やじうまミニレビュー

三菱鉛筆「ユニボール シグノRT1」

~進化した流線型ボディのゲルインクボールペン

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
三菱鉛筆「ユニボール シグノ RT1 黒」

 三菱鉛筆の「ユニボール シグノ RT1」は、今年1月に発売されたゲルインクボールペンだ。ペン先までラバーに覆われた独特の形状と、使い心地の良さから、既に私の仕事用ステーショナリーの新定番となっている。今回はこのユニボール シグノ RT1について、レポートしたい。

メーカー三菱鉛筆
製品名ユニボール シグノRT1
希望小売価格157円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格142円

 ユニボール シグノ RT1は、滑らかなゲルインクを搭載したノック式のボールペン。希望小売価格は157円で、コンビニや文房具店で販売されている100円前後のボールペンの中では、高級モデルになるだろう。

 ボール径は0.28mm、0.38mm、0.5mmの3種類を揃える。インクのカラーは赤、ベビーピンク、オレンジ、グリーン、ライムグリーン、ブルーブラック、青、ライトブルー、バイオレット、黒の10色。今回はインク色が黒で、ボール径が0.28mm、0.38mm、0.5mmの3本を購入した。

上からボール径が0.28mm、0.38mm、0.5mm
クリップ部にボール径の太さが色分けされて記されている
カラーはボール径ごとに10種ずつ用意される

 本体外観は、ボディからグリップ部まで、インク色に合わせたブラックで統一されている。ボディのフォルムは、スリムで凹凸の少ない、流線型だ。デザインにこだわっている感じがする。

 サイズは11×142mm(直径×長さ)、重量は11g。ボディはプラスチック製で、グリップ部はラバーが覆っている。手に取ってみると、指にラバーの柔らかい感触が伝わってくる。

 1つ目の特徴は、ラバーの覆う部分が広く、ペン先2mmまで、幅48mmに渡っていること。先のほうでペンを握る人や、尾端寄りで握る人など、幅広いユーザーに対応してくれる。

ボディはシンプルな流線型
ラバーは長さ48mmに渡って芯先まで覆っている
【参考】以前使っていた、旧モデルの「ユニボール シグノ RT」のグリップ部

 2つ目の特徴は、尾端の形状だ。尾端は、ペン先を繰り出す際にノックする部分。この尾端に付属するクリップとノック部が一体化しているのだ。

クリップ部正面
クリップ部側面。クリップと尾端が一体化した構造
新製品の「ユニボール シグノ RT1」
【参考】旧製品「ユニボール シグノ RT」では、尾端のクリップとノック部はそれぞれ独立していた

 このため、尾端の垂直方向だけでなく、クリップの付け根のあたりから斜めにノックしても、ペン先を出すことができ、ノックしやすくなっている。

尾端を垂直方向にノックしてペン先を出す
クリップの付け根を斜めにノックしても、ペン先を出すことができる
尾端の形状は円形で、クリップまで滑らかな傾斜で繋がっている
目には見えないほど細かい部分の話だが、従来のノック式ゲルインクボールペン「ユニボール シグノ RT」と比べ、0.38mmで約20%、0.5mmで約10%、摩擦抵抗を抑えたという

 3つ目の特徴は、とても細かい話なのだが、ペン先に、角のない「エッジレスチップ」を採用したことだ。旧モデルでは、ペン先に角があったのだが、この部分に丸みを持たせたことで、筆記時に紙とペン先の間に生じる摩擦抵抗を抑えたという。

書き心地滑らかで、発色良し!

 さっそく文字を書いてみると、書き味は滑らかで、インクの発色は良い。「エッジレスチップ」だからだろうか、確かにペン先が紙にカリッとひっかかるような感じはしない。文字を次から次へと書いていくシーンでは、それを体感できる。

各ボール径ごとの筆記線の比較。上から0.28mm、0.38mm、0.5mm
筆記線の太さの違いは明らかだ

 0.28mmはミシン糸のように細い。そのぶんインク流量が少なく、ちょっと文字が薄く見える。文字を書くときに紙にひっかかるような感触もあるが、これは好み次第だろう。インクは全く滲まない。スケジュール帳などの細かいところに書き込むにはピッタリだ。

 0.38mmは、ベーシックな太さだ。筆記線は細すぎず、インク流量も程よく、手紙や、伝票の宛名書き、取材メモなど、仕事中に一番活躍しているのがコレ。

 0.5mmの筆記線は、かなり濃くて太い印象。上の2本に比べるとインクの乾きは遅く、走り書きすると、筆記線に色ムラが出るが、インク流量の多いペンが好きな方にはオススメ。発色も良く、文字がハッキリと読める。

0.28mmは、手帳などの細かい場所に書き込むのに最適
ベーシックな0.38mmは、取材のメモから伝票書きまでオールマイティな1本だ
0.5mmは、文字がくっきりわかりやすいので、乱雑なメモや走り書きにも便利

 インクも進化している。正直、従来の「ユニボール シグノ RT」は、どうも発色が薄い気がしていた。だから同じノック式のゲルインクボールペンだと、ZEBRAの「SARASA CRIP」シリーズのほうが発色が良く、愛用してきた。だが新製品のインクの滑らかさや書き心地の良さは、「SARASA CRIP」に全くひけを取らない。力を入れなくても、はっきり、見やすい線が引ける。加えて、「ユニボール シグノ RT1」は前述したようにノックしやすいので、「SARASA」シリーズよりも今はこっちがお気に入りだ。

 インクは水にも滲みにくい。試しに水をこぼして、ふきとってみたところ、文字はややヨレるものの、十分に読める。大事な書類を書くときにも、安心して使えるだろう。

試しに水をこぼして滲み具合を確認する
水をふき取った後。ほとんど滲んでおらず、文字も読めた

 このほか便利だったのは、一体型のクリップだ。ボディがシンプルなデザインなので、取材先に持っていくノートや、メモ帳だけでなく、ジャケットの胸ポケットなどいろいろな場所に挟んでおける。

クリップでいろいろなところへ取り付けられる
取材用のメモ帳に取り付けて持ち歩いている

進化したシグノシリーズ

 最後にユニボール シグノ RT1のメリットをまとめておこう。まず、書き心地が滑らかで、ラバーの肌触りも良い。ノートに長い文章を筆記していても、手が疲れにくかった。ボディはノックしやすく、デザインはシンプル。さらに、用途に合わせてボール径の太さを選べる。

 これまで文具店の売り場を覗くと、同じ三菱鉛筆の油性ボールペン「ジェットストリーム」シリーズや、華やかなデザインのゲルインクボールペン「スタイルフィット」シリーズばかりが目立っていて、シグノシリーズは影の薄い印象だった。このたび外見もすっかりイメチェンして、インクや構造なども進化している。毎日使うボールペンだからこそ、インクや外観にはこだわりのある1本を選んでみてはいかがだろうか。

小林 樹