やじうまミニレビュー

山善「畑deおやさい」

〜ベランダで野菜を簡単に育てられる畑キット

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
山善「畑deおやさい YVP-40」

 田舎に引っ越したのを機会に、市民農園を借りてみた。2年ほど頑張って色々作ったが、仕事が忙しくなり、畑に通えなくなってやめてしまった。我が家にも狭い庭はあるが、バラなどの花を植えているため、残念ながら野菜を育てることはできない。

 しかし、夏になると青シソ、バジルなどのハーブ類が欲しくなってくる。プランターで育てることを考えたが、ネットでいろいろ調べてみたところ、簡単そうな水耕栽培キット「畑deおやさい」を見つけたので、試してみることにした。

メーカー 山善
製品名 畑deおやさい YVP-40
購入場所 Amazon.co.jp
購入価格 2,980円

 本製品は、土を使わない水耕栽培キットだ。プランターのような形ではなく、うね(畝)があり、6条のすじ撒きができる。サイズは395×325×90mm(幅×奥行き×高さ)と小さいが、「畑で作っている気分」を味わえる。

 セット内容は、ケース、種を植えるスポンジ状のエクセル培地2個、給水マット、ピンセット。ケースにはなめくじ除けが付いている。

パッケージ
ケース
エクセル培地は固形
給水マットとなめくじ除け
下ケースになめくじ除けを装着
なめくじ除けには銅線が巻かれている

 使うにはまず、給水マットとエクセル培地をを順番にケースにセットする。給水マットは不織布で、野菜が必要とする水分を一定に保つ役割がある。水を入れると給水マットの一部が水に浸され、そこから必要なだけエクセル培地に水が染み込むようになっている。

 種を植えるエクセル培地は土のような色で、うねがあるので、本物の畑のようだ。水耕栽培のキットはいろいろ販売されているが、こんなに"リアルな畑"に似せているのは珍しい。小さいが、ちゃんと畑なのでワクワクする。

給水マットは上ケースに入れる
エクセル培地をセットした状態。うねがあり、まるで小さな畑のよう
エクセル培地には畑のようにうねがある

 種は付属していないので、自分で購入する必要がある。いろいろ悩んだが、1種類ではつまらないので夏用サラダほうれん草、スイートバジル、エンツァイ(空芯菜)、コリアンダー、青シソを購入した。

 種は切込み部分に種をピンセットでうえていく。エクセル培地はスポンジのような繊維なので、押えが不足の場合は根が浮いてしまう。少しぬらしてから、2〜3cm間隔で3〜6粒をまいた後、ピンセットでしっかり抑える。

 ハーブ類は種が小さいが、エンツァイの種はかなり大きかった。ピンセットでグイグイ押してみたものの、奥まで入れるのは大変だった。小さい種はつまめなかったので手でパラパラッと入れて、上からピンセットで押し込んだ。小さい種は植える作業が簡単だ。

種は別に購入
ピンセットで植えていく
給水口から水を入れる

 本物の畑で植える場合、隣のうねに何を植えるかにも気を遣う。相性があり、隣同士にするとうまく育たないものがあるからだ。この点については、取扱説明書には何も書かれていなかったので、適当に植えてしまった。

 順番は、右から夏用サラダほうれん草、スイートバジル、エンツァイ2列、コリアンダー、青シソ。最初は横のオーバーフロー穴から水が流れ出るまで、給水口から水道水を入れる。

使用していないエアコンの室外機の上に置いてみた。日当たり抜群

 置いた場所は2階の狭いベランダだ。使っていないエアコンの室外機の上は日当たりがよいので、そこに決めた。

 受け皿の貯水量は約3.2Lと容量が多いので、一日で干上がってしまうことはない。2〜3日はもったが、夏場にはこまめにチェックしたほうがよいだろう。

 なお、虫が多い場所で育てる方は、四隅に支柱穴があるので、支柱を立ててネットなどで保護しておくと万全だ。今回は特に何もしないで育ててみることにした。

発芽して双葉が出そろったら、液肥を入れる

 種を植えたのは4月10日。そこから寒い日や風の強い日が続き、10日ほど芽が出なくて焦ったが、暖かくなってくると芽が出てきた。外で育てるには、種を植える時期がやや早すぎたようだ。

