やじうまミニレビュー

ベルメゾン「トングにもなるすくっぱ」

~菜箸では扱いずらい魚もしっかりホールド
by 阿部 夏子


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


ベルメゾン「トングにもなるすくっぱ」

 ツメが甘いという言葉がある。何かに取り組んでいて、途中は順調だったのに最後に失敗してしまうという意味の言葉だ。私がツメの甘さを一番感じるのは料理をしているときだ。材料もバッチリ、味付けもバッチリで、さぁ食べましょうというところの盛りつけでよく失敗してしまうのだ。オムライスのフワフワ卵だったり、焼き目がきれいに付いている餃子など、見た目は料理の一部だ。中でも、特に失敗を繰り返しているのが、魚の盛りつけだ。

 盛りつけといってもそう大仰なものではなく、要は魚焼きグリルからお皿に移すだけなのだが、これがうまくいかない。特に難しいのが細長いサンマ。皿に盛りつけるどころか、ひっくり返すのに失敗するということもしょっちゅうだ。勢い余って床に落としてしまうということまで繰り返しているので、専用の器具を購入することにした。それが今回紹介するベルメゾンの「トングにもなるすくっぱ」(以下、すくっぱ)だ。


メーカーベルメゾン
製品名トングにもなるすくっぱ
購入場所ベルメゾンネット
販売価格1,680円


 大きなフォークが2枚組み合わさったような独特の形状の本体は、魚など箸やトングでは扱いにくいものの取り分け専用のグッズだ。
本体の先端部分は粗い櫛状になっている。それが2枚組み合わさっている本体上部のつまみを引っ張ると櫛は閉じた状態になる

 独特の形状は、使ってみるとすぐに便利さがわかる。まずフォークのように伸びた先端は、グリルの網の部分にちょうどはまって、魚の下にすくっぱを無理矢理入れなくても、スムーズに魚を持ち上げられる。すくっぱの上に魚を置いたら後は挟めばいいだけだ。

 使ってみると、まずは安定感がまったく違う。横から複数の支点で魚を持ち上げるのでさんまのような細長い魚でもまったく身崩れすることなく返すことができた。お皿に移す時も、狙ったところにきちんとおける。

さんまなど細長い魚は菜箸では扱いにくい独特の形状が、魚焼きグリルの網の形にぴったりだ魚全体をしっかりホールドできるので安定感が抜群

 煮崩れしやすい料理の代表格でもある煮魚でもしっかり応用できた。今回は菜箸では持ちにくい鯛のかぶと煮をお皿に移動したが、移しやすさは箸と比べるとまさに雲泥の差だった。

でこぼことした形状で、盛りつけが難しいかぶと煮もこの通りお皿の狙ったところに置ける盛りつけがうまくいくと料理もおいしそうに見える

 気に入って使っているが唯一気になるところといえば、本体の大きさだろうか。調理用の器具としてはかなり大きめで、我が家で使っている菜箸やトングを収納しているケースには収まりきらなかった。専門性の高い器具なので、使用頻度や必要性を考えてから導入するのが良いだろう。

 また、すくっぱはプラスチック製で熱に弱い。製品情報では先端部の耐熱温度は200℃とあったが、グリルの網で、本体の一部が溶けてしまった。同じ理由でフライパンでの使用にも向いていないだろう。すくっぱはあくまでも盛りつけや食材を裏返すのに使う器具で、炒めたり、調理に使う器具ではない。

キッチンハサミなどと比べてもかなり大きめのサイズだグリルの網で先端が溶けてしまった

 たかが、魚の盛りつけといっても、身崩れしたものときれいなものでは見た目が全く違う。すくっぱを使い始めてからこれまで緊張の瞬間だった魚の盛りつけが気兼ねなくできるようになった。魚をよく食べる家庭ならあると便利な一品だ。



2010年 3月 11日   00:00