脚力が必要になるっつーか要はソレナリに疲れるわけですな。

 eneloop bike CY-SPL226は、10km/h以下ならかなりラク、10km/h~24km/hまでは徐々に人間側の負担が増え、さらに24km/h以上は自力のみで走る自転車になる、と言えそうだ。そのあたりを帰路っていうか復路で試してみた。
復路、スピードを意識的に変えながら帰ってみましょう!! ゆっくり走ったり、速く走ったり、猛烈に速く走ったりして、どのくらい人間が疲れるかニャ? 的な往復した結果、バッテリー残量を示すインジケーターはこの状態に。バッテリーが50~75%残っている状態を示しているこんなルートを走行した。往路の平均速度は約20km/hで、走行時間は約22分。復路の平均時速は約17km/hで、走行時間は26分だった

 意識して走るとハッキリわかりますな、速度における足への負担。10km/h以下だと実にパワフルにアシストしてくれる。急加速楽勝。上り坂問題ナシ。足もほとんど疲れない感じだ。

 それ以上になると、徐々に足が疲れる印象に。15km/h~17km/hあたりを境に、足への負担が増え、足が疲れつつ呼吸も増えて心拍も上がる感じ。

 24km/h以上になると、わりと急に加速が難しくなる。平地で30km/hに達するのは(ギア比の関係もあって)タイヘン。24km/h以上だとアシストがオフになるので、eneloop bikeの25.3kgという総重量を徐々に実感。「あ~コレってやっぱ重い自転車なんだぁハァハァ」てな印象になる。

 ちなみに、走り出しから一気に加速して短時間で24km/hを出す、という走り方だとわりとラクである。こういうふうな急加速が可能なので、クルマも走る道路を走っているときなどは、危険回避を短時間で行なえるといった観点で、フツーのママチャリより安心感がある。

 あと、バッテリーですけど、オートモードの場合はある程度速く走ればけっこー保つみたいですな。体重の重い人とか荷物多量状態でゆっくり走ると、eneloop bike CY-SPL226がビシッとアシストする=電気を多く消費するので、電池の保ちが悪くなりがち。同じ条件でも、ある程度速く走ればアシスト力も少なくていいため、そのぶん節電になるということだろう。

 ともあれ、往復約15kmのサイクリングは軽快に楽しめた。走行後の時点でバッテリーは50~75%の残量があったので、拙者の体重でも30kmくらいのサイクリングができそう。体重50~60kgあたりの人ならそーとー長距離のサイクリングを楽しめるように思う。

 ……長距離のサイクリング? そうだ!! ソレだッ!! 最終回となる次回は、eneloop bike CY-SPL226で長距離かつ少々本格的なサイクリングに挑んでみたい!! eneloop bike CY-SPL226、どこまでヤッてくれるのか!? 大期待!! そして超不安~!! なぜ不安かと言うと、奥多摩湖への往復サイクリング&その詳細レポートを考えているからだッ!! 行けるのか奥多摩湖まで? 書けるのかレポート? みたいな。ともあれ引き続きご愛読よろしくお願いいたします~。


その1  / その2  /  その3 / その4


2010年6月18日 00:00