ルクエ「ノンスピル」

ルクエ「ノンスピル」

　調理中にすこし目を離した隙に起こる「ふきこぼれ」。慌てて火を止めてもあとの祭りで、ガス周りは水浸しになってしまう。さらに時間の経過とともに、ふきこぼれた汁が乾燥し、ガス台にこびりついてしまう。その掃除も面倒だ。しかし、終始鍋を見張っているほどヒマではないし、なんとかならないものだろうか。

　そんなお悩みを持つ人へおすすめしたいのが「ルクエ ノンスピル（以下、ノンスピル）」だ。スピルとは英語で「spill(液体などをこぼす)」の意。スープや煮汁などをこぼさないための調理道具として作られている。色はクリア、レッド、ライム、ローズの全4種類。今回は、色鮮やかで美しく、キッチンにも映えるライムをチョイスした。

　ルクエといえばスペインのブランドで、シリコンを使った調理器具が有名だ。これまでにも、耐熱性に優れて、かつ使いやすいキッチン商品を多く生み出してきたが、中でも人気なのが、スチームケース。野菜や肉、魚などをケースに入れてレンジで温めるだけで、火や油を一切使うことなく蒸し料理ができると、数年前日本でもブームになったことは記憶に新しい。

　そのルクエの新商品となるノンスピルだが、耐熱温度が260℃のプラチナシリコン製。さわるとやわらかく、裏と表とで質感が異なっている。4箇所に斜めにあけられたやや大きめな調整口が、ふきこぼれを防ぐカギとなっているようだ。サイズは270mm×40mmで、小さな鍋から、比較的大きな鍋にも対応する。

上部に「Lekue」の文字

4つの調整口がふきこぼれを防ぐ

立体的にあけられた調整口

裏返すとツルツルした質感

やわらかく折り曲げやすい

使用前に洗っておこう

　使い方は非常に簡単だ。まず、使う前に一度洗剤で洗い流しておこう。その後は鍋の上にフタの代わりに載せるだけで、役目をきっちりと果たしてくれる。ゆで汁がぐつぐつとあふれ出てきても、4箇所の調整口から吐き出されて、再び鍋の中へと戻っていく。立体的な設計が功を奏しているようだ。

普通の鍋のフタだとどうしても目を離すとふきこぼれる

鍋の上にノンスピルを設置

ノンスピル表面も非常に熱くなることに注意

ふきこぼれても自然と鍋の中へ戻る

ふきこぼれやすい牛乳などを温めるときにも使える

　とはいえ、一度沸騰したあとは、コンロの火力を下げるよう意識したい。火力が最大のまま調理を続けると、どうしてもふきこぼれてしまう食材もあるからだ。さらに、ノンスピルを鍋から取り外すときにも注意したい。非常に熱くなっており、また鍋の中の汁も熱くなっている。蒸気で火傷する可能性もあるので、一度火を止めてから両手でノンスピルを持ち上げるようにしよう。しばらくは熱い状態が続くため、洗うときにも注意が必要だ。

　また、雪平鍋のような注ぎ口のある鍋の場合は、ノンスピルでフタをしても、注ぎ口からふきこぼれてしまうので注意したい。しかし、大抵の鍋では使えるので、非常に汎用的な調理器具だといえるだろう。ふきこぼれにイライラしたくない人、絶えずキッチンで鍋を見張りたくない人は、キッチンアイテムのひとつに取り入れてみてはいかがだろうか。