長期レビュー
GW直前企画! 春キャンプを楽しもう 最終回
最終回となる今回はキャンプ必需品の「懐中電灯」などを集めてみた。昼間はご覧のようなキャンプ場でも、日没を少し過ぎると真っ暗になる。
外灯が完備されているキャンプ場はごく稀(笑) | 陽が落ちると辺りは真っ暗に…… |
自然の雰囲気を大切にしているためか、外灯を設置しているキャンプ場は少なく、トイレに続く遊歩道すら真っ暗というところがほとんど。だから照明機器はキャンプに必須なのだ。
キャンプ場で見る夜空は、こんなにも星が多い。星座を見つけるのも一苦労というぐらい、辺り真っ暗闇なのだ |
本格的にキャンプをするなら、ガスまたはガソリン式の「ランタン」を1つ用意したい。こちらはメインとなる明りなので、最低でも100W以上の明るさが欲しいところだ。
次に用意したいのは、キャンプの外に設置するタープの中を照らすランタン。ガス式や乾電池式のもので、明るさは100W以下でも問題なし。
また、テントの中に設置するための、乾電池式小型ランタンを必ず用意しよう。こちらはいわば常夜灯代わり。夜中にトイレに起きたときや、外で使う懐中電灯を探すのに便利だ。
そして必須なのは、1人1本の懐中電灯。1本の懐中電灯をみんなで使う手もあるが、筆者の経験上、必ずどこかに行ってしまう。そこで夜になったら、マイ懐中電灯を首から下げておくことを強くお勧めする。特にテントの周りは、地面を照らしながら歩かないと、何本も打った固定用のロープに、足を引っ掛けて転倒してしまうのだ。
ということで、今回はキャンプ用の照明をフィーチャーしてお送りしよう。+αとして、ヘビーキャンパーでも欲しくなる超便利アイテムをご紹介!
■夜の作業が多いときに超便利なヘッドライト
今回のロケで大活躍したのは、探検隊のように頭に付けるヘッドライト。なにしろロケ初日は、鎌倉の鶴岡八幡宮のご神木が倒れてしまったアノ嵐の日だったのだ。夜から風が強くなり出したので、テントやタープが飛ばないようにロープで補強作業。懐中電灯だと片手がふさがってしまい作業効率が悪いが、ヘッドライトを使ったため、あっという間にロープを張り終えた。
パナソニックの「φ7.5mmスタンダード白色LED採用 LEDヘッドランプ BF-AH01」。カラーバリエーションに赤、白、黒がある |
今回利用したのは、パナソニックの「φ7.5mmスタンダード白色LED採用 LEDヘッドランプ BF-AH01」。生活防水されているので、多少の雨天の中でも利用できるだけでなく、大型LEDで明るさも申し分ない。
メーカー | パナソニック |
製品名 | φ7.5mmスタンダード白色LED採用 LEDヘッドランプ BF-AH01 |
希望小売価格 | オープンプライス |
本体サイズ | 60×50×65mm (幅×奥行き×高さ) |
重量 | 約110g |
明るさ | 約200ルクス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 1,980円 |
ベルトはゴム式になっているので、小さな子供の頭からヘルメットをかぶった大人でも装着が可能。電池はベルトの固定具を利用してフタを開け、単四電池3本の4.5V駆動となっている。
装着してもまったく違和感がない | ベルトの止め具が電池ボックスのオープナーになっている点が便利 | 電池は単四電池×3本の4.5V。重さもほとんど感じず、ズリ落ちなどもなかった |
ライトを点灯するには、ランプ部分をカチッ! と引き出すだけでOK。消灯するには、元に戻せばいい。写真で分かるようにロック機構の右側にあるゴムで覆われた部分がスイッチになっている。また誤操作でONしてしまわないように、2段階のロック機構を備えている。
消灯時のポジション | 点灯時のポジション | ロック状態のポジション |
照射する角度も自由に変えられ、ほぼ真正面から180度以上回すことができる。これはアウトドアだけでなく、自作PCの中を除いたり、機械の修理などでも便利に使えそうだ。奥さんは子供の耳掃除用に重宝していた。
耳掃除にはこの角度が最適 | 手元を照らすには90度回転 | 利用シーンは不明だが、ここまで回転可能 |
実際に頭に付けた状態は写真のようになり、手元の20~30cmが明るく照らせる。
装着したところ。子供たちは探検隊だー! と面白がる | 手元がこのように明るく浮き上がる | 周りを明るくするとこんな感じになっている |
次の写真は、対象物までの距離を1~4mまで変え、照射範囲と明るさを調べたものだ。
前方1m。照射範囲は19cmで明るさは13ルクス | 前方2m。照射範囲は32cmで明るさは7ルクス |
前方3m。照射範囲は72cmで明るさは5.5ルクス | 前方4m。照射範囲は110cmで明るさは5ルクス |
映画館の休憩時間の明るさが約10ルクスなので、ヘッドライトをつけていれば、充分活字が読める明るさだ。前方4mになると1mの範囲が照らし出せ、映画の上映中(ほぼ1~2ルクス)より少し明るいという感じだ。爆発シーンなどで、客席が明るくみえる瞬間ぐらいだろう。
もし人数分ヘッドライトを確保できれば、ランタンなしでキャンプできるかもしれないというほど便利な照明だ。っつーか、今回は編集部から借りたものを使ったが、後日速攻で購入した(笑)
■トイレに行くには強力な懐中電灯が必須のアウトドア!
