長期レビュー
パナソニック「食器洗い乾燥機 NP-TS1」
パナソニック「食器洗い乾燥機 NP-TS1」 |
今回から3週にわたってパナソニックの食器洗い乾燥機「NP-TS1」を取り上げる。あるアンケートでは「買って良かった家電製品No.1」にも選ばれているこの家電製品。毎日必ずやらなければならない食器洗いから解放されるというのは、やはり大きな魅力のようだ。
夫婦共働きで生活する我が家にとって、食器洗いはしばしばケンカの要因にもなる家事の1つ。食後はゆっくりしたい私と、食べたらすぐに食卓を片付けたい旦那。やらせておけばいいとは思うのだが、性格上、そばでガチャガチャやられるとどうも自分が責められているような気になり、イライラが溜まってしまう。結婚前から幾度となく繰り返された言い争いの果て、結婚したら絶対に買おう! と決めていたのが食器洗い乾燥機だった。
普及率からいうと、まだまだ一般的ではない家電製品でもある食器洗い乾燥機。今回は、機種選びから実際に設置するまでの段取りをレポートする。
■置けない――から置ける場所に引っ越しました
くだらないケンカに疲れ果てて、すぐにでも購入したい気持ちで一杯だったが、いざ買おうとしてみるとなかなかすぐには導入できない理由があった。というのも、食器洗い乾燥機は買ってきてすぐに設置、使い始めるというタイプの製品ではない。今回購入したNP-TS1にしても、本体サイズは、550×344×592mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は20kgにも及ぶ“大型家電”だ。6人分の食器を一度に洗って乾燥までするという機能だけを考えてもわかるが、導入にはまず、置き場所を確保するのが第一の準備となる。
設置に最小限、必要なスペースは、550×344mm(幅×奥行き)。キッチンのシンク横に置いて使うということを考えると、どのキッチンにも対応するという製品ではない。かくいう私も、以前暮らしていた家では設置スペースが確保できず、一度は導入を断念した。ちょうど引っ越しを考えていた時期だったので、新居探しの際には日当たりの良いことにプラスして食洗機が置けるキッチンがあるというのを絶対条件とした。
実際、設置にはどれくらいのスペースが必要かというのを気にする人は多いようで、ヨドバシカメラなどの大型家電量販店などには、設置面積の原寸大が記されたパンフレットが置いてある。私自身、そのパンフレットを手にしながらいくつかの物件を廻って決めた。また、パナソニックでは専用の置き台なども用意している。本体とは別途料金が掛かるものの、ステンレス製の置き台で造りもしっかりしたものだ。我が家の場合はちょうど引っ越し時期と重なったため、“キッチンごと交換”できたが、どうしても設置スペースが捻出できない場合、このような置き台を利用するのも一つの方法だろう。
設置予定のスペース。引っ越しの際にあらかじめ設置場所を計測していた | 幅や奥行きだけでなく高さも要確認だ |
設置場所を確保したら、次に決めるのは購入機種。が、コレに関してはずいぶん前から決めていた製品があったので迷うことは無かった。というのも、食器洗い乾燥機は、まだまだ市場が小さく、扱っているメーカーもそれほど多くない。ここ一年で大きなモデルチェンジをしている製品となると一気に選択肢が狭くなる。
そんな中で、今回選んだパナソニックの「NP-TS1」は、昨年夏に大きなモデルチェンジをしたばかりの製品。パナソニックは今回のような設置型の食器洗い乾燥機だけでなくビルトインタイプの食器洗い乾燥機も多く扱っており、食器洗い乾燥機の市場で大きなシェアを占めているメーカーでもある。希望小売価格はオープンプライス。購入価格は、場所にもよるが、5月現在、ヨドバシ.comでの購入価格は66,800円(ポイント還元13%)。ちなみに昨年末に比べると、2万円近く安くなっている。
■購入→設置には下見、見積もり、設置の三段階
冒頭でも述べたように、食器洗い乾燥機は、購入してすぐに設置、使い始めるというタイプの製品ではない。実際、大型家電量販店などでは、無料の見積もりサービスなどを実地しているところが多い。この見積もりサービスでは、自宅に専門の業者が訪問し、設置予定場所や水道の位置を確認する。製品購入、搬入日の決定はこの見積もりの後に行なうのが一般的なようだ。
