特別企画
アウトランダーPHEVはオレの秘密基地!!
(2014/9/26 07:00)
iPhone2,200台ぶんの車載バッテリーから
壁コンセントと同じ電気が取れるアウトランダーPHEVで遊ぶ!
ぶっちゃけ、電気自動車(ハイブリッドカー含む)は、車輪がついてる大容量モバイルバッテリーだ。しかも、内蔵電池はモバイルバッテリーと同じリチウムイオン電池(ごく一部の車はニッケル水素電池)を使っている。違っているのはUSBコネクターが付いていないのと、超大容量ってぐらいだ。
アウトランダーPHEVのバッテリー容量は12kWhで、モバイルバッテリーと同じmAh表記にすると約3,243,000mAh(12,000Wh÷3.7V×1,000)だ。大容量すぎてさっぱりイメージできないので、iPhone(5.45Wh)に換算するとだいたい2,200台分のバッテリーになる。だから何? って言われても困るが……。Youtubeを見まくっても5、6年は電池切れの心配がないぐらいの容量だ。
さて、プラグインハイブリッドやピュアな電気自動車は、V2H(ビークルトゥホーム)対応の充放電器に接続できれば、車のバッテリーを家庭用の非常電源として使える。だけどこの充電器、値段が高い上に、配電盤の工事なども必要でかなり大掛かり。1、2万円で買えるDC/ACコンバータでもシガーソケットから100Vを取り出せるが、供給できる電力は桁が違う。
でも、アウトランダーPHEVなら車に付いているコンセントに家電をつなぐだけでOK! しかも、取り出せる電力は、1,500Wと壁コンセントほぼ1個相当で大電力! 高額な機器や工事もいらないし、DC/ACコンバータでテレビを見るのがやっと……なんてこともない。
しかも、電池残量がゼロになったらエンジンがかかって充電できる。うまく電力をやりくりすれば、ガソリン満タンで10日ぐらいの非常電源になる。素晴らしいっ!
さらに、アウトランダーPHEVのコンセントは、電気の質が家庭用の壁コンセントとほぼ同じ。これ重要! 安価なDC/ACコンバータだと、家庭用コンセントとは似ても似つかない擬似100Vだ。
これでも半数以上の家電が動くのだが、中には動きがおかしいもの、異音を発するもの、まったく動かないものなどもある。擬似100VのDC/ACコンバータで使えない機器は、だいたいこんなものになる。
・扇風機:モーターから異音
・冷蔵庫:コンプレッサ用のモーターから異音
・電子レンジ:出力不足
・デスクトップパソコン:電源が入らない
・LED電球:ものによって点灯しない
これは一例なので、他にもあるし、中にはすんなり動くものもある。ただ一般的には、DC/ACコンバータの擬似100Vは、モーター系の家電がうまく動かないことが多いと言われている。
逆に言えば、アウトランダーPHEVのコンセントは、家庭用の壁コンセント1個分とほぼ同じで、合計の消費電力さえ1,500W以内であれば、どんな家電も使える汎用高性能ポータブル電源ということだ。しかも、エンジンをかければ発電も可能で、たとえ大規模な停電が発生してもガソリンがなくならない限りは、電力に困ることなく暮らせる。
ということで、アウトランダーPHEVでサバイバルしてみた。
扇風機はもちろん、IH炊飯器でメシが炊け
電子レンジで魚が焼けるオレの秘密基地に10日間篭城OK!