ストロボの閃光すら闇に飲み込まれるのがキャンプ場の夜 |
キャンプ場で懐中電灯のありがたさを覚えるのは、夜中トイレに行くとき。他のサイトがランタンを燈して談笑している間は、暗いながらもトイレに続く道がなんとか見えるが、夜11時を回ると辺りは真っ暗。とくに新月の前後何日間かは闇に包まれる。
写真は10mほど先で突き当たりになっているが、ストロボすら届かない。先に紹介したヘッドライトは、おもに手元を照らすもので、遠くを照らすのには不向きだ。そこでぜひ懐中電灯も用意したい。今回利用したのは、パナソニックの「LED懐中電灯 BF-158BF」だ。
パナソニックの「LED懐中電灯 BF-158B |
メーカー | パナソニック |
製品名 | LED懐中電灯 BF-158BF |
希望小売価格 | オープンプライス |
本体サイズ | 70×195mm(直径×高さ) |
重量 | 420g |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 960円 |
このモデルは乾電池別売だが、パナソニックのアルカリ乾電池「エボルタ」が付いたモデルもある。使用するのは単一電池2本。シンプルな構造だけに、耐久性も良さそうだ。
ライト部の周りはゴムになっていて多少手荒に扱っても大丈夫 | LEDモジュール。直径5mmの高輝度LEDが1灯付いている | カラビナ(登山用の金具)をつけて腰に下げてもカッコイイかも? |
LEDのモジュールはコイン程度の大きさで、5mmの高輝度LEDが1つ実装されている。便利に使えそうなのは、お尻に付いている格納式のリングだ。キャンプなどではここに紐を通しておけば、首からぶら下げておけるので紛失する心配もない。
照射範囲と明るさは、次の写真を参考にして欲しい。なおレンズで拡散しているため何重かの輪ができているが、照明範囲は中央の明るい部分とした。
前方1m。照射範囲は15cmで明るさは130ルクス | 前方2m。照射範囲は33cmで明るさは54ルクス |
前方3m。照射範囲は59cmで明るさは29ルクス | 前方4m。照射範囲は80cmで明るさは20ルクス |
5mmのLED1灯とは思えないほどの明るさで、4m先でも映画館の休憩時間並みの明るさで照らし出すことができる。雨天続きで4m以上の計測はできながったが、5~6m先でも十分な視野を確保できるだろう。
次のグラフは、先のヘッドライトと懐中電灯、次に紹介するミニランタンのの実験結果をまとめたものだ。実線は明るさを示し左側のルクスの値、点線は左側の照射範囲の値を参照して欲しい。
LEDプチランタンは照射範囲が広いため、点線の照射範囲の実験を行っていない |
■テントの中の常夜灯として最適な超小型ランタン
パナソニックの「LEDプチランタン BF-AL10P」 |
テントの中で使う照明器具は、ガスやガソリンが使えないので、乾電池駆動のランタンしか選択肢はない。明るさはそれほど必要なく、夜中に起きたとき隣で寝ている人を蹴り飛ばしたりしないように、また懐中電灯がドコにあるのかが分かる程度でいい。
豆電球式のミニランタンなら8時間点灯すると考えると、単一電池を使うのものがベストだろう。しかし単一電池は重く、テントの天井に吊るしておくとかなり危険だ。筆者には、S字フックで吊るしておいたランタンが顔面を直撃した経験がある。
そこでお勧めしたいのが、ボタン電池を使った「LEDプチランタン BF-AL10P」だ。こちらもパナソニックの製品だ。
メーカー | パナソニック |
製品名 | LEDプチランタン BF-AL10P |
希望小売価格 | オープンプライス |
本体サイズ | 約40×20mm(直径×高さ) |
重量 | 30g |
電池寿命 | 約15時間 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 2,190円 |
特徴的なのは、LED2灯式なので照射範囲が非常に広い点。周囲をぼんやり照らすことができ、テントの常夜灯以外にも、夜空を見上げながら1杯やるときのテーブルライトとして、また自分の居場所を知らせるマーカーとしても役に立つ。
金具を引き出すとスタンドになり、テーブルの上に置ける | クリップを使えばポケットやテントに挟み込める | 金具にフックを通せば、テントに吊り下げることも可能 |
暗くないと寝られない人は、テントの天井に反射させるといい |
