家電製品ミニレビュー

明るくて用途の広い折りたたみ式LEDランタン

必需品になったLEDランタン

LEDフュージョン 折りたたみ式ランタン FFL81J

 今回はエナジャイザーのLEDランタン「LEDフュージョン 折りたたみ式ランタン FFL81J」という製品を紹介する。3月に発売になったばかりの新製品だ。

 ここ数年続いた大きな天災の際には、必ず停電が発生しており、乾電池で使用できる懐中電灯やランタンなどは一家に一台備えておくべき必需品となっている。

 この製品も本来はアウトドア用の製品だが、今回は防災用品として室内で試用している。ご了承いただきたい。

メーカーエナジャイザー
製品名LEDフュージョン 折りたたみ式ランタン FFL81J
希望小売価格オープンプライス
購入場所yodobashi.com
購入価格3,980円

単三形乾電池8本を内蔵可能

 今回、エナジャイザーからは4つのLED製品が発売されたが、すべての製品が単三乾電池対応となっている。LEDの進化により、単三乾電池でもある程度の使用時間が確保できるようになったということだろう。なかでも、FFL81Jはもっとも明るく、長時間使用できる強力なランタンだ。

 外観は、2つの板を組み合わせたような形をしている。片方がLEDと導光板を内蔵したパネルで、もう片方が電池を内蔵した本体だ。

 シンプルな形をしているので、写真では小さく見えるかもしれいないが、実物は単行本ぐらいの大きさがある。

シンプルな形
だいたい単行本ぐらいの大きさ

 LEDパネルは、200度ぐらいの範囲で回転できる。LEDパネルの位置により、前だけ照らすLEDライト、上下を照らすLEDスタンド、360度の周囲を照らすLEDランタンとして使い分けることができる。LEDパネルを立てると、重心が高くなるので、本体が倒れないように支えるスタンドが内蔵されている。

スタンドが内蔵されている
本体の底面とスタンドの構造

 本体サイズは12×4×19cm(幅×奥行き×高さ)ある。これは折りたたんだ時の寸法で、LEDパネルを立てると高さは30cmを越える。ただし、以前の機種に比べると本体はとても薄くなった。本当に板のようだ。

右においた「LEDコンパクト折りたたみ式ランタン」との大きさ比較
同じ単三形乾電池対応だが、コンパクトランタンよりもずっと大きい
LEDパネルを立てると30cm定規を越える高さになる

 電源は単三形乾電池で、4本または8本使用する。4本でも8本でも明るさは変わらないが、使用できる時間が長くなる。

 電池ボックスは反射板を外した場所にあり、パカっと開くので電池が入れやすい。このあたりの構造は、以前レビューした「ソーラー折りたたみ式ランタン」と同じだ。

反射板の下が電池ボックスになっている。コインなどで上にあるネジを90度回す
電池ボックスを開けた状態。4本セットしている
電池を8本セットした状態。使用可能な時間が長くなる
単三形アルカリ乾電池8本を入れた状態で562gだった。手にすると軽く感じる

かなり明るく、用途も広い

 電源スイッチは、本体の裏側にある赤いボタンだ。1回押すとONで、もう1回押すとOFFになる。赤いカバーは大きいが、実際のボタンは中央部分にあるので、真ん中を押さないと反応しない。

 明るさはカタログ値で300lm(ルーメン)ある。数年前の同社のLEDランタンでは、大型の製品でも50lmから100lmぐらいの製品が多かったから、かなり明るくなった。

裏面にある赤いボタンが電源スイッチ
グリップを握ればLEDライトとしても使える
グリップの断面は三角形。すべり止めが巻かれていて握りやすい
本体の白い部分が全部光る

 LEDの明るさは十分にある。LEDの光はいったん導光板に導かれるので、明るさの割にはまぶしさを感じない。このままLEDライトとして使うと、数m先までの広い範囲を照らしてくれる。レンズを使ったLEDライトのように遠くは照らしてくれないが、室内で使用する分には十分だ。

この状態では、前方向だけを照らす
近い場所を広い範囲で照らしてくれる
導光板の上に並ぶ6つのLEDの光が導光板全体に拡散する

 LEDパネルを立てて、四方を照らすランタンとして使った場合でも、6畳ほどの部屋であれば十分に日常生活が過ごせる。

LEDパネルを立てた状態
周囲を明るく照らす
ほぼ全方位を照らす
LEDパネルはこの角度まで曲がる

 LEDが明るすぎるときのために、無段階調光機能が用意されている。LEDを点灯したあとで、ボタンを長押しすると明るさが少しずつ変化する。だいたい半分ぐらいの明るさまで暗くなっても、そのまま押し続けていると、また明るさが戻ってくる。

 ただ、明るさを調整するときに、つい長押しを忘れて、もう一度ボタンを押して消灯してしまうことが何度かあった。他社の「強→弱→点滅→消灯」という操作方法に慣れてしまっているのだ。長押しに慣れるには少し時間が必要なようだ。

 LEDパネルを水平に起こしてスタンドのようにすれば読書ができる。光のムラがなく、照明範囲も広いので、本が読みやすい。明るさの調整ができるのは、読書の時が一番ありがたかった。

LEDパネルを水平にして読書をしている状態
光のムラが少なく読みやすい

 また、LEDパネルを高く立てて置けば、ほぼ360度を照らすので、リビングルームの中央に置いて数人で囲むような使い方もできる。スタンドがあるので安定していて倒れる心配はない。

 なお、ランタン本体にフックは用意されていないので、吊るときは、スタンドを起こして引っ掛けた。LEDパネルの角度が変えられるので、本体が少し斜めになっていても調整できる。また、IPX4(防沫形)規格準拠の防水なので、浴室内など湿気のある場所でも使える。

フックがないので、スタンドで吊るした
広い範囲を十分に明るく照らしてくれる

 電池寿命については、カタログ値では8本セットした状態で100時間点灯となっている。手持ちの乾電池を8本セットした状態で、丸3日点灯し続けておいたが、まだ十分な明るさがあった。1日8時間ほど使うとすれば、一週間弱は当てにして良いだろう。

価格だけの価値はある使いやすい製品

 この製品を数日使ってみたが、素直で使いやすい製品だと感じた。機能が単純なので、使い方が明快で迷わない。LEDが明るく、照射範囲も広いので使える範囲が広く、どこで使ってもなんとかなる。

 あえて言えば、この製品のネックは4,000円近い値段だろうか。もう千円ぐらい安いと、外観、性能、価格のバランスが取れると思う。

 繰り返しになるが、この製品は使える範囲が広く実用性が高い。停電に備えてLEDランタンを購入する際は、ぜひ候補に入れて欲しいと思う。

伊達 浩二