まだまだ暑いこの季節、アウトランダーPHEVで独りぼっち旅をしても扇風機で涼が取れるかを試してみた。「エアコン使え」とか「うちわでイイだろ!」的なご意見は無用です。
さて、結果は当たり前のように、問題なく使えた。DC/ACコンバータではよくある、モーターからのうなり音はまったくない。風量も弱/中/強に切り替えても問題なかった。アウトランダーPHEVなら、夏に車中泊しても涼しく過ごせることを約束しよう。サバイバルレベル1はクリアできた。
次に試したのは、車内では絶対使うことはないIH炊飯器。絶対使うことがないからこそ使って見たいというものだ。「押すな!」って書いてあるボタンを押したくなるのと同じ。
消費電力は1,070W。アウトランダーPHEVは最大1,500WまでOKなので、IH炊飯器でも余裕を持って使えるはずだが、炊飯時間は1時間ぐらいかかる。しかもバッテリーは、河原に来るまでに半分まで減ってしまったので心配だ。
今回は、1合の無洗米を炊いてみた。結果は大成功! ウチで炊いたご飯と変わらない。否っ! 空気が美味しいぶん、ご飯も美味い感じがする。心配された大電力を長時間使ってもなんら問題なく、バッテリー残量もわずかに減った程度で、たとえ家族5人でご飯を炊いても問題ない。サバイバルレベル2もパスできた。
美味いご飯を食っていると、当然おかずが欲しくなる。そこで今度は、電子レンジを使ってご飯のお供を作ってみることにした。
スペック的には問題なく動くハズだけど、キャンピングカーでもない車内で電子レンジを使うなんて言語道断! しかも、ウチのオーブンレンジは高いやつなんで壊れたら……(アウトランダーPHEVを信用してないとは言っていない)、いやいや、重くて積み込みが大変なので、一人暮らしの編集Nの部屋から無理やり強奪してきた、単機能の電子レンジを使った。
温めは、500/600/700Wの切り替えができて、消費電力は1,310W。アウトランダーPHEVの出力は最大1,500Wまでなので、結構ギリギリだが大丈夫なのか?
普通なら、コンビニ弁当でも温めるところだが、今回のロケはアウトランダーPHEVでサバイバルがテーマ。「チンしてこんがり魚焼きパック」で焼き魚をしてみた。この魚焼きパックは、筆者の友人が「これはスゴイ」と絶賛していたのだ。
説明書にしたがって、シャケの切り身を焼き魚パックに乗せ、パックを閉じ、600Wのレンジで6分加熱する。加熱中は庫内を照らすランプがフワッと暗くなるときがあるが、異音や動作不良、異臭はまったくない。4分ぐらいすると、車内が超香ばしい焼き鮭の匂いでいっぱいになった。
6分後にできた焼きシャケは、超美味かった! 高い旅館の朝ごはんに出てくるシャケみたいで、ほんのり付いた焦げ目が香ばしく、中はふわふわの仕上がり。これ、炭火コンロで焼くより美味い!
キャンプの際は、炭火コンロなどのグリルが必ずあるので、焼き物を電子レンジでやろうという発想がないはずだ。しかし、想定外のことをするのがサバイバル! レベル3ぐらいも合格だ。
サバイバルに最低限必要なのは衣食住。衣類は着ているものでなんとかなり、必要であれば、今回は実験していないが洗濯機も使える(要アース)。
食は、IH炊飯器でご飯が炊け、電子レンジで調理できることも分かった。
車内は雨風を防げ、シートをフルフラットにすれば寝床もでき、扇風機も使えるので熱さに悩まされることもない。冬はコタツを持ち込めば、暖も取れるだろう。
なにせロケ当日は、ときおり猛烈な雨が降るほどの天候だったが、風向きを考えて橋の下に車を止めれば、テントがなくても十分に生活できるスペースが作れる。
このようにアウトランダーPHEVは、有事の際の非常電源としてだけでなく、数日間衣食住ができる場所としても使える。
もちろん、遊びのキャンプやアウトドアスポーツ用、そして奥さんから家を追い出されたときの避難所などとしても、強い味方になってくれることを宣言する! アウトランダーPHEV、頼れるぜ!
キャンプに冷蔵庫持ち込みという革命!