電池寿命も15時間あるので、一晩点灯しておいても2泊できるロングライフ設計だ。ただ、常夜灯としては明るすぎるので、直接テント内を照らすのではなく、テントの天井に反射させて使う方がいいだろう。
クリップは取り外しでき、それ自体が電池ボックスのオープナーになる。使用する電池は、3VのCR2032が2個で電池交換も簡単だ。電池の値が張るのが難点だが、電池を含んだ重量が30gほどしかなく、天井から落下したときの安全性を買っていると思えばいいだろう。
クリップを外すと電池ボックスのオープナーになる | 黒い方が底面、白い方が照明側になっている | 電池はこのように差し込むだけ。超コンパクトだ |
スイッチは中央にあるボタンを押すごとに、ON・OFFが切り替わるようになっているので操作性も簡単だ。
スイッチを押すごとにON・OFFが切り替わる |
照射範囲はかなり広くぼんやりしているので測定不能。ここでは距離と明るさの測定のみを行った。
前方1m。明るさは7ルクスで、色は白ではなく、電球色に近い | 前方2m。明るさは5ルクス。ぼんやり部屋全体が見える |
4mではかなり暗く写真では暗闇と区別が付きにくいので、照明を落とした状態も掲載しておこう。
前方3m。明るさは変わらずの5ルクス | 前方4m。写真ではだいぶ暗く見えるが、測定器は5ルクスを示していた | 照明なしの状態。真っ暗闇…… |
6人用のテントだと高さも部屋もほぼ2m程度なので、このミニランタンでテント内部全体を照らせる。豆電球式のランタンを吊るし「落ちてこないか?」と不安を抱えながら眠るより、落ちても安心なこのランタンをぜひお勧めしたい。
■夏冬のテントライフを快適に過ごすテント用サーキュレータ
コールマンの「テントクーリングファン」 |
最後にとっておきの便利グッズを紹介したい。それがコールマンの「テントクーリングファン」だ。要はテントの天井に取り付ける扇風機なのだが、夏や冬キャンプを経験したことがある人にとっては、絶対欲しくなるアイテムだ。
メーカー | コールマン |
製品名 | テントクーリングファン |
希望小売価格 | 3,045円 |
本体サイズ | 130×60×140mm (幅×奥行き×高さ) |
重量 | 350g |
電池寿命 | 約12時間 |
夏のキャンプは暑い! テントの中に5人も寝ていると、外気に体温も合わさって朝6時になると暑くて目が覚めてしまうほどだ。ほぼサウナ状態……最近のテントは、天井が開くよう(ベンチレータ)になっていて換気できるようになっているが、それでも暑い。
逆に冬のキャンプは、テントの天井付近は体温で暖められた空気で暖かいが、足元は地面からの冷気でヒエヒエ。
テントの天井はチャックで開けられるようになっている | 天井にクーリングファンをつけると快適なテントライフ |
そんなとき、テントの天井にクーリングファンを吊るしておくと快適だ。夏は天井を開けてファンを回せば涼しい外気をテント内に送り込め、冬は天井を閉めて空気を循環させテント内の温度を一定にできる。
駆動は単一電池1本で、ファンの底についている巨大な磁石を外すと現れる電池ボックスにセットする。
底面には巨大な磁石が付いている | こうして底面の磁石を外すと…… | 単一電池1本をセットできるようになっている |
テントへの取り付けは、本体についている磁石と付属品の鉄板で、テントの生地を挟み込んで固定する。写真では3mmのアクリル板を使っているが、それでも十分に固定可能だ。
磁石があまりにも強力なので、取り外すときは、このように回転させてからじゃないと外せない | 3mmのアクリル板に固定し回転させても、しっかり固定されている | スイッチは本体横にあるボタンでON・OFFできる |
電源のON・OFFは、側面にあるスイッチで操作する。動作音は非常に静かで寝ていて気になることはない。風の強さは一般的な扇風機の微風という感じだ。
近くに鉄板などがあれば、それに固定して屋外の扇風機として使ってもいいだろう。ミニランタンとクーリングファンを手元に置いて、ビール片手に夜空を眺めるのに最高のアイテムになる!
というわけで、今回まで3回にわたって、春キャンプとそれにまつわるグッズを紹介してきたが、いかがだったろうか。今年の春は寒い日が続き、どうも外に出かける気にならないという人も多かっただろう。それも、今週辺りからはようやく暖かくなってきた。家族や仲間との行楽のお供に、参考にしていただければ幸いだ。
2010年4月21日 00:00
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)