水栓は色々な種類があるため、自宅のものを直接見てもらうと安心だ |
食器洗い乾燥機を使つ際には庫内に水を送り込むのだが、食器洗い乾燥機を使用中でも、通常の蛇口を使えるようにするため、食器洗い乾燥機用、普段の蛇口用と二口に分かれた水栓に付け替える必要がある。
というわけで、店頭で製品を購入する場合、店頭に足を運ぶ日、見積もり訪問を受ける日、設置工事の日と少なくとも3ステップを踏む必要がある。もちろんインターネットで製品を購入する場合は、最初の手間は省けるが、庫内のレイアウトやサイズ感はメーカーによって多少異なるので、やはり実際に見て購入するのがお勧めだ。
見積もりでは、業者が設置スペースや、水栓の種類をしっかりと確認してくれる。事前に自分で確認していたとはいえ、専門の業者が見てくれるのはやはり安心だ。ちなみに水栓設置には本体とは別に費用がかかる。見積もり時に水栓の価格が確定し、次回工事日に支払いをするシステムだ。今回の水栓取り替え費用は12,850円。
専門の業者さんが自宅に来て、設置スペースを入念にチェックしてくれる | 奥行きが足りない場合などには、専用のステンレスボードも用意されている。その場合の打ち合わせもこの見積もり時に行なわれる | 食器洗い乾燥機本体に接続する水栓の種類もこの見積もりの時に確認。ちなみに水栓の購入費用は本体とは別途かかる |
■工事には3人の業者さんが――
見積もりが終わったら、次はいよいよ製品の搬入、設置だ。
工事当日には3人の業者さんが訪れた。その人数の多さにびっくりしてしまったが聞いてみると通常は1人もしくは2人で行なう作業だという。この日はどうやら若葉マークの人がいたらしく、1人はその監督要員だった。
段取りとしては、1人が梱包を解いて、本体裏のコードやパイプをセット、その間にキッチンで水栓の工事をし、その後に本体設置と試運転を行ない、問題なかったら終了という流れだ。搬入から設置終了までにかかる時間は約30分ほどだ。
3人の大人が次々と作業を進めていくので取り付けまではあっという間だった。はっきり言って私は何もする必要がない。梱包の際に出たゴミも持ち帰ってくれるし、サービス面ではとても満足のいくものだった。
廊下では1人の方が梱包をほどいて設置準備の用意を…… | パイプなどの細かい設定も全てやってくれ、購入者は何もしなくてもいい | キッチンでは我が家の水栓を一度外して新しい水栓に付け替える作業が進められている |
本体裏のパイプ。給水用と排水用の2種類のパイプが設けられている | 分岐水栓を取り付けたところ | 本体に接続するパイプを取り付ける |
が、実は我が家の場合、ここでちょっとしたアクシデントが起きて工事完了まで50分ほど掛かってしまった。というのも、実は取り付け後の試用運転の際にブレーカーが落ちてしまったのだ。NP-TS1の消費電力は最大で約1,180Wだが、取り付けした時期はまだ寒くリビングではセラミックファンヒーターが稼働していた。セラミックファンヒーターの消費電力はだいたい1,500W前後あり、同時に稼働したことで、リビングの設定電力をオーバーしてしまったようだ。
職人さんに聞いてもこれはよくある話だという。設置場所のみならず、電源確保の場所も事前に確認する必要があるだろう。我が家の場合、冬場はコンセントの場所が近いリビングでなく、わざわざコードを回して、キッチンから電源をとるようにした。これは設置時期が春・秋など冷暖房器具を使用しない時期だと気づかない盲点なので、設置の際は気を付けたい。
あっという間に本体が据え付けられた。本体は20kgあるので、これを自分でやらなくて済むのはかなりありがたい | 本体の前面からは排水用のパイプが出ている | 本体を設置したところ。本体のカラーはシルバーとマホガニーレッドの2種類用意されている。今回は、赤みの濃いマホガニーレッドを選択した |
ちょっとしたアクシデントはあったにせよ、なんとか本体設置までこぎ着けた食器洗い乾燥機。次回は実際に使用して、最新の食器洗い乾燥機の機能を細かく見ていきたい。
2009年5月12日 00:00
「長期レビュー」は1つの製品についてじっくりと使用し、1カ月にわたってお届けする記事です。(編集部)