やじうまミニレビュー

無印良品「耐熱ガラスボール付き サラダスピナー」

~ボール単体でも使えるサラダ作りセット
by 但見 裕子


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


無印良品「耐熱ガラスボール付き サラダスピナー」

 サラダ用の野菜は、冷水につけておいて、そのあと水気を取ってから食べると、パリッとしておいしいものだ。

 サラダ野菜の代表であるレタスの水気を取るのには、以前は「フキンやキッチンペーパーで1枚ずつ拭くもの」とされていたことがあった。今でも、昔風というか、ていねいなレシピにはそう書かれていることがある。

 毎日のことにそんな手間をかけたくない私は、水につけておいたレタスを手で振り回して水気を切っていた。しかしこの方法は、人としていささかデリカシーに欠けるかもしれない。シンクまわりが水だらけになってしまうのだ。

 ここで念頭に浮かんでくるのが、サラダ用の野菜をグルグルと回し、その遠心力で水を取る「サラダスピナー」というジャンルだ。前から存在は知っていたし、興味はあった。しかし「サラダ用の野菜の水気を切る」単一用途のためだけに、このキッチンツールを買うのが無駄なような気がして、二の足を踏んでいたのだ。何しろ、そこそこの大きさがあって収納の問題があるし、「必ず毎日大量のサラダを作る」家でないと意味がないのではないかと考えていた。

 しかし、今回紹介する無印良品のサラダスピナーには、水受け部分にしっかりしたガラス製のボウルが使ってあるのに心を動かされた。安物のステンレスのボウルしか持っていなかったので、こういうサラダボウルとして食器使いもできるちゃんとしたボウル込みでなら、導入する価値がありそうだ、と思ったのだ。


メーカー無印良品
製品名耐熱ガラスボール付き サラダスピナー
販売価格2,400円
購入場所無印良品ネットストア


本体には直径約23cmのガラスボウルが付属する

 サラダスピナーは、大きく4つの部分に分かれている。まずは23×10cm(直径×高さ)の「ガラスボウル」。厚みがあって高級感がある。重さを量ってみたら900gあった。耐熱ガラスなので、120℃までの熱に耐えるらしい。

 さらには、ボウルの中に置いて使う「回転軸」、回転軸に乗せるサル状の「バスケット」、バスケットにはめこみ、ハンドルを手動で回す「スピナーカバー」だ。これらの部品も、100℃までの熱に耐える。バスケットはザルとして単体でも使えそうだ。

 「スピナーカバー」には、放射状のミゾのついた「回転板」が組み込んである。取り外せるので洗うときは外して洗いたいが、大きく引っぱって外すときに「バカッ」と大きな音がするのが少しこわい。何だか壊してしまいそうな気がするのだ。使っている間には少し慣れてきたが。

左から耐熱ガラスのボウル、ザル状になったバスケット、丸いハンドルがついたスピナーカバー。手前が回転軸スピナーカバーは、このように分解できるが、外すときに大きな音がして少しこわい


シーフードサラダを作る

 とりあえず、このサラダスピナーを使ってサラダを作ってみよう。まずは、レタスとワカメ、エビで、シーフードサラダに挑戦した。

 まずボウルに氷水を満たし、レタスを大まかにちぎって入れる。しばらくたつとパリッとしてきたので、「サラダスピナー」に入れて回してみた。初めはやや重いが、回転させているうちに加速がついてきて軽くなり、カラカラと気持ちよく回る。回したあとでボウルの底を見てみると、思ったよりずっとたくさんの水がとれていた。水が切れてパリパリとしたレタスをお皿に盛りつける。

レタスを氷水にさらしてパリッとさせるそのあと、サラダスピナーに入れて水切りするスピナーで水を切ると、これだけ水が取れていた

 次に塩蔵ワカメをボウルに入れて、水で洗う。おおむね塩がとれたら、熱湯をかけて戻す。耐熱ガラスだから割れる不安はなく、ワカメの色が鮮やかな緑色に変わるのも楽しめる。

 このワカメを水で冷やし、ほどよく切ってサラダスピナーにかける。ぐるぐる回してからフタをあけて見てみると、ワカメが柔らかいため、バスケットのザル目にぴったりとはりついていた。これをレタスの上に盛りつけて置いておく。

 最後の食材はエビ。ボウルにエビを入れて、レンジにかける。ガラスボウルだと中のようすが見えるから、エビが真っ赤になったら取り出せばいい。エビが冷めたらカラをむいて、トマトやキュウリと一緒に盛りつけ、ドレッシングをかけてできあがりだ。

戻したワカメに熱湯をかける。耐熱ガラスだから不安はないエビをボウルに入れてレンジで加熱シーフードサラダ

 食べてみると、まずレタスがシャリシャリでおいしい。ワカメも、よく水を切ったせいかムチッとしていて水っぽさがなく、ドレッシングがよくなじむ。エビも火の通り方が程良い。おいしいサラダになった。


