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やじうまミニレビュー

パイロットインキ「嘘ビール」

〜アルコールがダメでもビール気分が味わえる魔法のジョッキ
by 正藤 慶一


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


パイロットインキ「嘘ビール」

 お酒が飲めないだけで、大人としての行動範囲は狭まる。おしゃれなバーにも行けないし、日本酒の揃えが売りの小料理屋にも入りづらい。体質なのだから仕方がないのだが、飲み屋でいい気分になっているスーツ姿の皆さんを見ると、どうにも人生を損をしているような負い目を感じてしまう。

 そんな私のような“飲めない”派にピッタリのグッズが、この夏誕生した。パイロットインキの「嘘ビール」である。何とも奇妙な製品名だが、ビールを飲んだような雰囲気を味わうためのジョッキなのだ。



メーカー パイロットインキ
製品名 嘘ビール
購入店舗 Amazon.co.jp
購入価格 998円
見た目は単なる小さなジョッキ。ジョッキを覆う半透明の“もや”がポイントだ

 嘘ビールの外観は、単なる小さめのジョッキ。プラスチック製であまり高級感は感じられない。よく見ると、全体的に半透明の白いもやがかかっているが、これが“ビール感”を演出するためのポイントなのだ。

 さっそく嘘ビールの中に冷水を入れてみよう。すると、ジョッキの色が、どんどんビールのような黄金色に変わっていく。ジョッキの4/5くらいまで注げば、白い半透明部分が泡のようで、見た目では完全にビールだ。


嘘ビールに三ツ矢サイダーを注いだところ。だんだんとビール色に変わっていく

 念のため種明かしをしておこう。嘘ビールの白い部分には、約15℃以下になると色が変わる特殊なインキ「メタモインキ」が塗布されている。そのため、冷水を入れることで、ビール色に変わったというわけだ。ちなみにパイロットインキは、文具メーカーのパイロットコーポレーションの子会社。“消せるボールペン”で知られる「フリクション」シリーズに使われているインキも、このメタモインキを改良したものという。 [→ パイロットのページ]

 嘘ビールに注いだ水を飲むと、当たり前だが中は冷水のまま。飲んでもビール味に変わっているわけはなく、ただの水だ。しかし、普通の水を飲むよりも雰囲気があって、なんとなく良い気分になる。もしかしたら、脳が“ビールを飲んでいる”と誤解しているのかもしれない。

一番雰囲気が出るのが、三ツ矢サイダーなどの透明の炭酸飲料。炭酸の泡が良い感じにビール感を演出してくれる

 もちろん冷水以外を入れても大丈夫。特にオススメなのが、「三ツ矢サイダー」など透明の炭酸飲料。炭酸の泡がジョッキ側面から見えるので、より“ビール感”が高くなる。

 逆に、色の濃い飲み物には向かない。コーラを入れたところ、ジョッキ全体が黒いのに、炭酸の泡だけがオレンジ色に映り、コーラだか何だか、中途半端な飲み物に見えてしまう。ビール感を演出するなら、透明の炭酸飲料をお勧めしたい。


コーラの場合、コーラの黒と嘘ビールの黄色がまだら模様で出るので、何の飲み物だか分からない 牛乳だと黄色が濃く出すぎてしまって、透明感がない
実は会社で普通に使っていたりする。中身はミネラルウォーター

 私はこの嘘ビールを、会社のデスクで普段から使っている。いつも飲んでいるミネラルウォーターや炭酸飲料も、これに移し替えれば、普通とは違った気分になる。また、あまり褒められたことではないが、“仕事中にビールを飲む”というタブーを破るような爽快感も味わえる。実は持ち手部分が広いため持ちやすく、容量の普通のマグカップ並みの250mlと、コップとしての基本機能も備えていたりするので、何の不自由もなく使えている。

 もちろんこれは、これはImpress Watchのようなユルめの会社だから通じている部分が大きい。お固い会社で使うと、あらぬ誤解を生むかもしれない。この点にはご注意いただきたい。

 なお、姉妹品として、ワイン色に変わる「嘘ワイン」、カクテルの青い色に変わる「嘘カクテル」という製品もあるが、どちらも容量が100ml台と少ない。普通にコップとして使う場合の実用性を考えると、嘘ビールが一番オススメだ。なお、全製品がコールド専用で、熱い飲料には使えない。

えびす顔で飲んでいるが、中身は三ツ矢サイダー。普通に飲むよりもテンションは高まる 姉妹品として、嘘ワイン(左)と嘘カクテル(右)もある。容量を考えると、嘘ビールが一番実用的だ

 ジョークグッズや子供の遊び道具としての意味合いが強い製品だが、私のような“飲めない”派が、アルコールを飲んだ気分を味わうという「異文化交流」ができるという点で、画期的な製品だと感じた。普通のジョッキサイズがあったら、ぜひとも居酒屋に置いていただきたい。“飲んでる感”が演出できるので、“飲む”派の人たちの視線も気にならないからだ。

 大人になって分かれる“飲む”派と“飲まない”派の大きくて深い溝。その溝を埋めるのが、ジョッキに秘められた小さな「嘘」だとしたら、こんなに素敵なことはない。私のように、お酒は飲めないけどせめて気分だけでも味わいたい人は、一度試していただきたい。





2011年 9月 5日   00:00