やじうまミニレビュー

針・糸は不要! ワンタッチでボタンを付けられる「tic」

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
インフィネイト「tic」

 「あ、ボタン取れてるよ。私が付けてあげようか?」。

 そんな台詞に憧れて、鞄の中に裁縫道具を忍ばせていた過去を持つ私です。結局一度も活躍する事のないまま今に至るのですが、個人的には合コンでサラダを取り分けるよりも遥かに女子力アピールになると思っています。

 今日はそんなボタン付けを、どんな裁縫上手さんより素早く、スタイリッシュに完成させられる便利グッズ「tic(ティック)」をご紹介いたします。

メーカー名インフィネイト
製品名tic
希望小売価格820円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格745円

 ticは4個セットで小さな薄い箱に入っており、本体サイズは45×10×4mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは約1g。光沢の無いマットな質感のプラスチック製で、カラーは黒と白の2種類があります。

 パッケージは、黒地に白抜きで商品名のみが描かれており、シンプルにしてスタイリッシュ。スウェーデン生まれというだけあり、デザイン性は抜群です。箱を開けてみると、蓋の裏にこれまたシンプルな使い方イラストが描かれており、他に説明書等は入っていません。

 tic本体は、真ん中の関節部分を中心に一見左右対称に見えますが、両端の突起に違いがあります。片方は若干長く尖っており凸の状態、もう片方はその尖っている方のカバーになる凹の状態となっているのです。

 そして、両端とも突起の根元部分が極端に細くなっており、簡単にねじ切れる仕組みになっています。

 今まで見たこともない商品だけに上手く使えるのか不安ですが、いざやってみましょう。

蓋を開けた状態。中には使い方のイラストが描かれている
本体はホチキスが開いたような形状

所要時間は約15秒。あっという間に完成する

綿100%に木製ボタンのシャツ

 今回使うのは、約3カ月前から胸元のボタンが取れている、そしてさらにもう一つも取れそうな旦那のシャツです。

 「早くボタン付けなきゃな……ああ、めんどくさい」。

 ぐーたらなくせに几帳面という厄介な性質の私にとって、結構なストレスだったこのシャツ。今回はそんなストレスを元から断ち切る素晴らしい機会となりました。

 まずはほつれた糸を切り、布地をきれいな状態に戻します。そして、裏側からボタンを留めてあった場所にticの尖っている方を当て、突起を布に貫通させつつボタンの穴に通します。

 真ん中の関節部分で折り曲げ、尖っていない方の端をもう片方に被せるように接続し、十分に咬ませます。慎重に合わせないときちんとはまらないかと思いきや、そんなことはなく簡単にはまります。

 その後、片手でボタンを押さえながらticを左右に振り、根元をねじり切ります。3~4回ぐにゅぐにゅと動かすだけですぐにぷちんと離れ、そこに残るのはしっかりと布に取り付けられたボタンのみ。約15秒で、拍子抜けするほど簡単にボタン付けが完成しました。

まずは糸を除去
裏側から布地とボタンに突起を通す
ボタンを押さえ、ticを左右に振る
難なくボタンが留まる

汎用性、耐久性共に優秀

 1番上のボタンを白、2番目を黒のticで取り付けてみましたが、白い方は近くで見ると若干の違和感があるものの、黒はとても自然な仕上がり。デザインにもよりますが、色の選択は布地よりボタンの色に合わせた方が良いようです。

自然な仕上がり
裏側から見ても違和感はない

 実用面で見てみると、ticで留めたボタンは、相当強い力で引っ張っても外れたりゆるんだりすることはなく、糸で縫いつけた時と遜色ない耐久性が期待できそう。取れたボタンを応急処置的にくっつけるものではなく、永続的に固定できるよう設計されています。

 布に通す突起は細く、布地に汚い穴が空くことはありません。薄いコットンから固いデニム生地まで、ほとんどすべての布に使うことができます。

 留め穴は、どんなボタンでもほぼ同じ幅で空けられているため、穴さえあれば留めるボタンを選びません。ちなみに、4つ穴式のボタンの場合はticを2個使って留めることになります。

 このように便利なticですが、まれに留められないボタンも存在します。それは布の端に付いておらず、肩部分などに飾りとして付いているボタンの場合。Ticの構造上、布の隅に付いているボタンをホチキスの要領で固定するので、このような位置にあるボタンは留めることができません。

 さらに、穴が無くボタンの裏側に糸を通して止めるタイプのボタン、厚さが4.2mm以上のボタンにも使用できません。

糸で留めるより布地に密着してしまう

 また、どんなボタンでも布地にぎゅっと密着するように留めてしまうので、厚い布地や太い紐を掛けたい場合はきつくなり、使いづらくなってしまう可能性があります。

 以上のように、一部使えない場合はあるものの、通常のシャツのボタンであれば大抵、問題なく留めることができます。

 日常生活で針と糸が欲しくなるのは、ほとんどがボタンがはずれた時。ソーイングセットの代わりにticを持ち歩いてみてはいかがでしょうか?

 おしゃれに手早くボタンを付けられるこちらの方が、いまどき男子のウケは良さそうです。

川端 衣里