やじうまミニレビュー

オルファ「キリヌーク」

~力加減に左右されない、1枚切りカッター
by 小林 樹


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


オルファ「キリヌーク」

 雑誌や新聞の記事やレシピ、気に入った写真をスクラップするのに、カッターを重宝している。ただし、上の紙を1枚だけ切り取るのは、力加減にコツがいる。以前取り上げたデザインフィルの「一枚切りカッターII」は、“刃先が切りたい方向に自在に動く”という利便性があったが、力加減に慣れるには少し時間が必要だった。

 そこで今回ご紹介するのは、力加減に左右されずに一番上の紙だけ切れるという1枚切りカッター「キリヌーク」だ。

 


メーカーオルファ
製品名キリヌーク
希望小売価格オープン
購入場所Amazon.co.jp
購入価格600円

 キリヌークは、一見したところ一般的なカッターと似ている。サイズは約15×140×8mm(幅×長さ×厚さ)で、これも普通のカッターと大差ない。

 ただし、普通のカッターと異なる点が2点ある。まず1つ目は、本体側面に、「MIN」「MAX」と目盛が書かれたアジャスターが付属していることだ。このアジャスターとは、刃にかかる圧力を手動で調整できる調整装置で、これによって色々な紙の厚さに合わせて表面の1枚だけを切り取れることが可能だ。紙が薄い時はMINに、厚い時はMAXにアジャスターを近づけて、刃にかかる圧力を無段階で変えることができる。MINの時は刃がよくしなり、紙にかかる刃先の圧力が弱くなる。MAXの時は刃がガッチリホールドされて、ブレずに刃を立てられるのだ。

パッケージには、「薄い新聞から厚い雑誌まで、これ一つで対応できる」とある」パッケージ裏には使い方が記載されている
キリヌーク本体アジャスター側アジャスター部。もち手の側面になる。もち手のあたりはふっくら丸みを帯びたフォルムで握りやすい

 もう1つは、刃がほんのちょっとしか出ないことだ。このちょこんと出た刃が、1枚だけ紙を切るのに適しているのだ。

刃が収まっている状態刃を繰り出した状態。刃がちょこっとだけ出ているのがわかる

 さっそく雑誌に刃を立てる。切り方は普通のカッターと同じで、ブレずにまっすぐに切れた。果たして1枚だけ切り取れているのだろうか……と1枚下の紙を確認すると、残念ながらくっきりとカッターの跡がついてしまっている。アジャスターの調節をMAXにしていたので、力が強すぎたようだ。キリヌークは、紙ごとに自分で厚さを見極めて、アジャスターを調節することが肝心なのだ。

 試し切りをしてアジャスターを調節し、再挑戦したところ、下の紙に跡が付かずに、切り取るとができた。雑誌を切り抜くのに最適と思われるアジャスターの位置は、下記の画像でご確認いただきたい。

刃を当てているところ刃を当てて横に引くように切ったきれいに切り取れた
跡が付いていたアジャスターをMAXにいれていたからだ
しっかり切り取った下に跡はついていないファッション誌など、紙が厚い雑誌を切り抜くのにはこのくらいが最適かと

 紙の厚さが違えば、アジャスターで調節する強さも変わってくる。そこで、色々な紙で試してみた。

 まず、週刊誌。週刊誌などの文字が多い媒体は、ファッション誌などの写真が多い雑誌に比べて、比較的紙が薄い。そこで、アジャスターをMIN寄りに調整して切ったところ、さきほどよりも軽い力でスルスルと切り取れた。下の紙まで切れることはなかった。

週刊誌を切ったところアジャスターの調節はMIN寄り

 次に、普通のノートで試してみる。ノートは想像よりも紙が厚いようで、アジャスターをMAX寄りにした。

ノートを切ったところアジャスターの調節はMAX寄り

 パンフレットはどうだろう。寺社仏閣や展覧会などのパンフレットやチラシは、いずれもやや厚手の紙だった。アジャスターをMAXに調節したところ、ちょうど良い力具合で切り取ることができた。

パンフレットを切ったところアジャスターの調節はMAXがベスト

 さらに、ホチキスで束ねたコピー用紙でも試してみたところ、MAXよりやや弱めに調節するくらいがちょうど良かった。

コピー用紙を切ったところアジャスターの調節はMAXよりやや弱め

 残念ながら、ハガキなどの厚紙には刃が立たず、切りとることができなかった。また、曲線を切るのも難しく、切れないこともないのだが、きれいにうまく切り取れない。キリヌークは、あまり厚くない紙に使う直線切り用のアイテムと捉えた方が良いだろう。

ハガキのような厚紙には刃が立たなかったノートをハート型に切り抜いてみるきれいな曲線は切れない…
普段よく使っているペン達と一緒にしたところ

 最初のうちは色々な厚さの紙を試し切りせねばならなかったが、慣れてくると“だいたいこのくらいかな”という勘でアジャスターを操作できるようになってくる。力をいれずとも本体の自然な重みにまかせてまっすぐに切れるので、長い直線を切る時にも適している。力加減にコツもいらずに安定した直線が切れるから、力の弱い人や、不器用な人、カッターを使うとついつい力んでしまう人には、役に立つはずだ。

 普段よく使っているペン達と一緒にしてもなじむので、デスクのペン立てに一緒立てておいても邪魔にならない。スクラップをよくする人には、いざという時にサッと使えて、便利なアイテムとなるだろう。




2011年 2月 15日   00:00