アウトランダーPHEVなら、本格的に車の中で生活できることが分かった。そうなると、揃えておきたくなるのが冷蔵庫だ。暑い日に冷たい飲み物でノドを潤すだけでなく、釣った魚や生鮮食料品を入れておいたり、氷やアイスまで楽しめる。
非常時でなくても、車載冷蔵庫はキャンプに革命をもたらすだろう。なぜならクーラーボックスは、冷蔵こそできるが冷凍ができず、かつキャンプ地で氷を買うと値段が高いからだ。
車載用の冷蔵庫は売っているが、家庭用の大型冷蔵庫が買えるほど高く、かと言ってDC/ACコンバータで小型冷蔵庫を使おうとすると、コンプレッサーのモーターから異音がして使えないものが多いかった。
だがアウトランダーPHEVのAC100Vは、家庭用の壁コンセントと同じ波形で、最大の消費電力さえオーバーしなけれければどんな家電も動かせる。だから、クーラーボックスの変わりに小型の冷蔵庫を持っていける。
電源の取れるキャンプ場に炊飯器を持ち込んだ経験は豊富だが、冷蔵庫を持っていったことはない。この10年間にそんなキャンパーは見たことがない。冷蔵庫持ち込みはキャンプ革命だ。
しかし、一般家庭用の冷蔵庫はその構造上、激しく揺れる走行中の車内で使うのはよくない。そこで便利なのが運転席の手元にあるAC100Vのスイッチだ。悪路やワインディングではスイッチを切れば、わざわざ冷蔵庫のコンセントを抜かなくても冷蔵庫の電源が切れる。揺れが収まってしばらくしたら、AC100Vのスイッチを入れれば、再び冷蔵庫を動かせる。
今回使ったのは、ホテルの部屋にあるような1ドアタイプの小さい冷蔵庫。冷蔵室の片隅に製氷室があるタイプだ。これをトランクにしっかり固定して、製氷室にはあらかじめ作ってあった氷を入れて、道中溶けないかを見てみよう。
自宅を出てから河原まで2時間ほど走ったが、ほとんど直線の国道と高速道路。車内はほとんど揺れないので、冷蔵庫の電源を入れっぱなしで走行した。途中サービスエリアで昼食を食べている1時間は電源を切った。
河原周辺は道が悪かったので電源を切り、車を停車して30分ほど経ってから再び電源を入れた。なお冷蔵庫は、液体のガスが落ち着くまで電源を入れない方がいい。横に倒してしまった場合などは1時間以上安静にする。
冷蔵庫の電源が1時間ほど切れた状態だったが、製氷室の氷はほとんど溶けなかった。もちろん冷蔵室に入れておいた、牛乳や卵、生ものの刺身や魚の切り身もしっかり冷えていた。
なお冷蔵庫の消費電力は55Wと少ないので、炊飯器や電子レンジと併用してもアウトランダーPHEVの出力をオーバーしなかった。
15年以上キャンプをしているが、冷蔵庫があるキャンプは格段に便利だ。というか、加えて炊飯器と電子レンジ、扇風機にコタツまで持っていくと、それはすでにキャンプの次元を超えた、別物なのかも知れない。
とはいえ、非常時などで確実に役立つのが小型冷蔵庫。アウトランダーPHEVを買う際は、ディーラーオプションのフロアマットと合わせて、1~2万円で購入できる安い冷蔵庫を買いたい。
アウトランダーPHEVは、運転しやすく乗り心地がいいプラグインハイブリッドカーでありながら、家族と安心と安全を乗せて走れる楽しいSUVだ。しかも、いざというときの、安心と安全も見守ってくれる心強い相棒だ。
アウトランダーPHEVは融通が利く気前のいい職人
電気自動車は、車載の電池でモーターを回して走る。三菱のアウトランダーPHEVは「プラグインハイブリッド」と呼ばれる。
よく聞く「ハイブリッドカー」は、モーター(電池)でも、エンジン(燃料)でも走れるという意味だ。エンジンを搭載していないピュアな電気自動車は、電池切れしたら最後1mmも動かない。残量が少なくなって充電しようと思っても、充電スタンドはガソリンスタンドほど、そこかしこにない。
だから電池残量が半分になると、トイレを探すのと同じぐらい、必死であせって、冷や汗をかく。でもハイブリッドカーなら、電池がなくなったらガソリンで走れるので安心してロングドライブができる。
アウトランダーPHEVは、普通のハイブリッドカーと比べて、電気自動車のテイストが強い。もちろん、エンジンで走ることもできるのだが、エンジンで発電機を回して充電し、その電気で走り続ける職人かたぎなヤツなのだ。
ハイブリッドの前についている「プラグイン」は、充電器を車に搭載して内蔵電池を充電できるタイプ。電気自動車は必ずプラグインだが、ハイブリッドカーだと充電器につなげて充電できるプラグイン対応は少ない。
電池がなくなったら、充電器にかけるのが一番自然で効率がいいのだが、車の場合はなぜか「電池が切れたらエンジンを回して充電して!」と投げっ放し。街でたくさん走ってるハイブリッドカーも、走行中は頻繁にエンジンが回るのだ。充電器に比べるとエンジンで発電するのは効率が悪い。エンジンの熱や発電機を回す機械の摩擦力などで、エネルギーの多くが失われてしまうためだ。
アウトランダーPHEVはプラグインできるので、家なら数時間、街の急速充電スタンドなら約30分で80%程度までチャージ可能。もし充電スタンドがない場合は、エンジンで走って発電することもできる。融通が利く気前のいい職人なのだ。