山崎実業「マルチマグネットスタンド」

　人を迎える場所だから玄関はなるべくいつもきれいにしていたい。

　と、いうのは理想で実際にはマンションの狭い玄関はごった返している。その中でも特に目につくのが傘だ。引っ越しの時に整理して、現在自宅にある傘はわずか2本だけなのだが、それでも置き場所に困っている。下駄箱に掛けてみたり、端の方にまとめて置いてみたり、それなりに工夫はしたが、どうにも収まりが悪く目につく。

　単純に傘立てを買えばいいと思ったが、スペースを見る限りとてもじゃないが、置く場所がない。開いているのはわずかにドア前のスペースだけ――というわけで購入したのが、ドアに貼り付けて使用できる傘立て、山崎実業のマルチマグネットスタンドだ。パッケージの写真を一目見て、これこそ求めていたもの! と即購入してしまった。

　本体は傘の底を支える部分と、傘の柄を支える部分の2つのパーツから成る。造り自体はごく単純なもので、それぞれのパーツの裏に磁石がついていて、それをドアに貼り付けて使用する。つまり、この製品を使うにはドアが金属製であるということがまず大前提となる。また、収納できる傘は2本まで。1～2人暮らしの集合住宅に住んでいる人向けの製品だ。

製品パッケージ	左から、傘を支える部分のパーツ、底部分のパーツ、底板、パーツ裏に貼り付ける磁石

　今回購入したのは、犬のモチーフを採用したタイプだが、同社では同様の製品をサイズ違い、デザイン違いで展開している。

　使い始めるまでの準備はそれぞれのパーツに磁石を貼り付けて、底板をはめるだけ。あとは、ドアの空きスペースに底部分と支える部分を貼り付けて準備は完了だ。本体は磁石で固定するため、設置場所は自由に設定できる。例えば柄が長めの傘だったら、柄を支えるパーツを上の方に移動、逆に折り畳み傘だったら底部分のすぐ上に設置、という使い方ができる。

磁石の裏は両面テープが貼られている。使用時はまず磁石裏のシールをはがす	磁石をパーツの片面に貼る	底部分のパーツも同様に磁石を貼る。その後、底板をセットする。組み立て、設置は簡単で工具などは一切必要ない

　実際に2本の傘を収納してみると思ったよりもイイ。当初の予想では、いかにドアの空きスペースを使うといっても、ごちゃごちゃした感じになってしまうかなと思っていたが、実際にはスッキリとした印象。我が家の様な小さい玄関にはうってつけの製品だといえそうだ。

玄関に設置して、2本の傘を収納したところ	それぞれのパーツは磁石で固定しているだけなので傘のサイズなどに応じて場所をすぐ移動できる	犬の形を模したデザインも可愛らしい

　本体の構造に関しては、もう少し磁力が強力な方が良いかなと思った。ドアの開閉で傘が落ちてしまうなんてことはないが、傘を収納するときにちょっと力を加えると土台のパーツが落ちてしまう。最近ではもう少し磁力が強い磁石もあるので、改善策として是非検討してもらいたいところだ。

　ただ、磁石はパーツ裏に両面テープでくっついているだけなので、どうしても気になる人は自分で磁石を購入してきて直すことも可能だろう。

　単純な製品ではあるが、玄関スペースが限られた賃貸住宅に住む人にはかなり魅力的な製品。収納本数が限られてしまうが、これもドアの側面という設置場所を考えれば当然とも言える。私に関して言えば、家に入るたびに傘をどかさなくても良くなったというだけで、充分満足している。