やじうまミニレビュー

とことん混ぜて、納豆の極みを目指す「魯山人納豆鉢」

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
タカラトミーアーツ「魯山人納豆鉢」

 納豆は混ぜれば混ぜるほど美味しくなる、と唱えた人がいる。美食家で知られる文化人、北大路魯山人(ろさんじん)だ。

 彼は“納豆の拵(こしら)え方”について、「糸を出せば出すほど納豆は美味くなるのであるから、不精をしないで、また手間を惜しまず、極力ねりかえすべきである」と、よく練り混ぜることの大切さを説いている。

 とはいえ、現実的には難しい。忙しい朝食タイムに納豆を何百回もかき混ぜる暇なんかないわい! というツッコミたくなるのが本音である。そんなところに出会ったのが、タカラトミーアーツの「魯山人納豆鉢」だ。

メーカー タカラトミーアーツ
製品名 魯山人納豆鉢
購入場所 Amazon.co.jp
購入価格 1,500円

 魯山人納豆鉢は、納豆をスピーディーに混ぜ、粘り気たっぷりで味わえるアイテム。ハンドルを回すだけで簡単に、魯山人の愛した納豆の味を再現できるという。

 本体には説明書、ギアケース、ハンドル部などの細かいパーツがセットになっている。本体は納豆を入れるカップと、ハンドルを装着する「メカ部」に分かれる。

セット一式。本体と説明書、ギアケース、ハンドル部などの細かいパーツが同梱されている
本体はカップと「メカ部」に分かれる
パッケージには魯山人のイラストが描かれ、“食の極み”を謳っている

 使う前に、本体を組み立てよう。まず、メカ部にハンドルを装着する。そして、空豆のような形のギアケースと、撹拌棒を醤油投入口に取り付ける。最後に、この2つをはめ合わせたら、準備は完了だ。これらのパーツにより、ハンドルを1回回すと、攪拌棒が2回転する仕組みになっている。

メカ部にハンドルを装着する
納豆を撹拌する際の要となるパーツ、「ギアケース」だ
洗う時はこのように分解する
メカ部の完成形。パーツを全て取り付けたところ

 さっそく納豆をカップに入れ、メカ部でフタをする。最初に投入したのは、スーパーでよく見かけるタカノフーズの「おかめ納豆 極小粒」。小粒で柔らかめの色の濃い豆だ。

 使用モードは、424回撹拌して魯山人好みの味に近づける「魯山人モード」と、好きな回数をかき混ぜられる「我流モード」が用意されている。今回は魯山人モードを選んだ。

タカノフーズの「おかめ納豆 極小粒」1パックを投入
カップに入れた様子
あとはひたすらハンドルを回して混ぜるのみ! カップは半透明の茶色で、外から納豆の様子がわかる

 ハンドルを回し始めて30秒ほどすると、糸がよく出て粘りが強くなり、手ごたえを感じるようになる。「まだかな……まだかな……」とさらにハンドルを回し続ける。

 ひたすら回すうちに、一体いつまで混ぜればいいんだろう……と途方に暮れたくなるが、この魯山人納豆鉢にはモチベーションを高める仕掛けがある。それが、メカ部の窓に表示される言葉だ。撹拌した回数によって「まだまだ」→「手を抜くな」→「極めよ」といった魯山人的なコメントが表示される。それを見ると、あとどれくらい回せばいいのかがわかる。

「まだまだ」
「手を抜くな」
「極めよ」……魯山人的なストイックな言葉が並ぶ

 さて、かき混ぜ続けて1分を過ぎた頃、突然メカ部のフタが開き、醤油の投入口が顔を出した。そう、ある一定の回数を回したら、自動でフタが開き、醤油を差すよう促すギミックがあるのだ。

一定の回数を回すと、醤油の表示が現れる
自動でフタが開くので、しょうゆを差す
「完了」の文字が表示され、ガバッとフタが開いたら、混ぜるのが終わったサインだ

 醤油を差したら再びフタを閉めて、さらに1分ほど、ひたすらハンドルを回し続ける。醤油が入ったことで、ハンドルが滑らかに回るようになった。さらに回し続けて、開始からおよそ3分が経った頃、カパッとフタが開いた。これが攪拌の終了サインだ。

 ついに、424回もかき混ぜた納豆とご対面だ。一体どうなっているだろうと、期待に胸を昂らせながらフタを外すと、大量の糸を引いた納豆が現れた。糸は空気を含み、ふわふわと白く、豆にまとわりついていて、カサが増したように見える。お箸ですくうと糸の粘り、ボリュームがすごい。

糸のボリュームがある
箸ですくうと、ネバネバ感がすごい

 ご飯に盛り付けて、一口食べて驚いた。食感がいつものおかめ納豆と全然違う!

 納豆は大量の糸を引いて、粘りは強いが、口どけは滑らか。味は豆のコクが感じられる。逆に、豆の歯ごたえは薄らいでいる。香りも、パックを開けた時よりも芳醇だ。一言で言えば、まろやかで美味しい。

 ハンドルを沢山回したから美味しく感じる、という精神論ではない。タカラトミーアーツによれば、混ぜるほどコクがアップするという調査結果があるという。ちなみに納豆の糸の正体は、グルタミン酸(さん)と、フラクタンという糖分。このグルタミン酸が旨み成分なのだ。

昔懐かしの藁納豆で試してみた

水戸の藁納豆で試してみた

 こうなったら、昔懐かしの藁納豆で試したい! というわけで、有楽町の茨城県のアンテナショップで、藁納豆を仕入れてきた。

 水戸の藁納豆は、昔ながらの納豆の味を今に伝えている。匂いは強く、豆は大きく、1粒1粒は固い。

 魯山人納豆鉢に入れて、ハンドルを動かしたが、とにかく固い。ハンドルを回すのにとても力が要る。なんとかハンドルを回していると、粘りが強くなって、さらに固くなり、ハンドルが回しにくくなる。無理をすると撹拌棒が抜けそうになるので、ここは慎重に回そう。

 それでもゆっくり、時間をかけて、なんとか424回の攪拌を終了。おかめ納豆では3分程度だったが、こちらは5分以上かかった。

 混ぜ終わった藁納豆は、とにかくワイルドの一言に尽きる。うねるような強い糸の粘りに、豆が絡まっている。もともと強い匂いがさらに強烈に香る。

とにかく粘りが強くて、ハンドルを回すのに力が要る
ごはんに盛り付けた。強い匂いを放っている

 口に入れるとネバネバが止まらない。噛んでも噛んでもネバネバする。匂いと、粘りと、豆の歯ごたえが力強く、噛むのに力が要る。これはこれで美味しいと思った。ただし、喉の奥までねっとりとするので、人によって好みはあると思う。

「手間を惜しむな」

 さて、納豆をスピーディーに400回以上混ぜて、美味しさを引き出す魯山人納豆鉢だが、ひとつ心に留めておきたいのは、片付けが大変だということ。使用後のネバネバした状態で、パーツをギアまでバラして洗うから、かなり面倒である。おまけにパーツは細かいものもあり、洗うたびに失くさないかヒヤヒヤする。

 冒頭の魯山人先生の言葉にあるように、美味しいものを求める以上は、手間を惜しんではいけないのだろう。

 納豆が好きな人、いつもの納豆を美味しく味わいたい人、魯山人の境地が気になる方には是非、試してみて欲しい。

(小林 樹)