芽が出るまで長くかかってしまった。寒すぎたようだ
液肥はホームセンターなどで買える

 5月3日には双葉になっていることを確認した。発芽して双葉が出そろったら、下ケースの水を捨て後1000倍に希釈した液肥を給水口から入れる。液肥は原液タイプで、チッソ(N)6%、リン酸(P)10%、カリ(K)5%が推奨とのことだ。ちょうど我が家に液肥があったので使ってみた。

 この後、暑くなってくると、今までの成長の遅さがウソのようにぐんぐん伸びていった。液肥は2週間ごとに入れておく。

いよいよ収穫……どっさりとれた

 5月26日、いよいよ収穫だ。寒い日が続いていたので収穫までにずいぶん時間がかかってしまったが、夏場ならもっと早く収穫できただろう。

 特に青シソとバジルは成長が早く、葉がどんどん出てくる。コリアンダーも元気に育っていた。特に虫に食われているところもなく、とても勢いのよいツヤツヤした葉だ。こんな小さな畑なので、それほど期待はしていなかったのだが、たくさん収穫できる。

こんなに育った! 水と肥料を足しただけで、特に何もしていない
上からみたところ、びっしり葉が密集している
特に一番左の青シソがよく成長している
ハサミで丁寧にカット

 収穫作業は、ハーブ類は枝先や葉を摘み取り、サラダホウレンソウは根本からカットする。わき芽などがわかるようになると、長く収穫を楽しめるようになる。そのあたりは取扱説明書できちんと説明されているので、初心者でも安心だ。

 収穫した野菜は新鮮でおいしい。少量だけ使いたいときも便利だった。

青シソをたっぷり収穫
青シソをたくさん使う「冷やしる」は我が家の夏の定番料理
味噌などを入れて完成。いつでも青シソをとれるのは嬉しい!
そうめんやうどんをつけていただく
少量だけ使いたいときも便利
コリアンダーを収穫
タイ風春雨サラダに欠かすことができないコリアンダー
バジルも収穫
よく冷えたトマトにあえる
夏らしいトマトバジルサラダ

初心者はハーブ類がおすすめ

 畑deおやさいは、特に青シソ、バジル、コリアンダーなどのハーブ類は成長が早く、丈夫で、収穫しても残った茎からどんどん生えてくる。失敗も少なく、長く楽しめるので、初心者におすすめだ。

 一方で、失敗してしまったのはエンツァイだ。他のハーブ類に比べてかなり種が大きく、ピンセットで培地に押し込んだものの、うねが浅いので、強風の日に種が飛び出してどこかへ行ってしまったようだ。

 結局、エンツァイは数株しか残っていなかった。炒めて食べようかと思ったが、こんなに少ないのではそんな調理もできず、非常にガッカリした。種を購入するときは、種が小さいものを選んだ方が、失敗がないように思う。

このように小さな種がおすすめ
エンツァイの種は5〜6mmほどある。エクセル培地には不向きだった
エンツァイゾーンは、ほとんど収穫できず……

繰り返し使用できる

 エクセル培地は、3〜4作繰り返して利用できる。栽培終了ごとに上ケースを外して、エクセル培地や給水マットの不要な根や株を取り除く。その際、植えからエクセル培地を外すと損傷するおそれがあるので、外さないで、1週間ほど日光に当てて乾かし、切り株や根を枯らしてから取り除く。

 エクセル培地は固形のため扱いやすく、設置場所を汚さないのが良い。使用後は可燃ゴミとして捨てることができる。

 なおエクセル培地は別売りで売られているので、3〜4作終わったら新しいものに取り換える必要がある。

たくさん収穫できて楽しい! マンションのベランダにもおすすめ

 以前、土を入れたプランターで野菜を育てたことがあったが、我が家は虫が多く、ヨトウ虫に苗を丸坊主にされてしまうこともあった。その点、畑deおやさいで栽培したところ、虫がつくことはなく、無事に成長したが、気になる方は支柱を立ててネットやカバーをつけておくとよいだろう。

 久しぶりに自宅で野菜を育ててみると、料理でちょっと使いたいときにハーブ類を収穫できるのは、本当に助かる。畑にはまっていたときは近所のホームセンターの農業コーナーに通い、家庭菜園の書籍や雑誌もよく読んで研究していたものだ。今では畑から離れてしまったため、寂しい思いをしていたが、畑deおやさいで育てるようになってから、毎日野菜の収穫を楽しんでいる。

 ベランダでも簡単に栽培できるので、都会に住んでいる方にもぜひおすすめしたい製品だ。

(石井 和美)