マカロニサラダを作る

 次はマカロニサラダを作ろう。

 今までマカロニサラダを作る時は、マカロニをゆでて水にさらしたあと、ザルに入れて一生懸命振って水気を取っていたのだが、それだとどうしても水気が残る。マカロニは中空になっているので、穴にも水が残るのだろう。固めにゆでて手早く冷やしても、水気のせいで何だかぐんにゃりしたマカロニサラダになってしまうのだ。

 それなら、サラダスピナーでしっかり水気を取ったら、しゃっきりしたマカロニサラダができるのではないだろうか。

 まず、サラダ用のマカロニを規定時間ゆでる。ゆでている間にハムやきゅうり、ゆで卵などを刻んで具を用意。ゆであがったマカロニをスピナーのバスケットにあける。

 そして水にさらして冷やしたマカロニを、スピナーに入れて回す。レタスやワカメと比べると、重く、回転させる力がいるが、結果的には、想像以上にたくさんの水気が取れた。


マカロニの水切りをしているところ

 後は具を入れて、マヨネーズを加えて混ぜれば完了だ。今回はガラスボウルで混ぜて盛りつけ、食卓に出した。食べてみると、やはりうまくいった感じだ。マカロニがしゃんとしていて歯ごたえがあるし、水気が出ていないので、アクセントに入れた玉ねぎとマスタードの風味がよく効いている。また、具のゆで卵の味もよくわかる。水気で黄身が溶け出さないからだろう。

水切りをしたマカロニとほかの具材をボウルで混ぜるマカロニサラダ。卵の黄身をクラッシュしてかけてみた

 多めに作ったので冷蔵庫にしまっておいて、次の食事のときにも食べたが、時間が経ってもマカロニがだれなかった。学校給食で出たような、汁気の多いクラシックなマカロニサラダが好きな人には向かないかも知れないが、個人的にはいい感じのマカロニサラダになった。

番外編 めんの水切りをしてジャージャー麺を作る

 マカロニの水切りがよくできたので、今度は冷やし麺の水切りをして、ジャージャー麺を作ってみることにした。

 中華麺をゆでて、水で冷やしてから、サラダスピナーで水切りをした。マカロニ同様、少し重いが気持ちよく回せる。フタを取ってみてあれっと思ったのが、フタの裏の回転板に、麺が何本かひっかかっているところ。そーっと指で引っぱったら取れたが。

 取り出した麺に味噌だれをかけて食べてみた。よく水が切れているので、タレがよくからむ。時間が経っても伸びにくそうだ。

中華麺を茹でてからサラダスピナーで水切りするこんなふうに回転板に麺がからんでしまったジャージャー麺

 ただ、今回はあえそばだからいいが、つけ麺やざるそばのように一口ずつ取って食べるタイプの麺料理の場合は、あまり水気をとってしまうとすべりが悪くて食べにくいかもしれない。

イカクンとセロリのサラダを作る

 次は、イカクンとセロリでサラダを作ろう。作るのは初めてだ。

 このメニューは、実は山岸凉子氏のマンガで知ったもの。「セロリが苦手な子供のために、切ったセロリを水にさらして、おつまみのイカクン(イカの燻製)と一緒にフレンチドレッシングであえて食べさせる」というシチュエーションだった。私もセロリがそれほど好きな方ではないが、イカクンは好きなので、この組み合わせならセロリをたくさん食べられるのではないかと考えて、やってみることにしたのだ。

 まずは、セロリを薄いななめ切りにして、葉も細かく切り、水にさらす。イカクンはキッチンばさみで半分くらいに切っておく。スピナーでセロリの水気を取り、イカクンと一緒にドレッシングで和える。これで完成だ。

 食べて見ると、セロリの強い風味が、さらしたことで和らぎ、イカクンのうまみとスモーク風味と混ざって、とても食べやすく、おいしい一皿になっている。また作りたいと思った。

セロリはしばらく水にさらしてから水切りし、イカクンは食べやすい大きさに切るイカクンとセロリのサラダ


スピナー単一用途というよりも“サラダ用料理セット”

 冒頭でも書いたように「サラダの水気を取る単一用途のツール」と考えると、それなりに場所も取るし、値段もそれほど安くはない。

 ここは、水さらしや水切りといった機能に加えて、食器も兼ねられる“サラダ用料理セット”と捉えるべきだろう。

 若い女性には、「毎日たっぷりのサラダを食べる/食べたい」という人が多い。そういう人が、たとえば新生活で台所用品を揃えるとき、ザルと調理用ボウルと食卓用サラダボウルを別々に買うのではなく、この「サラダスピナー」を買うことで、かえって台所の収納がすっきりすることもあるだろう。

 きれいに水気の切れた生野菜が楽しめるのはもちろん、大きめで厚みのあるサラダボウルは食卓に出しても見栄えがよい。サラダが好きな人、サラダをおいしく作るのを楽しめる人に、おすすめできる製品だ。




2010年 4月 19日   00:00