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長期レビュー

日立「ビッグドラムスリム BD-S7400」 後編

〜布団もシーツもふんわりきれいに。スチームアイロンも便利
by 神原サリー

 
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)



日立「ビッグドラムスリム BD-S7400」

 日立アプライアンスのドラム式洗濯乾燥機「ビックドラムスリム」のレビューをお届けしている。前編では、製品の基本機能と設置、さらに乾燥機能までを紹介した。後半は、日立のビッグドラムシリーズの特徴である、シワの少ない乾燥仕上がり「風アイロン」などを詳しく紹介していこう。

前編は→コチラ

毛布や布団の“大物”もそのまま洗える!

 まず、試してみたかったのが毛布や肌掛け布団、シーツなどベランダに干しても乾きにくい“大物”の洗濯。これまでは洗濯容量6kgの全自動洗濯機を使っていたので、一度に洗える容量も限られており、冬場や曇り空の日にはなかなか乾かなかった。そのため、車で近隣のコインランドリーに持ち込んで、まとめて洗濯・乾燥していたのだ。

 ビッグドラムスリムは洗濯9kg、乾燥6kgと容量的にもたっぷりしているのでその点は心強い。汚れ落ちや乾き具合、仕上がり感などを試すために、まずはそろそろ買い換えてもよいかなと思っていた肌掛け布団を洗濯してみた。

 取扱説明書によると、毛布類はそのまま丸めてドラム槽に入れるのではなく、適したたたみ方があるようだ。わかりやすく図解されていたので、その通りにたたみ、綿とポリエステルの混紡のシーツ、枕カバーと一緒に洗濯・乾燥の「毛布コース」を選んでスイッチオン。

 仕上がりまでの時間は190分程度。取り出してみると布団の端の折り重なった部分もしっかりと乾いている。汚れが気になっていた肌掛け布団の襟元もきれいに落ちていた。混紡素材のシーツや枕カバーはシワがほとんど気にならないほど仕上がり感もよく、大満足。これなら季節や天気に関係なく寝具類を洗濯することができる。

取扱説明書に図解されていたとおりに肌掛け布団を折り畳んだところ 肌掛け布団のほか、シーツと枕カバーも一緒に投入
洗乾の毛布コースを選んでスタートボタンをオン 冬場は外干ししてもなかなか乾きにくい肌掛け布団、シーツなどもすっきりきれいに

リネンのシーツもクシャクシャにならずに乾かせた!

リネンのシーツ、枕カバーも洗ってみることに

 “大物”もしっかりと洗え、乾燥機能もばっちりと分かり、次なるチャレンジはリネン(麻/亜麻)100%のベッド用ボックスシーツと枕カバー。こちらも“大物”の部類だが、麻の製品はシワになりやすく、これまで外干ししていた際にも干す前にかなりたたみつけておかないと、シワが目立ってしまい、乾いてからアイロンがけをすることもあった。

 “風アイロン”の力はいかほどのものなのか? 今度は重さも軽く、容量的に少ないこともあって「毛布コース」ではなく「標準コース」で洗濯〜乾燥をしてみた。

 終了のメロディが鳴ってドアを開けてみると、シーツがドラム槽にふんわりと広がっていて、思いのほかふんわりと乾いている。広げてみると細かなシワはあるものの、縮んではいない。手のひらでシワを伸ばすようにたたんだところ、シワはほとんど気にならないレベルだ。全体にふっくら感や生地の柔らかさが感じられる仕上がりになった。

 糊付けをしてピシッとアイロンをかけた“張り感”のあるシーツが好みの人には向かないかもしれないが、洗いこんだリネンの柔らかさを好む人には、とてもおすすめの仕上がりだ。

乾燥まで終了してドアを開けたところ。ふんわりと乾いている 乾いたリネンのシーツを広げてみたところ。シワになりやすい生地だが思ったよりもくしゃくしゃではない印象 手で伸ばしながらたたむとシワはほとんど気にならなくなった

スチームアイロン機能は外干しの後の仕上がり感アップにおすすめ

 ビッグドラムスリムには、洗濯、乾燥のほかにも付加機能として「スチームアイロン」というものがある。1〜2kg程度の綿製品やタオル類、カットソーなどにスチームを当て、風アイロンで仕上げることで、細かなシワを伸ばし、ふっくらと仕上る機能だ。

 洗濯後、ハンガーにかけて外干ししていた綿100%のデザインシャツと、同じく綿100%のワンピースタイプのエプロン。干す際にたたみつけたはずだが、細かなシワが気になってこのまま着るのは気が引ける。そこで、このスチームアイロン機能を試してみた。

 使い方は簡単、乾いた状態の衣類をドラム槽に入れてドアを閉め、「スチームアイロン」コースを選んでスイッチを入れるだけ。取扱説明書によれば、衣類が2枚程度なら15分コースを、それ以上(4枚までが目安)なら30分コースを選ぶとある。スイッチを入れるとまもなくスチームが槽内に充満し、やがて高速の風アイロンが吹き出しているのがわかる。

 あっという間に15分が経過し、取り出してみると思わず「おお!」と声が出てしまうほど、きれいにシワが伸びていた。外干しで繊維が寝てしまったタオルもふっくらすると書いてあったので試してみると、洗濯→乾燥を通しで行なった時よりは若干ふっくら感が劣るものの、手触りがふんわりしている。電気も時間も使うので、ちょっと贅沢かなとは思うが、人の手を煩わせずにシワが取れるのは嬉しい。便利に使える機能だと実感した。

綿100%の男性用のシャツとエプロン。洗濯後、たたみつけてから外干ししたが、細かいシワが気になる スチームアイロン15分コースをセレクト 15分後に取り出してみると、スチームと風アイロンの力で細かいシワがきちんと伸びていた

