やじうまミニレビュー

MSY「iCrew」

~自転車にiPhoneを取り付けてナビ&サイコンに!
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MSY「iCrew」
 昨年秋にロードバイク(レース用のスポーツ自転車)を購入して以来、休日に30kmほど近所を乗り回すのが習慣になっている。自転車に取り付ける一般的なサイクルコンピューターは、時速や走行距離、ペダルの回転数などは表示してくれるものの、ナビにはならない。そこで、GPSも通信機能も大型の液晶も搭載している、iPhoneを活用したいと考え、自転車にiPhoneを取り付けるためのマウント探しに乗り出した。その中で見つけたのが今回、紹介するMSYの「iCrew」だ。

メーカーMSY
製品名iCrew
購入価格5,980円
購入店舗MSYオンラインショップ

 iCrewは、自転車のハンドルバーに取り付けるマウントと防水対応のケース、取り付けに使用する六角レンチがセットになったキットだ。まずは取り付けだが、特に解説する必要もないくらい簡単。結束バンドをハンドルバーに巻き付けたら、六角レンチで締め上げるだけ。キツく締めすぎるとあとでケースを取り付けた際の微調整が効かなくなるので、ちょっとゆるめにしたほうがよい。ここまで来たら、あとはマウントのアタッチメントとケース側のアタッチメントを合わせてやれば、ガッチリと固定される。

付属の六角レンチでマウントをハンドルバーに取り付ける。作業はものの5分もあれば充分ジョイント部分は取り外しが可能だが、がっちりしてるので安心感があるカメラの位置には窓がついているので、ケースに入れたまま写真撮影も可能
 ケースの方は「ウォータープルーフ」つまり防水対応とされているが、特にJIS準拠などの表記はない。iPhone本体を受け止める素材全体がシリコン兼パッキンになっていて、水の浸入をシャットアウトするようだ。ロック部分はかなりがっしりしており、多少のことでは開かないようになっている。カメラ部分にはきちんと窓がついており、ケースに入れたまま写真も撮れる。イヤホンジャックにもパッキンのフタが付いているので、イヤホンを差し込むこともできる(走行中は危険なので薦めない)。ただし、充電や同期に使う本体底面のDockコネクターは塞がれてしまうので、eneloop mobile boosterのような外部バッテリーを使いながら装着、といったことはできない。

 気になるのはカバーに入れたときの液晶の見やすさとタッチパネルの反応だが、いずれも大きな問題は感じない。後者に関しては、指をスライドさせて文字を入力する、いわゆるフリック入力に関しては、若干追従性が悪いと感じることがあるが、その程度。文字を打つ気にならないほどではない。

 1つ気になったのが、iPhoneの本体上部にある感光センサーを塞いでしまっていること。iPhoneは標準設定だと、周囲の明るさによって自動でバックライトの明るさを変更するようになっているが、カバーがセンサーを塞いでしまっているため、周囲が暗いと勘違いし、極端にバックライトが暗くなる。

 実際には、自動で明るさを調節する機能をOFFにすれば問題は回避できるので、大きな問題はないが毎回、使うたびにOFFにするのが実に面倒だ。一度使えばすぐにわかる問題だけに、気づかなかったのではなく、なんらかの事情であきらめたのだと思うが、直して欲しいポイントだ。

 

iPhone標準のアプリ「マップ」を使えば、Googleマップをもとにナビとして使える90度回転して横位置でも可能明るさを自動調節する機能をオフにしないと画面が暗くなってしまう

 さて、実際に取り付けて自転車で走ってみると、実に快適。iPhone標準のGoogleマップのアプリが、最近徒歩ルートの検索に対応したこともあり、一度ルート検索をしてしまえば、カーナビ感覚で使える。使用しているのがiPhone 3GSならば、電子コンパスを使って、自分の向いている方向が、画面の上になる、ヘディングアップ機能が使えるのでさらに快適だ。また、マウントとケースのジョイント部分が90度回転するので、iPhoneを横向きにも設置できる。

 なお、メーカー側では今後、予備バッテリーなど外部拡張オプションも予定しているらしく、ケースの下側に意味ありげなスペースが残されている。もしボディ形状が違う、新型iPhoneが出てしまうと意味をなさなくなるだけに、早期の展開に期待したいところだ。

 ちなみに防水性能は、水の中にすっかり沈めるのは厳しいが、周りに水がかかるのは大丈夫、といった感じだ。サイクリング中に雨に降られてもまったく問題にならない。また私は毎日のように、風呂用のケースとして使っている。

 全体としては、非常に満足して使っている。5,980円という価格は決して安くないが、iPhoneをサイクリングに使用できるだけで、ぐっと楽しみが 広がる。自転車とiPhoneを愛する人に、是非勧めたいグッズだ。

 余談だが、iPhoneのアプリには、走ったルートを自動計測してマップに表示させたり、走行距離、平均速度、消費カロリーを表示できる、いわゆるサイクルコンピュータとして利用するためのアプリがいくつもある。こうしたアプリには、「Runkeeper」「EveryTrail」「PinPrick」など多数あるのだが、私の結論は「Runkeeper」。詳細についてここで触れないが、自動でWebサービスにデータを保存してくれるので、データ管理に気を遣わなくて済む点と、パソコンでいつでもトレーニング履歴を見られる点が気に入っている。無料のFree版と1,200円のPro版とがあるが、インターバルトレーニングなど高度な設定が主な違いになるので、簡単な記録に留めるならFreeで充分だろう。

iPhoneアプリ「RunKeeper」の画面。ペース配分のバーや地図、消費カロリー、走行距離が表示できる地図表示。Googleマップに走ったルートが赤線で表示される
Webサービス上からは走行履歴を細かく閲覧できるルートのほか、走行ペースと坂を登った際の標高差も表示される


 




2010年 2月 26日   00:00