ドラム式洗濯乾燥機ならではのお手入れを忘れずに

洗濯機本体の上部にある乾燥フィルター。取っ手を持ち上に引き出すと取り出せる

 仕上がり感も満足、便利機能もあるビッグドラムスリムだが、忘れてならないのは日々のお手入れ。今回、初めて乾燥機能付きの洗濯機を導入してみてわかったのは、1回の乾燥で、槽内や乾燥フィルターにものすごく繊維がたまるのだということ。乾いた風を槽内にムダなく循環させるためには、乾燥終了後に必ず乾燥フィルターにたまった糸くずや綿状の繊維を取り除くことが大切だ。

 ビッグドラムスリムの場合、本体の上部にボックス形式の乾燥フィルターがついている。これを上に引き出し、フィルターにたまった繊維を付属のブラシでかき出して捨てればOKだ。フィルターの目が詰まってきたように感じたら、水洗いをするといいだろう。乾燥フィルターだけでなく、本体側についているフィルター部分にも繊維がたまってきたら、ブラシでかき出すか、掃除機で吸い取るようにしよう。

1回の洗濯→乾燥でもこれだけ繊維がたまっている 付属のブラシで乾燥フィルターにたまった繊維をかき出したところ。乾燥まで行ったら、毎回このお手入れを忘れないことが大切だ 乾燥フィルターを外した後の本体の内側にもこのように繊維くずがたまっているので、ブラシでかき出すか、掃除機で吸い取ってお手入れを

 そしてもう1つ、糸くずフィルターのお手入れもなるべくこまめにしたいもの。こちらは、本体の下側、排水ホースに近いところについている。洗濯時に出る糸くずだけでなく、乾燥時に出る繊維くずの一部もこちらに流れてくるのでたまる分量は多い。というのも、ビッグドラムスリムでは乾燥方式がヒーター式(ヒートリサイクル方式)なので、洗面所内に熱気がこもるのを防ぐために、水冷式を採用している。槽内の熱気を水で冷やして排水する際に、一緒に繊維なども混ざってしまうのだ。

 こうした理由から、排水口にも糸くずがたまりやすいので、1カ月に1度程度はチェックしておいた方が良いだろう。設置時の業者の話によると、こうした水冷式の洗濯乾燥機での不具合として修理依頼の多いものの1つが、「排水口に糸くずがたまり過ぎて、乾燥ができない」ということだという。「乾燥しようとするとエラーになる」ということで修理に行ってみると、糸くずフィルターや排水口に汚れがびっしり…・・・ということが多いそうなので気をつけたい。

本体下部の左側に糸くずフィルターの取り出し口がある 取り出し口の扉を開けたところ 黄色いつまみを回転させて糸くずフィルターを取り出してみると、糸くずがびっしり。洗濯時に発生した糸くずのほか、乾燥時に発生した糸くずや繊維も水冷除湿の際の水と一緒にここに集まる
糸くずフィルターの取り出し口の扉の下には、排水口のお手入れをうながす表示もある 水冷除湿の場合、排水口にも糸くずがたまりがち。乾燥効率を下げないためにもこまめにチェックしてお手入れすることが必要

乾燥までしっかり使えるファミリー向けのドラム洗

 購入後2カ月ほど経つが、天気のよい日には洗濯のみを行なって、衣類は外干し。タオル類だけはふっくら仕上げのために乾燥機能を使っている。もちろん、天気のよくない日や、帰宅後洗濯をするような場合はすべてを洗濯〜乾燥のお世話になっている。本体幅が60cmとコンパクトながら、ドラム槽はたっぷりの容量なので“大物”の洗濯・乾燥にも対応でき、風アイロンならではの仕上がり感に非常に満足している。

 そうした中でも、いくつか気づいた点を挙げてみると、使い始めの1カ月くらいは、乾燥後にかすかなゴム臭のようなニオイがしていて、衣類にも多少それがつくように思われた。槽内のリフターなどにゴムを使っているからだと思われるが、これも使っているうちに気にならなくなった。

 また、前編にも書いたように、風アイロン時には「キーン」というモーター音がどうしても発生する。これは「仕上がり感重視」という点で目をつむることにしているが、マンションの5階に住んでいるため振動はなるべく抑えたい。そのため、本体の下に薄い防振マットを敷いて使っている。この点については、住まいや設置場所によって工夫が必要になるかもしれない。

 このビッグドラムスリムには、すすぎの最後に洗濯槽の外側や本体の内側を自動でお掃除してくれる機能がついているため、黒カビ対策はとても心強い。ただし、より対策を完璧にするには、ドラム槽内を常に乾燥させた状態にしておくのがベストだ。洗濯だけして乾燥まで行なわなかった時は、ドアを完全に閉め切らないようにしておいた方がいいだろう。なお、本体には、このためのストッパー機能も搭載されている。

かさ上げブロックの下にさらに防振シートを重ねたら、だいぶ振動が気にならなくなった ドラム槽のドアの内側にあるドアストッパー。コインをストッパー中央の溝に差し込んで右に回すとこのように飛び出し、ドアがきっちり閉まらなくなる 通常はストッパーが奥に引っ込んだ状態になっている。洗濯乾燥後に槽内に湿気や熱気がこもっているときには、ストッパーを引き出して空気が入るようにしておくと黒カビ対策になる

 コンパクトタイプのドラム洗は他社からも出ているが、ビッグドラムスリムは、容量がたっぷりしているので、家族向けとしても十分使える。花粉が気になる季節。外干しできないという人にもぜひ使ってみてもらいたい。



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2012年3月16日 00:00